テーマ:日本映画

あらためて映画『ガキ帝国』を評価する

 先日(2019.7.27)、NHKスペシャルで『半グレ: 反社会勢力の実像』が放映された。振り込め詐欺などの新しい要素が増えているものの、その一方でその本質は、3、40年前の愚連隊の時代からあまり変わっていないのではないか、という印象を強く受けた。その際思い出されたのは、大阪の愚連隊少年たちの群像を描いた井筒和幸監督の1981年の映画…
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今井正監督『望樓の決死隊』

 本作品は戦後左派文化人として知られた今井正が戦時中に撮った国策プロパガンダ映画。こんなマイナーな作品がDVD化されるとは思わなかったが、デアゴスティーニ・ジャパンの戦争映画コレクションの一環としてDVD化された。この点についてはデアゴスティーニ・ジャパンに感謝したい。 本作品のあらすじはこちら キネマ写真館 (映画演劇文化協会…
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脚本家笠原和夫の反戦思想は那辺に... - 舛田利雄監督『大日本帝国』

 1982年東映製作の作品。日本の太平洋戦争突入前後から敗戦後までを描く作品で、脚本は『仁義なき戦い』の笠原和夫(1927-2002)。実は、本作品を見るきっかけは笠原和夫のインタビュー集『映画脚本家笠原和夫 昭和の劇』(太田出版, 2002)に言及されていたからであった。この本での笠原の発言では、自分は反戦映画のつもりで脚本を書いたの…
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小林正樹監督『日本の青春』

 1968年、小林正樹監督が東宝にて製作した映画。 本作品のあらすじはこちら Movie Walker『日本の青春』 http://movie.walkerplus.com/mv22240/  この作品は以前から見てみたいと思っていたのだが、DVD化されていないこともあり最近まで見る機会がなかった。ようやく小林正樹監督生…
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小林正樹監督『泉』『美わしき歳月』 - 日本映画

 小林正樹監督のデビュー間もない作品。小林正樹生誕100周年で松竹より「あの頃映画」コレクションシリーズの一環としてDVD化された。 あらすじについてはこちら Movie Walker 『美わしき歳月』(1955) http://movie.walkerplus.com/mv24131/ 『泉』(1956) http…
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アプレ・ゲールの精神構造を浮き彫りにする日本映画『夜の女たち』

溝口健二監督『夜の女たち』(1948)  名匠、溝口健二監督が戦後いち早く撮った作品。終戦直後のパンパン(売春婦)を描いた作品。 あらすじはこちら。 Movie Walker『夜の女たち』 http://movie.walkerplus.com/mv26770/  すでにあちこちで論じられているが、イタリア・ネオリ…
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映画『どぶ川学級』 1972年

 1972年に大手映画会社が関与しない自主製作の形で作られた日本映画。本作は実話をモデルに製作された教育を扱った作品。因みに、本作のモデルになったのは、日本ロールという会社の労働争議の過程の中で、日本ロール労働組合の役員であった須永茂夫氏が、労働者家庭の子供たちの教育問題を解決しようと、組合の意向でボランティアとして開いた私塾「どぶ川学…
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朝鮮映画『君と僕』

 日夏英太郎 (許泳 / ホ・ヨン) が撮った国策映画。日夏英太郎の娘日夏もえ子氏が書いたWebページ『越境の映画監督 日夏英太郎』(http://www.k5.dion.ne.jp/~moeko/index.html) によると、朝鮮軍報道部製作ということになっているが、ほとんど日夏英太郎自身があちこちから金を工面して製作したらしい。…
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曽根中生自伝 (文遊社, 2014)

『曽根中生自伝 -人は名のみの罪の深さよ』 文遊社, 2014.8  80年代末に映画界から去って行方不明とされ、死亡説まで流れていた映画監督曽根中生氏の自伝。残念ながら昨年本書が刊行された直後、監督は死去された。曽根中生は二度死ぬ、などとも書かれていたが...  本書を見ると、曽根氏にとって映画とは、あくまで食べていくための手…
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「かけがえのなさ」への自覚と映画『そして父になる』

 今さら紹介する必要もないであろう、カンヌ映画祭審査員特別賞受賞作。  この作品、以前紹介したスペイン映画『El Bola』と共通する部分がある。両者とも、一方は一見規範に則った正しい家族と、もう一方はいい加減に見える家族が登場し、その二つの家族が対比される。その結果、だが実は世間の規範に沿わないいい加減に見えた家族の方が人間味が…
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『海炭市叙景』 - 日本映画

