東ドイツ映画『ソロシンガー(Solo Sunny)』
1979年東ドイツで製作され、1980年文字通り東西ベルリンの壁を越えてベルリン映画祭で銀熊賞を受賞、当時の東ドイツで大ヒットした『ソロシンガー』、日本でも1983年に公開されたことがあるという。この映画のDVDが旧東ドイツの映画コレクションであるDEFAコレクションの一環としてアメリカのFirst Run Featuresから刊行されている。内容は東ベルリンでポップシンガーとして活躍する(といってもポップシンガーなんて当時の東ドイツではアンダーグラウンド文化に属する存在であることに注意)サニーという女の子の恋愛遍歴とシンガーとしての挫折と再起を描くもので、彼女の姿を通じて、当時の東ドイツの若者の閉塞感を描いた作品。東西の壁を越え国際的に高い評価を受けた。具体的なあらすじはgoo映画に載っているのでそちらを参照して欲しい(http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD16053/)。
この映画を監督したコンラート・ヴォルフは1925年生まれ。この作品の前までは戦争や戦後の混乱を描いた名作映画で知られ、国際的な賞も受賞していたが、W.コールハッセの助力を得ながらも本作品で全く異なる分野に挑戦したことで大きな驚きを以て迎えられたという。しかし本作品は彼の生涯で最大のヒット作となった。
彼は、旧ドイツに生まれたが、両親がナチスドイツに迫害を受け8歳でモスクワに亡命、そのまま旧ソ連で教育を受けた生粋の社会主義者。ドイツ語よりロシア語の方が得意だったという。ソ連軍人として戦争に参加し、ポーランドの解放になどに関わり、その後モスクワで1955年まで映画製作を学んだ後、故国(東ドイツ)への帰国を決意、その後東ドイツで、自分の戦争経験を生かした主に戦争を題材とする映画を作り続けた。彼は社会主義者とはいえ、検閲には苦しみ、ある作品は製作後公開まで10年以上要した作品もあったという。
本作品のベルリン映画祭での受賞後、癌が発見され、次回作の制作途中の1982年に亡くなった。従って本作品がヴォルフの遺作となった。
また本作の主役であるサニーを演じたレテーナ・クレスナーは1985年西ドイツに亡命。この結果、東独最大級のヒットを記録した本作も1985年以降は国内で上映禁止処分となってしまった。クレスナーは東西の壁崩壊後も役者として活躍を続け、最近では主にドイツ国内でTV女優として活動しているという。
原題『Solo Sunny』監督 Konrad Wolf & Wolfgang Kohlhaase
1979年 東ドイツ映画
DVD(US版)情報
販売: First Run Features 画面: NTSC/4:3(レターボックス) 音声: Dolby2 ドイツ語 本編: 102分
リージョンALL 字幕: 英語(ハードサブ) 片面一層 2008年 7月発行 希望価格$24.95
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