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zoom RSS 孫崎亨『戦後史の正体』は陰謀論か?(3)

<<   作成日時 : 2014/06/29 09:45   >>

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 そして、これは孫崎氏だけではなく、他の国際ジャーナリストらも指摘していることであるが(それにもかかわらず日本において主流の認識になっていない)、1980年代後半以降、特に1989年の冷戦体制崩壊以降、アメリカの最大の敵は、冗談ではなく、日本になっていたにもかかわらず、日本側には全くその自覚がなかった、という指摘の重要性は、いくら強調してもしすぎることはない。
 ドルショック、銀行へのBIS規制の導入、そして本書に指摘はないが、日本企業への国際会計基準の適用など、アメリカの組織的な日本経済弱体化戦略としてきっちり理解していくことが必要だと思う。アメリカは「オトモダチ」だから、日本を貶めるような政策をとるはずはない、そしてアメリカに貢献していれば必ず日本を助けてくれるはずなどというナイーブな思い込みは捨てるべきである。

 ただ、それはアメリカを無闇に敵視すべきだ、ということではない。日本も国際ルールに則って、アメリカに対して是々非々で立ち向かい、自分たちにとって利益にならないことはノーと言い丁々発止で交渉すれば良いというだけである。今の日本はずるずるとアメリカの言うことに全てイエスと言わされ、その鬱憤の反動であるかのように、中国・韓国にはノーを一方的に言うばかり、という態度が問題なのである。とはいえ、もはや日本経済は十分弱体化されてしまったので、今やアメリカとしては積極的に日本を貶める政策をとる必要は薄くなっているだろう。

 個人的な経験であるが、こんなことがあった。韓国に関心のあるある日本人の中高年の方が、ボランティアで日本にいる韓国人に日本語を教えていた。この方がこんなことをこぼしていた。韓国人と日本語を教える時間を調整するときに、自分は一所懸命相手の都合に合わせようと必死にスケジュールをやりくりしているのに、相手は一向に自分のスケジュールを思いやってくれる気配がない。内心怒りで爆発しそうで、何とかならないか、と言うのである。
 それで私は次のようにアドバイスをした。
「それで突然爆発したら、今まで、にこにこはいはいと言っていたのに、と相手はびっくりしますよ。そもそも相手に合わせて必死にスケジュールを合わせる必要はないんです。その日都合が悪ければ、都合が悪いから別の日にしてくれと言えば良いだけです。日本人だと都合が悪いというだけで気分を害する人がいますが、韓国人にはそんなことを気にする人はいません。だから相手も気楽に何日にしてくれないかと言ってくるのです。いちいち「思いやり」を必死に発揮しなくても良いという意味では、韓国人は日本人よりずっと気楽につきあえます。それを突然「思いやりがない」などと爆発したら、それこそ相手は驚愕します」
 「思いやり」という発想がない、または薄いのは韓国人ばかりではなくアメリカ人も同様である。 むしろないのが「国際標準」というべきだろう。ただ「思いやり」という発想がないから人間としてダメ、ということではない。なくても「take it easy」でいけるので、それはそれで通るのあり、それは単なるコミュニケーション様式の違いなのである。問題は「思いやり」が必ずしもない(=必要ない)相手に対して、、一方的に必死に「思いやり」を発揮したあげく自縄自縛になって被害者意識を募らせる日本人にある。以前、台湾人の持つステレオタイプ的日本人像は被害妄想的キャラクターではないかという指摘をしたが1)それも、このことに起因するように思う。

 アメリカは、決して日本を「思いやっている」わけではなく、素直に自己の利益を追求しているだけだと私も思う。繰り返すが、そもそも「思いやり」という発想は欧米にも中韓にもない。だから米軍は、尖閣諸島防衛問題も自国の利益につながると思えば守ってくれるだろうし、損失になると思えば放置するだろう。もっと具体的にいえば、尖閣問題が局所的トラブルにとどまる限りでは、米国にとって日本から有利な条件を引き出すために、それを守ることは自国の利益になるだろうが、それが対中戦争、ひいては、米国の中国での経済活動全面停止につながる可能性が高くなれば、尖閣を守ることは莫大な自国の損失につながり、到底引き合わないと判断するだろう。
 それに対し日本は「思いやり」の発想でずるずるとアメリカに対しYESを言い続けている。だが、今のままでは、いつかアメリカ側に「思いやり」などという発想がそもそもないことに気づいたとき、一気に日本の中に反米感情が爆発するであろう。
 特に「集団的自衛権」の必要性を「思いやり」的発想で説明しようとする安倍内閣には、非常に問題が多い。

1)「改めて、台湾映画『海角7号』が提示していた日本人像が示唆するもの」(2014.1)
http://yohnishi.at.webry.info/201401/article_1.html

[この項続く]

前回記事
http://yohnishi.at.webry.info/201406/article_6.html
前々回記事
http://yohnishi.at.webry.info/201406/article_4.html

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