 現在新作が公開中の熊切和嘉の前作。何度も芥川候補に挙げられながらも41歳で自死した佐藤泰志の小説を映画化。 あらすじ、基本データはこちら。 http://movie.walkerplus.com/mv46751/  すでにかなり論じられている本作について今さら付け加えることはないだろう。筆者は原作小説は読んでいないが、タ…
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イ・マニ作品のリメーク、斉藤耕一監督『約束』がDVD化

 Amazonにアクセスしたら、斉藤耕一監督の映画『約束』(1972年作品 萩原健一、岸惠子主演)のDVDが10/30に刊行予定になっている!  この作品は、イ・マニの失われてしまった名作『晩秋』(1966)のリメーク。オリジナルは、『晩秋』のプロデューサーだった、扈 賢賛が、その著書『わがシネマの旅―韓国映画を振りかえる』の中で、自…
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山崎豊子死す

 作家の山崎豊子氏が本日亡くなったという。1924年11月生まれの享年88歳。山崎豊子氏は数多くの社会派小説を著したことで知られ、映画の原作にも、『白い巨塔』『華麗なる一族』等山本薩夫監督作品を中心に、数多く採用された。時に筆禍事件も起こしていたが、ともあれあれだけ重厚な社会派小説を書いた筆力は評価されるべきであろう。  冥福を祈…
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海外版DVDでしか見られない日本映画(6) 『からみ合い』 - 小林正樹監督1963年作

 薄汚いブルジョアどもの遺産相続を巡る騙し合いを描いた作品。松竹に小林正樹が『人間の條件』を撮らせた後で、娯楽作を懇願されて撮った作品のようだ。南条範夫の同名推理小説の映画化。脚本は『人間の條件 完結編』を担当した稲垣公一。 本作のあらすじはこちら(MovieWalker) http://movie.walkerplus.com…
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海外版DVDでしか見られない日本映画(5) - 安部公房が脚本『壁あつき部屋』

 小林正樹監督の第三作目で、それまで松竹ホームドラマを撮っていた小林が初めて本来彼が主張したいテーマで撮った作品。そのテーマとはB, C級戦犯問題である。本作品は巣鴨拘置所に服役中のB, C級戦犯の手記集(「壁あつき部屋 -BC級戦犯手記-」理論社刊)を原作に、何と安部公房が脚本を執筆している1)。音楽は木下忠司。撮影は『二十四の瞳』の…
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海外版DVDでしか見られない日本映画(4) 『黒い河』 - 小林正樹監督1956年作

 戦後の様相濃い、米軍厚木基地前である大和市にあるバラック長屋を舞台に繰り広げられる、焼け跡庶民達の食っていくための「闘い」を活写した小林正樹監督作品。原作は富島健夫、脚本は『あなた買います』と同じ松山善三。本作の封切りは『あなた買います』の後の1957年。 本作品のあらすじはこちら (Movie Walker Plus) ht…
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『あなた買います』 - ドラフト制度前の高校野球選手スカウトを巡るどたばたを描く日本映画

 『人間の条件』の小林正樹による1957年映画。ドラフト制度実施前の日本の野球チームによる、有望野球選手獲得のための札束攻勢をコメディタッチで描いた作品。 あらすじはこちら (MovieWalkerデータベース) http://movie.walkerplus.com/mv24901/  最近三池崇史によって「一命」の題で…
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ヤン・ヨンヒ監督『かぞくのくに』

 在日朝鮮人であるヤン・ヨンヒ監督初の長編劇映画。北朝鮮から一時帰国した兄を迎える家族の顛末を描いた作品。 あらすじはこちら。 http://movie.walkerplus.com/mv49398/  冒頭1997年 月というテロップが妙に具体的。これはひょっとするとヤン・ヨンヒ監督の実体験に基づく作品ではと思わされるが…
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俳優、夏八木勲死去

 新聞、TVの報道によると、俳優夏八木勲氏が5月11日死去したという(享年73歳)。晩年は膵臓がんを患っていたそうだが、周囲に知らせず、直前まで仕事を続けていたという。今後公開が予定される映画にも出演しているようだ。  夏八木氏は、かなり個性的な顔立ちの俳優で、特に中年期にはかなりあくの強い役柄に出演が限られていた印象がある。だが…
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『甦える大地』 - 映画としての歯切れの悪さに歴史的価値

