テーマ:ヨーロッパ映画

チェコスロバキア映画『大通りの店』

 1965年ポーランド映画。日本国内では2005年にNHK BSで放映されたのと、2017年、イメージフォーラムで開かれたチェコ・ニューウェーブ上映会で1回だけ上映された模様。ビデオディスクは国内では出ていない。おそらく、国内で配給権を持った配給会社はないのではないか。ホロコーストを扱った作品。  時は1942年。ナチが侵攻し、そ…
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『スロベニア人の女』 - 拝金社会を生きる女子大生を描く

 2009年スロベニア映画。アルバイトとしてコールガールをする女子大生が陥った罠を描く。  愛称サーシャことアレクサンドラ(Nina Ivanišin)は、スロベニアの首都リュブリャナの大学で英語を学ぶ女子大生。田舎出身の彼女は首都に出て都会暮らしを満喫していた。彼女はしばらく前まで、妻のある男性グレゴール(Uros F…
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『California Dreamin'』 - ルーマニアのアメリカへの複雑な感情を喜劇で描く

 2007年のルーマニア映画。非常に残念なことに本作を監督したクリスチャン・ネメスク監督の遺作になってしまった。ルーマニアの人々のアメリカへの複雑な感情を喜劇で包んだ作品。日本の戦後の記憶がある人々にとっては共感できる部分も多々あるだろう作品。  1999年コソボ戦争のさなか、Nato軍の軍事物資を積んだ、米軍兵士によって警備された列…
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『ある娼館の記憶』 - 滅び行く19世紀文化としての娼館を描く

 2011年の東京国際映画祭で上映されたフランス映画。19世紀の終わりを、ある娼館の終焉と共に描く。  19世紀のパリでは多くの売春は"Maison Close(娼館)"で行われていた。それは一種の社交の場であり、時に貴族や芸術家たちがそこに出入りしては、家に帰って創作活動に励む、そんな場であった。  そんなある高級娼館で、二人…
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『コンフィデンス/信頼』- イシュトヴァン・サボー監督によるハンガリー映画の傑作

 ハンガリーを代表するイシュトヴァン・サボー監督による1979年作品。1980年ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞しているほか、アカデミー賞外国語映画賞ハンガリー候補作に選出。 あらすじはこちら(Goo映画) http://movie.goo.ne.jp/movies/p11480/index.html  本作品は新日本映画…
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『As if I am not there』 - ボスニア戦争の悲劇を描くがやや上から目線

2010年アイルランド=マケドニア=スウェーデン共同製作の映画。原作はスラヴェンカ・ドラクリッチが1999年に出版した同名の小説。テーマ的には『サラエボの花』と重なってくる作品。  サミラ(Natasa Petrovic)は小学校の新米教師。今まで住んでいたサライェボから、ボスニアの田舎の小学校に赴任してきた。だが、赴任した翌日…
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『トラフィック』- ルーマニア・ニューウェーブ映画発見の契機となった短編映画

 先日紹介した、「Bonjour Tristesse」サイトにおける記事によれば、ルーマニア・ニューウェーブ映画の発見の契機になったのは、2004年のカンヌ国際映画祭においてカタリン・ミツレスク監督の『トラフィック』が最優秀短編映画に選ばれたのがきっかけだという。この映画、DVDで見ることができる。  時間的には15分ほどのこの映…
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スペイン映画『アマドールからの贈り物』 - 死と生をつないでいくものがたり

 スペインのフェルナンド・レオン・デ・アラノア監督の2010年作品。南アメリカから来た出稼ぎ家政婦の経験を描く。  マルセラ(Magaly Solier)とネルソン(Pietro Sibille)は南米からスペインにやってきた移民夫婦。バラの花を市場から盗んで花束を作って生計を立てているものの生活は苦しく、2年前に妊娠したもののお…
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『俺の笛を聞け』- ルーマニア・ニューウェーブ映画の大傑作

 ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した、ルーマニア・ニューウェーブ映画の一作で、監督は、これが長編デビューのフローリン・セルバン。国内で公開されたのを知らずにイギリス盤DVDで鑑賞したが、熱帯美術館の配給で今年8月国内公開されている。おそらく国内で一般配給された3作目(劇場公開では2作目)のルーマニア・ニューウェーブ映画。今のところ国内盤…
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ルーマニア・ニューウェーブ映画とは

 2000年代後半よりルーマニア映画の新しい流れが世界的に注目されている。国内でもこのニューウェーブの一環である『4ヶ月、3週間と2日』(監督)が公開されまたこの流れを汲む、ルーマニア人監督ラデュ・ミヘイレアニュによるフランス映画『オーケストラ』が公開されているが、日本語による文献はほとんどないようだ。そこで海外のWebサイトの情報など…
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『クリスマスの次の火曜日』- ルーマニア版「ウホッホ探検隊」

