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zoom RSS 韓国映画『灰の花』

<<   作成日時 : 2017/10/29 19:57   >>

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 2017年7月6日に韓国で公開された作品。先日のコリアンシネマウィークで国内上映され、そこで鑑賞してきた。

 主人公のハダム(チョン・ハダム)は、韓国の田舎の、チョルギ(キム・テヒ)とその母親(チョン・ウンギョン)が住む農家で、住み込みの農作業員として働いている。多分月収は100万ウォン (日本円で10万円程度) であろう。そしておそらくは身寄りがなく、ひょっとすると孤児院出身かもしれない。そんな中、ヘビョル(チャン・ヘグム)がやってくる。ヘビョルは私生児であり、母親から実の父親だというミョンホ(パク・ミョンフン)のところへ行けと言われ、一度も会ったことのない父ミョンホのいるこの村へやってきたのであった。
 ミョンホはヘビョルとの血縁関係を疑い、血縁関係を証明する鑑定書がくるまでヘビョルを引き取ろうとせず、仕事仲間のチョルギの家に預けたままであった。だが、実はハダムが偽造した鑑定書に血縁関係があるとなると、態度は急変する。孤独で自堕落な生活を送っていたミョンホはヘビョルを引き取って学校にまでやろうとする。そのために、チョルギとともに貯めた7000万ウォンをすべて横取りして、学校の近くにあるビルまで買おうとする。困惑の対象でしかなかったヘビョルが、血縁関係を「証明」する紙切れ一枚で希望の存在に格上げされたのだ。
 だが、ミョンホがチョルギの持ち分まで貯めた金を独り占めしようとするのを阻止しようとしたチョルギのガールフレンド、ジンギョン(パク・ヒョニョン)によって、ミョンホの計画がすべて塵芥に帰したとき、ハダムはヘビョルを連れて村を飛び出そうとする...

 結局、一見最も確実なようでいて、よく考えてみればたかが紙切れ一枚と大して変わることのない「血縁」という表象一つでサポートが受けられたり受けられなかったりする、韓国社会の不合理な現実、そして「血縁」がないがゆえに打ち捨てられる存在があることに対する批判が、この映画の主題だと考えられる。

 なおこの映画は、かなりの田舎を舞台としているにもかかわらず、すべてのセリフは標準語で進行する。この点は極めて不自然なのであるが、これについて監督は、上映後のティーチインで、二人の少女が、全ての人たちにとっての子供たちでありうるということを表現するために、舞台を特定の地方に限定したくなかったため、すべてのセリフを標準語にとしたと語っていた。

 もう一点、日本語字幕を見ていた観客にはわかりにくい点だが、ヘビョルはチャン・ヘビョルと名乗っていた。一方ミョンホの姓はパク。つまり私生児だったため(おそらく)母親の姓を名乗っていたのだ。だが、ミョンホとヘビョルの血縁関係が「証明」された瞬間、ミョンホは「パク・ヘビョル」と呼ぶ。この部分、字幕では姓が一切省略されて翻訳されていたのでわかりにくい点かもしれない。おそらく日本と韓国では姓氏の在り方が異なるので翻訳者が混乱を避けるためにあえて姓を一貫して翻訳しないことにしたためだと思うが、この部分だけは姓もつけて字幕翻訳をしたほうが
わかりやすかったはずである。

 なお、本作はハダムを主人公にした<들꽃 (野の花)>(2014), <스틸 플라워 (スティール・フラワー)>(2015)に続く花シリーズの三部作最終作だそうである。この花シリーズも元々は、たまたま街で身よりなくうち捨てられた少女を見かけ、その後を追いかけたが見失ってしまったのがひどく心残りでとなり、それを契機にその少女に似たチョン・ハダムをオーディションで起用して作り始めたのだという。


原題『재꽃』 英題『Ash Flower』 監督:박석영
2016年 韓国映画 1:1.85 カラー 125分

配役
하담: 정하담
해별: 장해금
철기: 김태희
철기멈마: 정은경
명호: 박명훈
진경: 박현영

参考

Cine21レビュー「<灰の花>, パク・ソギョン監督の"花三部作"最終篇」 2017.7.5(韓国語)
http://www.cine21.com/news/view/?mag_id=87610

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