台湾のファンタジー映画『壁を抜ける少年』

画像 昨年TIFFに出品された鴻鴻(ホンホン)監督の『壁を抜ける少年』の台湾版DVDが発売された。この作品は近未来ファンタジー映画。鴻鴻監督の作品はこれが初見だが、彼のセンスは日本でいえば大林宣彦とかなり共通するものがあるような印象を受けた。

 時は近未来台湾、地震のため田舎の故郷を捨て、大都市リアル・シティにやってきた高校生のシャオティエ一家。父は保険の外交員、母は飛んでる専業主婦。シャオティエは母親の意見に従ってコンピュータを専攻しているが、学業には半ば退屈している。そんなある日、彼は地震で落ちてきた石を拾った。ところが、その石を握りしめていると壁を抜けられることを発見。画像
 さらにシャオティエは学校の授業の一環で訪れた美術館で、そこで働くノノという女性に出会い、一目で心を奪われてしまう。彼女は耳が不自由で補聴器を通して音を聞いている。彼女に会いたい一心で何度も美術館に通うシャオティエ。だんだん二人の距離は縮まっていくのだが、ある日彼女がフランス人の男性とフランス語で話をしているのを見てしまう。
 彼女に彼は誰なのかを問い詰めるシャオティエ。すると、彼は非常に恩義のある男性で別れることは出来ないと答えるノノ。更にシャオティエは彼か自分かどちらかを選んでくれと迫ると、ノノは20年後で良ければ答えると告げて、メールでなら連絡を取ってあげると言い残し、彼の前から姿を消してしまう。

 その後彼女から写真が添付されたメールが来るのだが、返信しようとすると、メールアドレスが見つからないとエラーに。彼女がいなくなり非常に落ち込むシャオティエ。ふと思い立ち石を握りしめながら、彼女のいる「他方」へ行こうと念じて壁を抜けようとすると、彼は異次元の世界、夢の世界へと足を踏み入れたのだった...

 男性なら青春時代、一度は、憧れた女性が自分とは違う世界に住んでおり、自分の手の届かない存在である...そんなもどかしい思いを感じたことはないだろうか?まさにそんな男の子の思いを、異次元の世界とを何度も往復しながら彷徨しても彼女に届かない、そんなストーリーに託して結晶化させたファンタジー映画である。ただ若干ストーリーラインは妙に複雑、脱線気味の所もあり(でも女の子の描き方はとても魅力的)その辺りも含めて大林作品と共通の部分がある。画像

 出演者は主人公のシャオティエにチャン・ヨンツン(張永政)、ノノにリー・チャイン(李佳穎)で、下に紹介した記事によると二人とも台湾のTVドラマ中心に活動しているらしい。またシャオティエが異次元の世界で出会う、自分の父親が捨てた娘、アーホンにルー・チャーシン(路嘉欣)。彼女は主題歌も歌う。映画でのリー・チャインはとてもキュートでチャーミング。この映画を見て彼女の魅力にやられてしまう男性は多いのではないか。日本でも売り出したら人気が出そうである。

 DVDのフォーマットはジャケットには書いていないが台湾盤では珍しくアナモルフィック収録。ただ片面一層収録のせいか、画質は今ひとつ。

原題『穿牆人』英題『The Wall Passer』監督: 鴻鴻
2007年台湾映画

DVD(台湾版)情報
発行 原創娯楽 販売: 沙鴎国際多媒体 画面: NTSC/16:9 音声: Dolby2 北京語 本編: 107分
リージョンALL 字幕: 中/英 片面一層 2008年6月発行 希望価格NT$299


TIFF『壁を抜ける少年』監督・出演者インタビュー (JANJAN映画の森)
http://www.cinema.janjan.jp/0710/0710230444/1.php

穿牆人~鴻鴻について(稲見公仁子氏)
http://qnico-tw.blogspot.com/2007/10/blog-post_18.html

公式ブログ
http://wallpasser2007.pixnet.net/blog

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