 石原プロモーションが製作した(配給: 松竹)高度経済成長時代の日本の歩みを記録した劇映画シリーズの一作。この作品は鹿島臨海工業地帯開発を扱っている。原作は「黒部の太陽」(やはり石原プロで映画化)を書いたノンフィクション作家(元毎日新聞記者)、木本正次の「砂の架十字」。  本作のあらすじはこちら。(Movie Walker)  …
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ドナルド・リチー&高野悦子死去

 この2月は日本の映画界にとって重要な人が相次いで亡くなった。  一人は昨日(2013.2.19)亡くなったドナルド・リチー。もう一人はその10日前(2012.2.9)に亡くなった岩波ホール元支配人高野悦子。  ドナルド・リチー(Donald Richie)は、同じドナルドでも、ドナルド・キーンほど一般には知られていないが、日本…
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帯盛迪彦監督死去

 1/25の各紙の報道によると、『高校生ブルース』などで知られる帯盛迪彦(おびもり・みちひこ)監督が、1/18敗血症のため亡くなったという。大島渚監督と同じ80歳だった。  スポーツ報知(オンライン版)の報道によれば大島渚監督死去の報道でショックを受け体調が悪化したという。 http://hochi.yomiuri.co.jp/…
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大島渚監督死去

 各紙の報道によると2013年1月15日、大島渚監督が肺炎のため80歳で死去したという。脳出血で倒れた後、1999年に『御法度』を撮ったのが最後の作品になった。若松孝二監督の死去に引き続く、かつての反骨精神を体現した「モノ言う監督」の逝去に一つの時代が去りつつあるのを感じざるを得ない。  とはいえ、近年ますますに活発に映像製作活動を展…
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小沢昭一氏を悼む

 昭和の名優、小沢昭一氏が亡くなった。12月10日午前1時20分、前立腺がんのため都内の病院で83歳で亡くなったという(1929年4月6日東京生まれ)。決して美男子ではないが、軽妙でコミカルな脇役として1950-60年代の日本映画を支えてきた。それと共に、彼が居なければ永遠に忘却の彼方に消え去っていったであろう、数々の大道芸、放浪芸を記…
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『白磁の人』 韓国盤DVD刊行

 日本盤DVDより韓国で一足早く『白磁の人』韓国盤DVDが刊行された。地域コードはパッケージに3と記してあったが、調べてみたら実際はALL。また字幕はやはり韓国語・英語字幕とパッケージにあるが、実際は韓国語のみ。夏に関係者に話を聞いたところでは、これから英語字幕を作るという話だったので、もうできたのか、と思っていたら... やっぱりとい…
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ええっ! 若松孝二死す!?

 こないだ元気に映画撮っていたジャン... と思ったら、交通事故死だと。 12日夜にタクシーにはねられ事故にあったときには命に別状なしの筈が夕べ容態が急変とか... 余りにも突然の死だ。  しかし、奇しくも今年1月テオ・アンゲロプロスが亡くなったのと同じ原因、年齢も同じ。アンゲロプロスが寂しくて冥途の旅の連れに選んだのかとも思わ…
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俳優 大滝秀治氏死去

 10/5の新聞各社の報道によると俳優の大滝秀治氏が、肺扁平上皮癌のため10月2日亡くなったそうだ。劇団民芸の重鎮として宇野重吉と共に活躍し宇野重吉亡き後は奈良岡朋子と共に共同代表を務めていたが、やはり印象に残るのは、映画における、独特なキャラクターを演じた助演。特に山本薩夫監督の『金環蝕』や『不毛地帯』での一癖、二癖ある政治家の役柄は…
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『道 - 白磁の人』 - その後の消息

『道 - 白磁の人』関係者より聞いた話... 日本  国内の観客動員数は今のところ6万2000を越えた程度だが、事前予想よりはだいぶ健闘。もっとも出資者は200万人動員したい、と言ってたそうだが。そのうち1万人は山梨県内ということで、山梨県としてはかなり健闘した数字。現在山梨県内はロードショー館での上映を終えて、2番館での上…
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『ゴジラ』のBlu-rayはCriterion版を買うべき理由

 今年1月、アメリカCriterion Collectionから『ゴジラ』のBlu-rayがリリースされた。もちろん本作品に関しては東宝版も既に出されており、わざわざアメリカ版を購入する意味はなさそうだが、実は違う。特典の充実振りが全く異なるのである。  東宝版のBlu-rayだが、Web上のアナウンスメントを見ると、DVDにも収…
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