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zoom RSS 麗水は旅愁を呼ぶ - 韓国映画『旅愁』

<<   作成日時 : 2012/07/19 06:29   >>

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画像 2011年韓国封切りのロードムービー。監督はTVドラマ、CFのプロデューサー出身で『ビューティフル・サンデー』を撮ったジン・グァンキョ。遺骨配達のため麗水に来た青年と、ある事情を抱えた未婚の母親との出会いを描く。

 軍隊を除隊後休学のまま、大学の授業料稼ぎのためソウルにあるバイク配達便会社で働くチョルス(チョン・ウィチョル)。その会社では役所の委託でソウルで亡くなったホームレスの遺骨を故郷に配達するサービスも請け負っている。
 よりによって、明日は亡くなった父親のチェサ(命日の儀式)を行う日だというのに、チョルスは、韓国南部全羅南道の麗水まで遺骨を届けて来いと業務命令が。友人に自分の代わりに行ってくれないかと頼むが、つれなく断られてしまう。
 仕方なく、その日の晩、麗水行きの夜行バスに乗ってソウルを発つ。よく明日早朝麗水のバスターミナルにつき、ベンチに遺骨を載せて寝る。ふと起きてみるとなんと遺骨がない。そして遺骨の代わりに赤ん坊が置かれている。母親が戻ってくるかとしばらく待つが戻ってくる気配がない。仕方なく赤ん坊を連れバスターミナルの事務室を訪ね、事情を話すと、近くの警察の派出所に行ってくれといわれてしまう。
 言われたとおりに派出所に行くと、いろいろ事情を聴かれた挙句、我々は、これからパトロールに出なければならない。夕方になったら赤ん坊を引き取るから、それまで見ててくれと言われ、仕方なく赤ん坊を負ぶって、突山大橋脇の公園にまで来ると、突然電話が。それは遺骨を持って行った母親ミジン(コ・ジュニ)が、遺骨とともに挟んであった電話連絡先を見て掛けてきた電話だった...

 麗水の美しい光景と人情を背景に、ホームレスの遺骨配達および現代版シバジという、日陰に隠された、一風変わった現代版風俗を掛け合わせて描いた作品。その社会的バックグラウンドには、最近韓国で大きく問題になっている大学の授業料高騰による負担の増加や家族の絆の弱体化、孤立化という社会問題があるのだが、それに対して直接に声高に何かを叫ぶのではなく、世相描写の中でそれとなくその問題性を示唆している。
 いささか突飛な設定とも見え、また男女の偶然の出会いが、必ずしもロマンスを生むわけでもない点に物足りなさを感じる向きもあるかもしれない。だが、麗水の光景やあるいは社会問題を背景にしながら、改めて人々の情について考えさせられるそのシナリオには手堅さも感じられる。そして、ほっと一息つかせるのような、ある種さわやかさも感じさせるようなラストの情感もなかなか良い。ただ俳優の演技についてはもう一歩のところも。
 印象としては、描かれている季節もエピソードも異なるのだが、その抒情性表現にはイ・マニの『森浦(サンポ)へ行く道』(1975)を想起させるものがある。

 ちなみに映画の中で「麗水は旅愁を呼ぶ」というテキストが出てくるが、これは麗水も旅愁も韓国語では同じ(여수/려수)であることを利用したダジャレ。

 本作の韓国封切り日は2011年11月10日。韓国観客動員数はなんとたった36人。国内未公開。

 ジン・グァンキョ監督は、1991年中央大学映画学科を卒業後、MBCエデュ・コムにプロデューサー(PD)として入社。DCNプロデューサーを経て、ホバク(かぼちゃ)・コミュニケーションズを設立しCFや宣伝映像を製作。2007年に自らのシナリオで長編劇映画『ピューディフル・サンデー』を撮り、これが長編デビュー作。本作は彼の長編劇映画第2作。なお、今年第3作『おばあさんは一年生』が封切られている。

原題『려수』英題『Yeosu』監督:진광교
2011年 韓国映画 カラー 98分

DVD(韓国盤)情報
発行・販売: ART Service 画面: NTSC/16:9(1:1.85) 音声: Dolby5.1/2 韓国語 本編:98分
リージョン3 字幕: 韓/英(On/Off可) 片面二層 2012年 6月発行 希望価格W25300

『森浦へ行く道』 (1975)映画評
http://yohnishi.at.webry.info/201002/article_6.html

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