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zoom RSS 百婆仙の夫の本名は金泰道なのか? - ネットの誤りを見極める

<<   作成日時 : 2016/09/01 07:19   >>

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 家内が韓国ドラマ『火の女神ジョンイ』が面白いというので、先日までTV Tokyoで連続放映されていたものを録画してみていた。BSが入っている韓国ドラマファンの方はとっくに見ているのだろうが、我が家ではBSが見られないので、遅ればせながら今になってみているのであるが。

 最後にジョンイのモデルは有田焼の草創期に活躍した百婆仙という実在の人物だと出ていた。(http://www.tv-tokyo.co.jp/hinomegami/smp/intro/intro2.html TV Tokyoサイト)もちろん、『大長吟』が、実在モデルがいたとはいえ、朝鮮王朝時代に単に長吟という女医がいたという一行の記述だけに基づいてストーリーはほぼ100%フィクションであったのと同様に、本作も韓国ドラマの通例にもれず大半はフィクションだろうと思いながら、「百婆仙」というキーワードで検索してみた。

 すると、百婆仙が有田焼の草創期に活躍した女性陶工であり、夫、深見宗伝とともに、豊臣秀吉の出兵の際、朝鮮から佐賀県にわたり現在の武雄市で陶器を製作していたが、1618年の夫の死後有田に移り、有田焼の李参平とともに草創期の有田で活躍し、後進の育成にもあたって1656年96歳で亡くなったこと、この史実は有田町稗古場の報恩寺にある曽孫によって建てられた『百婆仙の法塔』に刻まれていることが分かった。また、子孫は現在も陶器関連の商売を営んでいるとともに、「百婆仙」は本人の死後子孫から呼ばれた愛称であり、本名は不明であるともあった。
 当然ながら、ドラマのストーリーは、朝鮮から日本に渡った女性陶工がいたという事実を除いてはすべてフィクションであった。

 ところで、同時に夫、深見宗伝の朝鮮での出生名は金泰道であるとの記述も多数あったので、それで、ジョンイのウラボニ役の名がキム・テドなのか、と思ったのだが...

例:
http://ameblo.jp/hatsuyoshi-shimamura/entry-12031608703.html
http://rekishinootoshimono.seesaa.net/article/392112359.html


 どうもこれはネットのデマであるようだ。

 おそらく百婆仙に関する情報元は日本にあり韓国にはない。するとネット上にある最も信頼性の高い情報は、百婆仙の子孫が営む深見商店のサイトであろう。
http://www.enogu-fukaumi.co.jp/souden/

またギャラリー百婆仙のサイトでは子孫が語った動画や情報が公開されている。
http://www.baekpasun.com/index.html#tvr
http://www.baekpasun.com/about.html

また、こちらのサイトの記述も信憑性が高そうだ。
「深海家と家永家」(炎の里有田の歴史物語 サイト)
http://www47.tok2.com/home/yakimono/honoo/01-03.htm

そして有田の観光案内のサイト (有田商工会議所)
http://www.marugotoarita.jp/kanko/aritahego/ramble3.html

以上のサイトには深見宗伝の朝鮮での出生名は金泰道との記述は一切見当たらない。
但し、『炎の里有田の歴史物語』サイトでは深見宗伝は慶尚南道金海から連れてこられた、とある。ひょっとすると場合によっては姓は金海金氏であったかもしれない (とはいえ金海に住んでいた人がすべて金海金氏であったわけではない)。ただ名前が「泰道」であったということを裏付ける記述は一切ない。

さらに、有田商工会議所のサイトを見ると百婆仙の法塔の正式名は「蔓了妙泰道婆之塔」とあるので、そこから「泰道」という名前がとられたであろうことは推測できるが、泰道婆が、夫が「泰道」だったおばあさんの意味なのか、それとも人格が泰然としていたおばあさんの意味なのか判然としない。おそらく後者であろう。

 さらにGoogle検索に期日指定のオプションがあるが、『ジョンイ』が製作された2013年以前の記述を before:2013-01-01 オプションをつけて検索してみると、百婆仙関連で「金泰道」という記述のあるサイトは一切ない。

 つまり「深見宗伝の朝鮮名は金泰道である」との記述は、『ジョンイ』の役名を歴史的事実と誤認したとほぼ断定してよさそうだ。

 おそらくそのネット上での誤認元は『ジョンイ』DVD発売元のポニーキャニオンのサイトであろう。
http://www.hinomegami-j.net/story/index.html

 というわけでネット情報の信憑性を見極めるときは慎重に!

 なお、村田喜代子による百婆仙をモデルとした小説もあるようだが、これもフィクションであることはご注意。ひょっとすると村田喜代子の小説が、「金泰道」説の大本かもしれない。ともあれ、百婆仙に関する歴史的事実はほぼ「百婆仙の法塔」に書かれていることがすべてであろう。

 ちなみに百婆仙も、おそらく、当時の子孫からの愛称が「百婆さん」だったのが、碑に刻むときに「百婆仙」といささか格好つけて刻んだのではないかという気がする。








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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
まさしく同感です。
夫婦の名前は不明です。
宗伝の墓はなく朝鮮名は不明です。
過去帳等は文政の大火で焼失したのかもしれません。
又、百婆仙の尊称は長命であり、一族郎党1000名余を率い
有田に移りリーダーシップを発揮し、礎を築いた語りとして贈られたものと推察します。
江戸時代の家系図では「女」と記載されるのみでしたから
人徳があり窯焼に貢献した推察します。
末裔
2016/09/18 18:34
コメントありがとうございます。
ネットは手軽ですが、やはり常に本当なのかと問いかけながら使うことが必要だと思われます。
yohnishi
2016/09/20 16:13

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