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zoom RSS 東京の魅力はもうない

<<   作成日時 : 2015/05/10 14:39   >>

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 3/11付けの朝日新聞。「リレーおぴにおん TOKYO風景」で作家の山内マリコ氏が、25歳の時に富山から上京してきたとき(2005年)、既に氏が雑誌で見て憧れた「東京」はなくなっておりがっかりしたという。

 音楽、アート、映画ファンの聖地だった「六本木WAVE」は既に亡く、渋谷・スペイン坂のとがったセレクトショップも姿を消していたという。その代わりあったのは、富山にも大阪にも京都にもあるファストファッションのお店ばかりだったという。

 そう、東京からは地方の均質化ばかり目に着いてしまうが、その一方で東京の魅力もなくなってしまっていたのだ。

 それを中央−地方の文化格差の解消、情報の平等化と肯定的に捉えるべきなのか、それとも地域の個性の消失と悲しむべきなのか。

 コラムニストの小田嶋隆氏も日経ビジネスオンラインで連載している「ア・ピース・オブ・警句」の2014年10月31日付「大学に行く理由」 (http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20141030/273213/?rt=nocnt) のなかで、富山和彦氏の唱える「G型、L型大学論」を批判しているが、この批判も山内マリコ氏の指摘と重なる部分がある。

 小田嶋氏は富山氏の挙げる次のような例示をとりあげて批判する。

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この図表は、「L型大学で学ぶべき内容(例)」として、以下のような実例を挙げている。

※文学・英文学部→「シェイクスピア、文学概論」→ではなく→「観光業で必要となる英語、地元の歴史・文化の名所説明力

※経済・経営学部→「マイケル・ポーター、戦略論」→ではなく→「簿記・会計、弥生会計ソフトの使い方」

※法学部→「憲法、刑法」→ではなく→「道路交通法、大型第二種免許・大型特殊第二免許の取得」

※工学部→「機械力学、流体力学」→ではなく→「TOYOTAで使われている最新鋭の工作機械の使い方」
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小田嶋氏は主張する。

 このプレゼン資料の中に底流している「劣った者がローカルにとどまり、優れたものがグローバルに羽ばたく」という思想は、文科省が出してくるあらゆるプランに通底している。のみならず、安倍首相ならびにその応援団である財界人がことあるごとに繰り返している日本改造計画の基本スキームでもある。
 が、実際のところ、「グローバル」と「ローカル」を分かつものは、必ずしも「優劣」ではない。

(中略)

両者の間にある違いは、優劣ではない。
 どちらかと言えば、「換金性」(金に換算できる性質)や、「普遍性」が、「グローバル」の条件であり、逆に「ローカル」にとどまるものは、「個別的」で「独特」で「換金不能」な物件ということになる。

(中略)

もうひとつ大切なポイントは、「グローバル」「ローカル」というこの二区分法が、元来、商品を評価するための指標だということだ。
 であるから、企業や、商品や、ビジネス上の慣習や、市場や価格について語るにおいて、「G型」と「L型」の区分けは不可欠であるのだろうし、また、商品に限って言うなら、「Gの世界」と「Lの世界」の間には、基本的な「優劣」の差があるとも言える。
 しかし、「人間」「学問」「教育」「文化」「国民生活」といった「カネに換算できない諸価値」について、「グローバル」「ローカル」の二区分法を当てはめてしまうと、GとLの物語は、いかにも乱暴な話になってしまう。


 小田嶋氏の議論に全面的に賛成であるが、一つだけ付け加えると、富山氏の議論の「シェイクスピア、文学概論」→ではなく→「観光業で必要となる英語、地元の歴史・文化の名所説明力」の部分、所詮、「地元の歴史・文化の名所」などというものは、結局文学や歴史を教えなくなれば、名所でさえなくなってしまう。ごく僅かのエリートしか文学や歴史を学ばないとすれば、観光産業が成立するほどの人数の観光客が名所を見に来ることもなくなってしまう。そうなれば、東京ディズニーランドの亜流しか観光地として成立しなくなるし、それであれば東京とせいぜい大阪にあればじゅうぶんという話になってしまう。

 つまり富山氏の発想は、全国を画一的な価値観で覆い尽くしてしまうことになりかねないし、その延長線上にファストファッションのお店ばかりしかなくなってしまった東京も存在するのである。


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