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zoom RSS 2017年末韓国の政治的課題

<<   作成日時 : 2018/01/02 23:50   >>

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 昨年末韓国へ出かけてきた。そこで現地の新聞を見たりTVで見た現地の課題を見ると...

○憲法改正問題
 今年の文在寅政権の最大の政治課題は、1987年の民主化の時以来改憲されていない憲法をどう改憲するか、ということのようである。
 韓国の世論調査によると、韓国国民の大多数が憲法改正を支持している (ハンギョレの調査では62.3%、反対が12.1%)。ただ、どのような方向に改正すべきなのかは割れているようであるし、改憲の是非についても賛成、反対とも夏の世論調査に比べて減っており、分からないが増えている。

 一つの争点は今の大統領の強い権限を維持すべきなのか、それとも権力分散を図るべきかという点で、さらに具体的に言うと、大統領の任期問題、そして大統領直接選挙制度を維持すべきかどうか、という争点になる。

 まず、任期問題に関しては、ハンギョレ等が韓国リサーチに依頼した2017年12月の世論調査によると(ハンギョレ2018.1.1報道)、現行の大統領任期5年単任制 (大統領再任不可) を支持する人は25.5%なのに対し、大統領任期4年重任制 (任期4年で1回のみ再任可) の支持者は70.3%と後者が圧倒的。

 また大統領の権限の分散または権限に対する牽制の強化に関しては、賛成が68.6%に対し反対は24.5%。但し昨年7月の調査に比べると賛成が11.3%下がったのに比べて反対が6.7%上昇したという。前朴槿恵大統領の不正に対する敏感な反応が、少し薄れてきたということであろう。
 さらに、それをどう具体化するかについては意見が分かれていて、直接選挙による大統領と、国会から選出された総理が共同で責任を負う混合型政府形態(いわゆる二元政府制)を支持する人が43.7%、現行の大統領制維持が40.3%、日本のような議院内閣制支持が9.4%であり、さらに二元政府制を選択した人たちの中では、大統領の権限をより強化が55.2%、総理の権限をより強化が38.8%と割れている。そもそも夏の調査と比べても、二元政府支持者が減り、現行維持が増えている。

 大統領を牽制すべきであるが、とはいっても今の国会議員をどこまで信じていいのか (国民の韓国の国会議員に対する信頼度もやはり低い) という迷いが出ているようだ。

 また、改憲の発議、国民投票の時期については、6.13に予定されている地方選挙と同時に行うべきだ、が82.5%と最も高く、国会が発議できなければ文大統領が改憲案を発議すべきと言う意見も60%に達している。文大統領を支持する層ほど早期(6月)の改憲発議を望んでいるが(そして韓国の文大統領の支持率も高い)、そうでない層でも早めの発議に賛成する傾向にあるようである。


○学校の空き教室へのオリニチプ(保育園)併設問題
 これは1年以上ずっとくすぶっている問題。日本と同様女性の社会進出が増えて (というか不景気で女性も働かざるをえないのだが) 、保育園不足が深刻化している。その一方で少子化で、学校では空き教室が増えている。また来年ソウル市では初めて生徒不足による小学校閉校も予定されている。
 そこで文政権発足以後、小学校の空き教室にオリニチプ (「子どもの家」の意味=保育園)を併設できるように法律を改正してはどうかという議論が浮上している。だが、反対意見も出て計画は頓挫している。建前論としては、保育は、教育機関とは異なる独特の側面があるので、それを教育機関である学校に併設を認めるのは問題である、という話であるのだが、実際には、現在は圧倒的に私立が多いオリニチプ業界が、自治体等官がオリニチプ事業に参入することに反対しているようである。
 結局公営オリニチプ拡大を望む人たちは非組織票、一方公営オリニチプに反対する人たちは組織票なので、国会議員もそのあたりを気にして動いているようだ。政府は決して、公立学校の空き教室をオリニチプに活用しなければならない、と言っているのではなく、活用しても良い、という趣旨だと説得しようとしているようなのだが。


○韓国中道2政党合併問題
 安哲秀率いる、中道政党「国民の党」が、やはり中道の「正しい正党」(改革保守を標榜) との合併問題に揺れている。党員投票では75%が合併に賛成したが、合併反対派は投票率は23%に過ぎなかったと反発しており、今後どうなるか予断を許さない。


○日韓慰安婦問題合意の見直し問題
 こちらは既に日本でも散々報道されているところだろう。結局韓国での議論は、政府が日本政府に対する説明と国民に対する説明が異なる「二面合意」だった、という点、また慰安婦被害者をないがしろにして合意してしまった、さらに日本側の謝罪に誠意がなかった、というあたりが反発の理由になっている。

 そもそもこの慰安婦問題合意が急転直下で決まった経緯は、日本側から見てもいささか不思議であった。おそらくオバマ大統領の主導(圧力)で北朝鮮問題の対応を含めた東アジアの政治情勢安定化工作の一環として行われたものであろう。もちろん合意当初から韓国側の世論では反発が強かったのは確かである。しかし韓国政府が公然とこの問題を問題視するようになったのは、韓国側の政権が変わったということもさることながら、根本的にはオバマ・レジームの崩壊がその背景にあるだろう。もしトランプ政権ではなくクリントン政権が誕生していたとしたら、これほど文政権も公然と異を唱えることはできなかったのではないだろうか。

 はっきり言って日韓慰安婦合意は日本側にとって安い買い物であったことは事実であろう。オリンピックの国立競技場改築に一時3000億を掛けようとしていた日本政府にとって、10億拠出で頭の痛い問題が解決できるならお安いご用である。オバマ政権の圧力があったからこそ韓国も黙って受け入れたのである。韓国側がいくら「二面合意」だといっても日本側からすれば、韓国政府がちゃんと国民の説明しなかったのはあくまでも韓国側の国内問題だと突っぱねてしまえばそれまでである。

 とはいえ、その場その場のディールがすべての現トランプ政権にとって日米韓の堅固な協力、同盟体制の構築など何の意味も見いだせないのに違いない。だからこそ韓国側が異論を唱えることに何も牽制する気もないのである。つまり、今回のことはオバマ・レジーム崩壊の現れ以外の何物でもない。

 さらにいうと、この問題は本来、現状の争点構造が維持される限り、日韓双方の合意など不可能な問題なのである。100%双方が納得して合意することなどあり得ない。アメリカ(=オバマ「ドクトリン」)による無理矢理の調停があったからこその「合意」であったと考えるほかはない。そして今やオバマ・ドクトリンが消えさった、ということなのである。

○オリンピック入場券予約販売60%突破
 平昌オリンピックの国内向け入場券の販売不振に悩んでいた韓国だが、ここへ来てようやく60%以上さばけたというニュース。そもそも韓国人、何ヶ月も前から予定を入れるのが苦手である。1ヶ月前になってようやく考えるようになるというのが普通であって、よく考えてみたら当たり前の話かもしれない。

 ただ、もう一つファクターがあるとしたら、元々朴槿恵政権時代は平昌オリンピックは土建屋のための祭典だという冷めて見る世論があったのかもしれない。ただ、ここへ来て政権も交代し、北朝鮮との緊張も高まる中、文政権は「平和の祭典」として大々的に売り出そうとしている。そのあたりは進歩派政権を支持するハンギョレの元日の紙面から見ても明らかである。
 このようなイメージ転換がもう一つの伏流としてあるのかもしれない。

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