テーマ:書籍

韓国語語尾「ゴヌル」の謎 - 辞書を信じないで下さい

 やはり韓国語教室でのこと。先生はネイティブではあるが、言語の専門家ではない。韓国語の語尾「-거늘(ゴヌル)」について、譲歩の意味はあるが、理由や原因を表す意味はない、と説明した。 ところが、辞書を見ると、譲歩だけではなく、理由や原因を示すとも載っている。 -- 例えば、Daum辞典の日本語…
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アダム・スミスの発想の根本にあるものは何か?

 分かったつもりになっていたアダム・スミスの『国富論』を改めて読んでみて、今更ながらアダム・スミスの慧眼ぶりを再認識させられた。少なくとも、今日ドナルド・トランプの「アメリカ・ファースト」政策に対する現役の批判書として、十分な説得力を持つ。逆に言えば、トランプの頭が18世紀以前のものでしかないということに証明でもある。とはいえ、それは、…
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吉野直也著 (2016) 『「核なき世界」の終着点』 - 書籍

吉野直也, 2016,『「核なき世界」の終着点: オバマ対日外交の深層』,日本経済新聞出版社  トランプ当選直前に出された(また安倍首相真珠湾訪問前に編集終了)、日経新聞記者によるオバマ広島訪問をめぐるルポルタージュ。  私としては、おおむね予想通りの内容であった。ただ、言及に値する点としては、オバマ大統領は就任後早い時期に広島…
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知られざる良書 - ユ・シミン著 『ボクの韓国現代史 1959-2014』

 実は本書、おととしの秋にソウルの書店で買っておいてしばらく積ん読になっていたのだが、思い立って先日原書で読了した次第。こりゃ面白い、誰か翻訳すべき本... と思っていたらなんとマヌケなことに積読になっている間(2016年1月)に日本語訳が出ていたのね... しかし新聞等の書評欄でほとんど話題になることもなく、私がそうだったように、たぶ…
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結局は会議を減らすということに尽きる - キリンビール四国支店の奇跡

田村潤, 2016,『キリンビール四国支店の奇跡: 勝利の法則は現場で拾え!』, 講談社α新書  アサヒビールに対して奇跡の逆転劇を遂げたキリンビールもと四国店長による著書。本書の要点は表題の通り。著者が部下に自分のどこを評価するかと聞いたところ、本人は販売戦略の正しさ、うまさという回答が来るかと期待していたところ、最も多かった回…
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台湾とアヘン2

 さてまたまた駱芬美 著, 2014,『被混淆的臺灣史 - 1861-1949之史實不等於事實』, 時報出版 の内容紹介である。  日本による植民地化抵抗運動は、朝鮮が激しく、台湾では大した抵抗がなかったかのように誤解されている。しかし植民地化当初の抵抗運動の規模 (犠牲者数) を、当時の人口から勘案すると、実は台湾の方がはるかに…
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呉鳳伝説と台湾総督府

 今回も駱芬美 著, 2014,『被混淆的臺灣史 - 1861-1949之史實不等於事實』, 時報出版からの内容紹介である。  呉鳳とは18世紀台湾の人で、漢族と原住民の融和を図ったとされる人物であり、その死後大きな廟が建てられ、現在でも神のように崇められている。現在も嘉義県中埔郷にある呉鳳廟には、彼のプロフィールとして次のように…
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台湾とアヘン

 先日家内と台湾旅行に出かけて、たまたま入った書店で台湾史の本を見つけて買って読んでいるのだがこれがなかなか面白い。  本は、駱芬美 著, 2014,『被混淆的臺灣史 - 1861-1949之史實不等於事實』, 時報出版  私は中国語は全くできないのだが、繁体字で書かれていることもあって、殆ど漢文の素読の要領で90%は読めてしま…
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企業価値の本質をどう定めるか - 円谷英明, 2013,『ウルトラマンが泣いている』

 3年前に刊行された、いわゆる円谷プロのお家騒動を、当事者の一方が明らかにした本。もちろん、当事者の一方の主張なので、それを以って客観的な事実と見なすことはできないが、騒動の一端を知ることはできる。  本書を読んで一番驚いた、というか意外だったのは、円谷プロは決して特撮技術を企業のコアに置いた企業ではなかったという点である。今まで…
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先進医療=よく治る医療、ではない - 『東大病院を辞めたから言える「がん」の話』

大場 大 (おおばまさる), 2015,『東大病院を辞めたから言える「がん」の話』, PHP新書  癌外科医、腫瘍内科医の二つの専門を持つ、癌専門医の東大病院助教として勤務した筆者による書籍。現在はセカンドオピニオン提供を主たる業務とする「東京オンコロジークリニック」を開設して勤務する。いわゆる、近藤「理論」を批判する一人でもある…
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佐藤優が考えていたキリスト教の課題

