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zoom RSS 自称映画監督のママの奮闘と家族の再生を描く『レインボー (虹)』

<<   作成日時 : 2011/11/24 19:27   >>

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画像 2009年度の韓国インディー映画。中学生の息子を持つ映画監督志望の中年ママの奮闘ぶりと家族の危機と再生を交錯させて描いた作品。

 自称「映画監督」であるキム・ジワン(パク・ヒョンミョン)は、会社員の夫サンウ(キム・ジェロク)と高校生の息子シヨン(ペク・スミョン)の三人家族。彼女は映像製作会社に勤務しながら何とか自分の映画作品を作ろうと5年前から奮闘しているがなかなかうまくいかない。ついに堪忍袋の緒が切れた彼女は、会社を退社し、独立の「映画監督」になって映画会社に自分の企画の売り込みを図る。そんな妻に夫は退社をして大丈夫なのかと半ば呆れる。
 「太陽の家」と名付けた脚本を持ってあちこち売り込みを図るがなかなか決まらない。言われるまま脚本をちょこちょこ修正しながら売り込みを図る毎日が続く。そんな彼女は、息子からは馬鹿にされ、ママが映画が作れるようになったら、通行人#3で出演させてよ、と言われる。だが苦労の果てに幸い、映画会社のチェ・プロデューサー(イ・ミユン)が脚本を評価してくれて、映画企画のための事務室も名刺も手配してくれた。彼女もそれに応えて題名を『レインボー』と変え、シナリオも意欲も新たに全面的に書き直すことに。
 これで順調かと思われたがそうは問屋が卸さなかった。チェPDは彼女の企画をいいとほめてくれると思えば、社長が来て、商業性がないとコメントしたとたんに、前言はどこへやら、やはり商業性がないから考え直せと指示。仕方なく、いわれるままの方向で新しい企画・脚本を作って持って行くと、今度は似たコンセプトの映画をライバル社が作ることに決定したから、前の企画をもう一度焼き直せとの指示。結局チェPDも社長とジワンの間に挟まれて右往左往するばかりであったのだ。
 そんな中、隣に事務室を構えているアン監督(ヤン・ジョンヒョン)がジワンの事務室に遊びに来る。ジワンは彼にやはり企画や脚本の練り直しをしているのかと聞くと、そんなことはしないという。人の意見を聞いて脚本を直しても悪くなるばかりだから、ただ機会を待てば良いのだと言う。撮影に入れば体力がいるから、事務所で毎日筋力トレーニングしかやらないのだという。そして新人監督に必要なのは自分のカラーだとアドバイスされる。
 そのうち、家出ギターばかり弾いていた息子のシヨンは学校でバンドに入ったという。そしてそのうち校内でコンサートをやるから、エレキギターを買ってほしいと言い出す。だったら母さん学校に見に行くから、と言うと、恥ずかしいから来るなと言う。
 ところが、せっかくかってやったエレキギターも、しばらくすると持ち歩かなくなる。どうしたのかと尋ねると友達に貸したという。心配になって学校のバンドの練習場へ密かに見に行くと、息子は先輩からいじめられ、ギターも横取りされていたのだった...

 映画の作り手としての焦りや憔悴をリアルかつユーモラスに描くとともに、それに家族の危機を被せて描いた作品。このコンビネーションが女性監督らしいセンス。当初は、それぞれのメンバーの方向性が全くバラバラで、お互いに斜に構えた家族。だが、息子の危機、そしてジワン自身映画を撮るという夢の放棄を迫られる危機を通して、再び家族が心を合わせていく、希望を残す後味の良い作品。
 お母さん役も美人ではないリアルな、だが夢を持った中年アジュンマである点がよい。
 本作品の韓国封切り日2010年11月18日。韓国での観客動員数は、2,660人(2010年末現在KOBISデータ)。2010年東京国際映画祭最優秀アジア映画賞受賞作品。

 監督のシン・スウォンは1967年ソウル生まれ。ソウル大学独語教育科卒業後、会社勤めをしながら2編の青少年長編小説を発表。その後韓国総合芸術学校映像院映画科でシナリオを学ぶ。卒業後は映画会社に入社しシナリオ執筆を行いながら短編映画『砂糖より甘く』(2002)『ひげを剃る』(2003)を発表。本作が初長編作で全州国際映画祭JJ-Star賞受賞。
 その後2010年『今や私は勇敢になるんだ』(オムニバス作品)を監督。また2011年イ・ヒョンスン監督の『青い塩』の脚色を担当。
 最新作は、2011コリアンシネマウィークで上映された短編『女子万歳』(2011)。
(以上Daum映画の記述を参考に執筆)

 なお、韓国盤DVDの画質は韓国盤としては標準的。付加映像として短編『ひげを剃る』を収録している。


原題『레인보우』英題『Passerby #3』監督:신수원
2009年 韓国映画 カラー 91分(韓国上映時間)

DVD(韓国盤)情報
発行・販売: DS Media 画面: NTSC/16:9(1:1.85) 音声: Dolby2 韓国語 本編:91分
リージョン3 字幕: 韓/英(On/Off可) 片面二層 2011年 9発行 希望価格W22000

東京国際映画祭2010 シン・スウォン監督インタビュー
http://2010.tiff-jp.net/report/daily.php?itemid=1681

コリアン・シネマウィーク2011
http://www.koreanculture.jp/info_news_view.php?number=1680

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