 『ウホッホ探検隊』という根岸吉太郎監督/森田芳光脚本(主演、十朱幸代、田中邦衛)の映画があった。惜しくも若くして亡くなった干刈あがたの自身の離婚体験を元に描いた同名の小説が原作である。映画も小説も良かったのだが、内容を必ずしもわかりやすく表現したとは言えない題名で損をして、あまりお客さんが入らなかった映画だ。たしかにわかりにくい題名だ…
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『パパは出張中』- クストリッツァの長編第2作

 『アンダー・グランド』『黒猫・白猫』『ライフ・イズ・ミラクル』等で知られるエミール・クストリッツァ監督の第二作。1950年前後のユーゴスラビアを舞台に秘密警察に翻弄される一家を描く。 あらすじはこちら(Goo映画) http://movie.goo.ne.jp/movies/p11016/  まだ、社会主義が健在であった…
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『ZIFT』- ブルガリアン・ノワール映画の秀作!

 2009年アカデミー賞外国語映画賞のブルガリア候補作に選定された、ブルガリアン・ノワール映画の秀作。  映画はある男が語るこんな話から始まる。あるところにバキュームカー運転手がいた。彼は娼婦に恋をして結婚した。だが娼婦は所詮娼婦だった。ある日妻は友達に会うといって出かけた。彼がひそかに妻のあとをつけると、彼女が会ったのは友達では…
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『夜の終わりに』 - ワイダがこんなラブロマンス映画を撮っていた

『灰とダイヤモンド』で知られる社会派映画監督、アンジェイ・ワイダが撮った、スタイリッシュなラブ・ロマンス映画。一見非常に意外な感に打たれるが...  なお、英題を訳すると「無邪気な魔法使い」。 あらすじはこちら(Goo映画) http://movie.goo.ne.jp/movies/p13266/  先日紹介したポーラ…
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『さよなら、また明日(Do widzenia, do jutra)』 - ポーランド映画界の秘宝

 ヤヌツ・モルゲンシュテルン監督による、ポーランド映画界の秘宝というべき1960年の映画作品。日本国内ではおそらくまったく知られていない。東欧のジェームス・ディーン、ズビグニエフ・チブルスキが主演&脚本を担当。  舞台はポーランド北方の海沿いの町、グダニスク。ポーランド人の青年ヤチェク(Zbigniew Cybulski)は偶然若…
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英盤アンゲロプロスDVD-BOX III画像クオリティと『ユリシーズの瞳』の謎

 イギリス版、テオ・アンゲロプロス・コレクション第3集が発刊し、予約注文していたディスクが来た。 内容は『ユリシーズの瞳』『永遠と一日』『エレニの旅』『第三の翼』。すでに前2者は持っているので、『エレニの旅』『第三の翼』狙いでコレクションのDVD-BOXを注文したのだが、それでも単品をバラで注文するより安い。  で、ついでなので…
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ハンガリー・ベスト12映画に選ばれた『シンドバッド』

 『アラビアン・ナイト』の中の「シンドバッドの冒険」に触発されて書かれたハンガリーの小説家・ジャーナリスト、ジュラ・クルディ(Gyula Krudy)の「シンドバッド」連作小説(1911-17)をモチーフにして作られた映画作品。19世紀ハンガリーを舞台に、シンドバッドの女性遍歴が語られる。監督はゾルターン・フサーリク。  映画は冒…
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テオ・アンゲロプロス死去

下記の記事によると、テオ・アンゲロプロスが1月24日、新作撮影中にバイク事故で死去したそうだ... http://www.asahi.com/showbiz/enews/RTR201201250073.html 絶句... ギリシャ財政危機の時は海外のTVの取材にも応じていたのに... 当ブログ中の関連記事 …
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『また嘘ついてもいいですか?』 - グローバリゼーションの波をかぶるフランス版無責任男

 新年あけましておめでとうございます。2012年になったからといって特に変わり映えしませんが、引き続き海外版ビデオディスク中心の映画紹介と、時々つぶやきを続けていきたいと思います。  本作は、先日紹介した、フランスのユダヤ・ギャグコメディ映画の続編で2001年作。続編ではワーナーが出資に参加しており、フランスでは正編以上の大ヒットにな…
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アブドラティフ・ケシシュ監督長編デビュー作『La faute a Voltaire』

 『クスクス粒の秘密』『エスキーヴ(身かわし)』と個人的にお気に入りの作品を発表してきたケシシュ監督の長編デビュー作。原題に邦訳をつければ「ヴォルテールの過ち」。ヴォルテールとはあの歴史的人物のことではなく、彼の名にちなんでつけられたパリのヴォルテール通りもしくはヴォルテール駅を指すようだ。  ジャレル(Sami Bouajila)は…
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タル・ベーラ、映画監督引退を表明