 佐藤優,2015[2013],『同志社大学神学部 - 私は如何に学び、考え、議論したか』,光文社新書 を読んでみた。この当時の文科系の大学のあり方が描かれていて、文科系大学不要論への反論にもなっているのであるが、一方で今日の大学はこの当時の大学とずいぶんかけ離れてしまったなとの思いを改めて強くした。  ところで、この中で描かれて…
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韓国語の語尾・助詞・表現と文法辞典 (韓国語文法辞典購入ガイド)

 韓国語中上級の領域に入っていくと、文法のキーになる点、つまり、悩むのは語尾・助詞である。日本語以上に多くの語尾・助詞があって、読む分にはその語尾の意味を辞書で探せば済むだけだが、会話したり作文をするときに、どの場面、どの文脈でどの語尾・助詞を使うのが適切で、適切でないかを判断するのが非常に困難である。最近フォーマルな韓国語の文書を書か…
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孫崎亨『戦後史の正体』は陰謀論か?(3)

 そして、これは孫崎氏だけではなく、他の国際ジャーナリストらも指摘していることであるが(それにもかかわらず日本において主流の認識になっていない)、1980年代後半以降、特に1989年の冷戦体制崩壊以降、アメリカの最大の敵は、冗談ではなく、日本になっていたにもかかわらず、日本側には全くその自覚がなかった、という指摘の重要性は、いくら強調し…
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孫崎亨『戦後史の正体』は陰謀論か?(2)

 これ以外に、本書の面白かった点を挙げると、  元外務大臣、寺崎太郎の「行政協定のための安保条約、安保条約のための平和条約でしかなかったことは、今日までに明らかになっている」「つまり本能寺[本当の目的]は最後の行政協定にあったのだ」という『寺崎太郎外交自伝』(私家版)での指摘の紹介(行政協定=日米安全保障協定、平和条約=サンフラン…
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STAP細胞事件は既に予見されていた...

 先日、たまたま福岡伸一の『世界は分けてもわからない』を手に取った(福岡伸一, 2009,『世界は分けてもわからない』, 講談社[現代新書])。  すると、まあ、今回のSTAP細胞事件にそっくりな事件が既に紹介されていた。1981年に起こったエフレイム・ラッカー教授の"Nature"掲載論文取消事件である。たぶん違うとすれば、小保…
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孫崎亨著 『戦後史の正体』は陰謀論か?(1)

孫崎亨(まごさき・うける), 2012,『戦後史の正体』, 創元社 (戦後再発見双書)  創元社から、「戦後再発見双書」の第一弾として2年前に刊行された本書。ベストセラーとなりかなり話題になった本だが今さらながら読んでみた。刊行当初、朝日新聞の書評欄のベストセラーを扱うコーナーで、評論家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏が、アメリカ陰謀論…
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韓国語学者からのラディカルな日本語文法論 - 野間秀樹著『日本語とハングル』

野間秀樹, 2014, 『日本語とハングル』,文藝春秋 (文春新書)  韓国語言語学者の野間秀樹氏が『日本語とハングル』と題した書を4月に刊行した。ハングル(韓国語の文字)から日本語を照らすという趣旨で『日本語とハングル』と題されているが、内容的には野間秀樹氏による日本語文法論へ闖入といったところ。この中で日本語の形態論(文法の音の平…
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マルクスは労働こそ価値の源泉とする根拠付けをどこに求めたのか?

 現在、資本論第三巻を読んでいるのだが、なぜマルクスが労働こそ唯一の価値の根源だと考えたのかに気づいた。  マルクスは価格=貨幣価値については、物象化されたものと考えているので、当然それを価値の根源とは考えていない。だから需給関係に基づく価値の説明は当然否定する。しかし、価格以外にものの価値を表現しうるものがあり得るのかという問に答え…
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『鉄道の涙』 - 韓国鉄道労組のロジック (2)

 本書は韓国の鉄道の様々な問題を取り上げているが、これらから韓国の鉄道の置かれた現状を概観すると、次のようなことが指摘できる。  かつて日本の国鉄が民営化された当時、当時の日本国有鉄道がかかえた莫大な赤字や違法ストを行う組合に対する批判から、民営化を支持する声が非常に多かった。だが、今日の韓国では必ずしも国鉄の民営化に対して歓迎す…
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『鉄道の涙』 - 韓国鉄道労組のロジック (1)

박흥수(パク・フンス)著,2013,『철도의 눈물(鉄道の涙)』,후미니스트(Humanist)刊  昨年(2013年)12月9日より、韓国国鉄(韓国鉄道…
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龍應台,2012(2009),『台湾海峡一九四九』 - 書籍

