山西炭鉱地帯の閉塞した青年を描く『ワイルドサイドを歩け(頼小子)』

画像 2006年中国映画で、賈樟柯がプロデューサを務めた韓傑の初監督作。中国農村部、山西省、闇炭鉱地帯の明日なき不良青年たちの閉塞した姿を描く。

 喜平(白培将)は仕事もなく、悪友、流流(郭乾)と二宝(帿京)とつるんでいる不良少年。彼ら三人のうち流流の家だけが建築会社を営んでいて裕福であり、彼の家のトラックを乗り回して遊ぶ以外やることがない。喜平の父は闇炭鉱に出稼ぎに行き不在。普段は母(韓秀平)と障害のある妹の3人で暮らしている。母は喜平に、こんな貧乏な田舎にいても職もなくろくな女もいないので、外に出て職を探すように口酸っぱく言うが、彼は聞き入れない。
 この三人のアイドル的存在が、歳は行っているが何度も落第していまだ中学校に通っている光秀(芦潔)。彼女は学校に通ってはいるものの全く勉学意欲がなく、授業中も友達と悪ふざけをしているだけ。三人のうち特に流流が彼女を気に入っており、ある日トラックの中で彼女を手籠めにしてしまう。一方、喜平も近所の炭鉱夫の妻とねんごろで、夫が働きに出ている合間を見て、関係を持っている。
 そんなある日、学校の不良、小四(田兆廷)が光秀にちょっかいを出す。怒った三人組は、酒を飲んで勢いづいたついでに学校に殴り込み、小四を鉄の棒で殴りつけて、町に逃げる。だがそのため小四は病院に担ぎ込まれ危篤状態に。学校にいる三人組の子分格の少年から、小四が死にかけており、警察が三人を探していると聞き、捕まれば死刑になりかねない三人は一旦、太原にいる流流の叔母の家に向かう。そこで占い師に占ってもらって、彼らはさらに北を目指して逃亡の旅に出るのだが...

 到底中国で正式劇場公開できないような内容の本作は、フランスとの共同制作。ただ中国盤のDVDは存在するようだ。おそらくオリジナルはフィルムではなくDVで撮られていると思われ、あまり画質の良くないDVDでもところどころにビデオ的な生々しさが感じられる。
 山西の田舎の先の見通しのない青年たちの閉塞状況を描いたという点では本作のプロデューサーを務めた賈樟柯の『一瞬の夢(小武)』と共通するものがあるが、さらに本作の方が悲惨度、閉塞度が高い。彼らの生々しい生活、閉塞感、向上心のない無気力ぶり、刹那的感覚をリアルに描いて秀逸。

 本作品は2006年東京フィルメックスコンペ部門出品。但し国内では配給はついておらず一般劇場公開およびビデオ発売はない。ロッテルダム映画祭VPROタイガー賞受賞。

 筆者が入手したのはオランダ盤DVD。残念ながらレターボックス収録で画質も良好とはいえない。とはいえ、英語字幕付きで本作を見るには、現在のところ、おそらくこの盤しかないものと思われる。

原題『頼小子』英題『Walking on the Wild Side』監督:韓傑
2006年 中国=フランス映画 カラー

DVD(蘭盤) 
発行:ロッテルダム映画祭 販売: Filmfreak Distributie 画面: PAL/4:3(LB1:1.85) 音声: Dolby2 中国語
本編: 89分 リージョンALL 字幕: 蘭/英(On/Off可) 片面一層 発行年2006年 月 希望価格 € 14,95

東京フィルメックス『ワイルドサイトを歩け』
http://www.filmex.net/2006/sakuhin/fc8.htm

東京フィルメックス『ワイルドサイトを歩け』監督Q&A
http://homepage.mac.com/xiaogang/films/talk/2006/061125filmex.html

"Walking on the Wild Side" (Filmfreak Distributie)
http://www.filmfreaks.nl/filmdetail.asp?id=415

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