今村昌平のデビュー作 盗まれた欲情(1958) - 海外盤BDしかない日本映画

 今村昌平の監督昇進第一作。国内盤はやはりDVDのみで、かつて今村昌平コレクションとして2004年に出されたボックスセットに収録されていたが、長らく廃盤で、今年の5月にディメンジョンのDIGシリーズの一環として復活した。とはいえBlu-rayは海外盤しかない。

あらすじはこちら
盗まれた欲情(1958) Movie Walker
https://movie.walkerplus.com/mv25526/

 日活の看板スターでのちにおしどり夫婦として知られた長門裕之と南田洋子が主演。さらに新劇出身の滝沢修、柳沢眞一、西村晃らが脇を固める。のちに今村映画の常連となる小沢昭一の姿も見える。
 映画としては手堅い演出で、大学を出ながら惚れた女性にひかれて田舎のドサ回り劇団の演出家にあえて身を落としてみるものの、必ずしも周囲から自分の創意工夫が評価されるわけでもなく鬱屈する若手演出家を長門が好演。ある種、その数年前の共産党の山村工作隊に身を投じたインテリ学生の心情に通ずるものがあったのではないだろうか。さらに現在見ると当時の旅回り劇団のあり様や当時の大阪近郊の模様が貴重。

 本作の海外盤Blu-rayは『神々の深き欲望』と同様イギリスとフランスで出ている。イギリス盤は前に触れたように2015年にEUREKA Ent.から"THE SHOHEI IMAMURA MASTERPIECE COLLECTION (Masters of Cinema)"と題して出されたボックスセットがあるが、現在絶版でプレミア価格がついている。ただしBlu-rayのリージョンはB。DVDは2である。
 フランスから出ているものは(仏題は『Désirs volés』)、ELEPHANT FILMSから2016.11.15に出た、やはりBlu-rayとDVD(PAL盤)のコンボ版(DVDのみもあり)。こちらは現在も入手可能。おそらくソースはEUREKA盤と同じだと思う。画質に関してはさすが精細度はDVDと全く異なる。またレストレーションに関しても、ホコリやスクラッチ削除は完全ではないものの、かなりとられておりさほど目立たない。また『神々の深き欲望』とはことなり、Blu-rayのほうが明暗のダイナミックレンジが狭いという印象はなく、適正で美しい。希望価格は20.02ユーロ。こちらは通常のヤマトのプレイヤーで再生できるのが大きなメリット。但し特典映像は1080P 50fps(通常PAL TVの規格)なので、国内のプレイヤーで再生できるものとできないものがあった(本編は24fps)。ちなみにSonyのプレイヤー、レコーダーではだめ、Panasonic、Sharpでは1080p 50fpsの映像は再生可能であった。またDVDはPALスピードアップがある。

1958年 日本映画
カラー 90分 1:2.35
監督: 今村昌平
脚本: 鈴木敏郎
原作: 今東光

フランス盤 Blu-ray評 - DVD Classik (仏語)
http://www.dvdclassik.com/test/blu-ray-desirs-voles-elephant

イギリス盤 Blu-ray評 - DVD Beaver (英語)
http://www.dvdbeaver.com/film5/blu-ray_reviews_69/the_shohei_imamura_collection_blu-ray.htm





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