龍應台,2012(2009),『台湾海峡一九四九』,天野健太郎訳,白水社(原著:龍應台,2009,『大江大海1949』,天下雑誌社)  1949年、国共内戦に敗れた国民党政府・軍およびその支持者や家族たちは大挙して台湾海峡を渡り中国本土から台湾に逃れた。当初、日本の敗戦と国民党軍の進駐を、日本からの「光復」と喜んだ台湾の人々は、後にこ…
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『浪漫クァンデ(芸人)の全盛時代』 - 韓国書籍

 韓国映画やドラマを見ていると、韓国のかつての芸能人や映画、ドラマといった話題が出てくることがある。映画やドラマを見ていれば、何かそういった芸能人や映画やドラマがいたらしいということはある程度知識として入ってくるが、それらの位置づけなどを組織的に整理してくれる文献はなかなかない。と思っていたら、先日韓国に行ってきたときに教保文庫の店頭で…
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ヤン・ヨンヒ著「兄 かぞくのくに」

ヤン・ヨンヒ,2012,『兄 かぞくのくに』小学館  ヤン・ヨンヒ監督の自作の映画『かぞくのくに』に関するコメントに、映画で描ききれなかったことは本に書いたとあったので読んでみた。  映画『かぞくのくに』や『Dear Pyongyang』を見て、個人的に一番知りたかったことはなぜ兄たちが北朝鮮に渡ったのか、ということだった。彼ら…
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マルクスと「さよなら! 僕らのソニー」

 既にストリンガーも退任し、いささか古いのだが、3年前に書かれた立石泰則「さよなら! 僕らのソニー」(文春新書, 2010)。もっともストリンガーが退任したとはいえ、ストリンガーの子飼いだった平井一夫氏がCEOでは、ソニーの復活も期待薄か。  本書は、ものづくりのソニー、新たなエレクトロニクス製品を生み出していたソニーが、グローバ…
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不都合に耳を傾ける韓国と耳をふさぐ日本 - 浅羽祐樹『したたかな韓国』をめぐって

 NHK出版新書から出された、浅羽祐樹著『したたかな韓国 -朴槿恵時代の戦略を探る』(2013)がなかなか面白かった。  まず、李明博政権時代からの朴槿恵の戦略が上手くまとまっている。朴槿恵が、与党内野党という位置づけ、戦略をとった理由を、彼女の次期大統領選政権獲得計画からきちんと説き起こして説明するとともに、ハンナラ党をなぜセヌ…
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「お手本の国」は意外とウソではない - 『「お手本の国」のウソ』

 田口理穂ほか,2012,『「お手本の国」のウソ』、新潮社(新潮新書)  この本を手に取ろうとする方は、例えば、「ドイツは戦争責任を反省しているが、日本はあまり反省してないというのはやっぱりウソで、ドイツだってあまり戦争責任を反省していないんだろう。日本は何で自虐論がまかり通るんだ」などと思って手にしようとするのではないだろうか?…
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書籍『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 - 知的現場主義の就職活動』

沢田健太,2011,『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 - 知的現場主義の就職活動』,ソフトバンク新書  数多くの大学のキャリアセンターを経験してきた著者による内幕もの。ただ、就職活動に振り回されがちな学生には良いアドバイス書ではないかとの感想を持った。  今の就活状況の困難は不況の影響もさることながら、企業、大学、学生の…
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[書籍] E.J.エプスタイン著『ビッグ・ピクチャー』

 ハリウッドの、映画製作ビジネスとしての側面をえぐり出した作品。非常に面白いが、一方、映画の世界に夢を見いだしたい人には、ここまで金計算尽くで映画の設定、プロットやストーリーが決められているのかと知れば、幻滅してしまうかもしれない(特に第二部 芸術の欺瞞と欺瞞の芸術)。  私が本書を通して知った面白い事実としては、そもそもハリウッ…
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書籍: 韓洪九,2010(=2009),『倒れゆく韓国』

韓洪九,2010(=2009),倒れゆく韓国 - 韓洪九の韓国「現在史」講座, 米津篤八訳, 朝日新聞出版社  韓国革新勢力の代表的知識人である韓洪九(専門は韓国現代史)の、韓国の今の社会情勢を解説した本。本書の1章から8章勝までは2009, "특강 한흥구&#51…
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「ドイツ・イデオロギー」再読

 学生時代苦労して読んだマルクス・エンゲルスの「ドイツ・イデオロギー」を再読してみる。今回は廣松・小林編訳の岩波文庫版。まさに、本来まとまっていない手稿であることが明確な編集(もちろん廣松版の編集が決定打かどうかは異論があるかもしれないが、少なくともまとまっていない手稿であることを明確にした点は評価できるだろう)。  要するにポイ…
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