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zoom RSS 美術犯罪を扱ったクライム映画『仁寺洞スキャンダル』

<<   作成日時 : 2011/06/03 01:10   >>

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 キム・レウォン主演の美術界を舞台にしたクライム映画。

あらすじはこちら(Goo映画)
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD16616/

 韓国映画の中では古美術を舞台にした犯罪映画というのは類例がない。おそらく最初ではないだろうか。魔法の手を持つ古美術修復師が、実は美術品の偽造にも手を染めていて... という設定はちょっと日本の漫画「ギャラリー・フェイク」(細野不二彦著)を思わせるところがある。その発想に『犯罪の再構成』あたりを掛け合わせた感じか。とはいえなかなか楽しめた。

 ただ、出てくる要素がいろいろと多く、かなり詰め込んでいる感じ。そこでその多くの材料の展開速度について行けない人は、そこで振り落とされて何が何だか... 状態になる危険性がある。また個人的には要素間の連携がもう少し良いと良かったように思う。特にペ・テジンのソン・デスがらみのエピソードとソン・デスとイ・ガンジュンの関係にもうちょっと因縁を込めていれば... というあたりが惜しい。
 最後の反転もなかなか皮肉が効いていて良いが、韓国のネティズンの反応を見ると人によってはあまりにも非現実的な反転と感じた人もいるようだ。でもワインにおけるジェファーソン・ボトル事件を考えると(「世界一高いワイン『ジェファーソン・ボトル』の酔えない事情―真贋をめぐる大騒動」/ベンジャミン・ウォレス著/早川書房、参照)、あながち、非現実的とも言えないと思う。しかも韓国の古美術が京都で発見された、という設定も、韓国人の事大主義を皮肉っているようでなかなかいい。
 ただ、全般に登場人物の思いの部分の表現が弱い。例えばオム・ジョンファ演ずる悪役にも、あれはあれで単純ですっきりしていて、あそこまで悪いと爽快、という感想もあるとは思うが、個人的にはもうちょっと陰影がある人物として描けていればとも思う。キム・レウォン演じる修復師も個人の怨念の表現が弱く、なぜあそこまで情熱を掛けて行動するのかという説得力が弱い。しかしあれだけ材料を詰め込むと、そこまで掘り下げるのも難しいのは確か。

 また、修復(韓国語では「復元」)のベースが原画に手を加えることで、だから修復と贋作作りは紙一重という発想もどうなのかという気がする。むしろ修復は余計な要素を差し引くことでは... という気がするがそのあたり、実際はどうなのだろうか?

 全般的には、人物描写が弱く、若干単純化・図式化しすぎの傾向はあるものの、真贋の判然としない世界で、人々の権威を巡る思いや、事大主義、拝金フェティシズムや見てくれ崇拝などをまとめて皮肉っているような側面も含めて、総合的にはなかなか楽しめる娯楽作に仕上がっていると思う。

 監督のパク・ヒゴンは1969年生まれ。キョンウォン大学英語英文科卒。本作が長編デビュー作であり、2011年『パーフェクトゲーム』の公開が予定されている。なお、本作撮影前は広告代理店のプロデューサーとしてCFを撮ったり、数本の映画の美術スタッフとして関わったことはあったものの、映画の演出経験なしという変わり種(情報出典 Daum映画記事 http://movie.daum.net/movieperson/ArticleRead.do?personId=127120&articleId=1400988&type=total&t__nil_main_news=text)。

原題『인사동 스캔들』英題『Insadong Scandal』監督:박희곤
2008年 韓国映画 カラー

国内盤DVD(レンタル)にて鑑賞。この国内盤は韓国語字幕がついている点で、韓国語学習者にお勧めできる。


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