 東京フィルメックスのサイトをのぞいていたら、今期上映されるタル・ベーラの『ニーチェの馬』の説明にこうあった。 「ベルリン映画祭で銀熊賞(審査員特別賞)を受賞したタル・ベーラ待望の最新作にして最後の作品。」 えっ、タル・ベーラ死んだか、と思いネットを検索すると、死んだというニュースはなし。その代わりにこんな記事を見つけた。 …
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イギリス盤 アンゲロプロス・コレクションDVD-BOX刊行予定

 イギリスのArtificial Eyeからアンゲロプロス・コレクションと題してアンゲロプロス初期作品集のDVD-BOXが出る。 5枚組DVD-BOXが、10月に第1集、11月に第2集として出る予定で、合計10本の作品が収録される。すでにフランスのポチョムキン盤を比較的高画質なDVDとして本ブログで紹介しているが、仏語字幕しかないので…
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イジー・メンツェル監督『英国王給仕人に乾杯!』

 先日『つながれたヒバリ』を紹介したイジー・メンツェル監督の2006年作品。国内でも劇場公開され、DVDも出たので幸いにして日本語字幕で見られる。 あらすじに関してはこちら(goo映画) http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD13834/ 国内公式サイト http://w…
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粋でクール!! ポーランド映画『夜行列車』 -国内版DVD-

 昨年あたりから、紀伊国屋からワイダなどポーランドの古典映画作品がDVD化されている。本作はイェジー・カワレロウィッチ監督の1959年作品。 あらすじはこちら(goo映画) http://movie.goo.ne.jp/movies/p13225/  かつて日本でも1960,70年代に社会主義国への関心からポーランドを含む…
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「南京のシントラー」を描いたドイツ映画『ジョン・ラーベ』

 2009年ドイツ、フランス、中国の合作によってつくられた作品。「南京のシントラー」と呼ばれるジョン・ラーベの活動を描いている。香川照之、杉本哲太、ARATAら日本人俳優が出演にも拘らず、日本の配給会社がしり込みして、国内公開が見送られた作品。2009年ドイツフィルムアカデミーで7部門を受賞している。  シーメンス南京の支社長ジョ…
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退屈かつナンセンスな平刑事の日常 ルーマニア映画『Police, Adjective (平刑事)』

『ブカレストの東、12時8分』のコーネリウ・ポルンポユ監督、2009年作品。警察における官僚意識を批判した作品。  クリスティ(Dragos Bucur)は若い平刑事。高校教師の妻、アンカ(Irina Saulescu)との二人暮らし。最近彼は上司の命令で高校生の尾行を行っている。その高校生は大麻を吸い、しかもそれを仲間に売っていると…
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エラン・リクリス最新作は外国人労働者を扱った『人事部長の出張旅行』

 『人事部長の出張旅行 (Le Voyage du dircteur des resources humaines)』は、『シリアの花嫁』『レモン・ツリー』『カップ・ファイナル』等のエラン・リクリス監督2010年最新作。tragi-comedy(悲喜劇)という点は以前の諸作品を踏襲しているが、今回はイスラエル-パレスチナ問題を離れ、外国…
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Criterionの『第三の男』が廃盤に...

 Amazon.comでCriterionのセールをやらないかなぁ... とサイトをぼーっと見ていたら、いきなり『第三の男』が80ドルとか110ドルというべらぼうな値段になっている。ひぇーっ、これ何かの間違い... と思って見ていると、どうやら廃盤になったようで、プレミア付きで売っている模様。  Canalコレクションから『第三の…
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チェコの黒澤、ウラーチル監督の映画『ミツバチの谷(Udoli vcel)』

 チェコの黒澤明と言われるフランチェシク・ウラーチル監督の1967年作品。中世を舞台に、宗教ドグマと人間の本性/破戒の対立という普遍的な問題を取り上げる。  舞台は13世紀のチェコ。ミツバチの谷を収める貴族の息子ヴルコフのアンジェイは、父が自分と大して年の変わらない少女、レノーラとの再婚の日、彼女に結婚のお祝いとして花籠を渡す。そ…
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『ラザレスク氏の最期』ルーマニア映画のパワーを示すメディカルブラックコメディ

 今、国際的にルーマニア映画のパワーに注目が集まっている。残念ながら日本ではその一端しか紹介されていない。既に本ブログでも触れたクリスチアン・ムンジウ監督の『4ヶ月、3週と2日』、そしてフランス映画として国内でも劇場公開されたルーマニア人のラデュ・ミヘイレアニュ監督による『オーケストラ(原題: Le Concert)』。  だが、それ…
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