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zoom RSS フランス映画『世界に一つの金メダル』

<<   作成日時 : 2017/07/23 22:51   >>

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 フランスで大ヒットしたという、ソウル五輪の馬術金メダリストをモデルとした映画。監督は、クリスタン・デュゲイ。
 知性、才能、バックグラウンドに恵まれた主人公が、一時の成功に傲慢になり、スランプに陥る。一時は愛馬を売り飛ばすところまで思い詰めたが、再度謙虚に愛馬と向きあうことでソウル五輪で金メダルを獲得するという成長物語。

 ある種、成長譚にある定石をきっちり踏んだストーリー展開であり、もちろん詰まらなくはないのであるが、意外な発見はあまりない。ある種、ジャンル映画というかプログラムピクチャーの一種であろう。

 ただ、日本人から見て違和感のある点が一点。高慢になった主人公のピエールが、謙虚に愛馬、ジャップルーと対話するところに立ち戻れたきっかけを作ったのは、厩務員ラファエルであった。おそらく日本人的な感覚であればラファエルとピエールの関係が恋愛関係に発展する、というのが自然な定石であろう。ところがそうならず、ラファエルは最後まで単なる厩務員に過ぎない。

 実はピエールとラファエルの間には厳然とした文化資本的格差がある。ピエールの父セルジュは元々葡萄農園を営んでいたが、ピエールのために葡萄畑をすべて処分し厩舎を営む。とはいえ、日本で考えるような葡萄農家では明らかにない。ピエールは大学を出て弁護士としてスタートするのだし (のちに弁護士生活を捨て馬術に打ち込むのだが)、おそらく昔からの貴族の家柄かそれに近い名望家の家系で、大農園主と考えた方が良い。だから、ピエールは同じバックグラウンドのナディアと結婚する。

 一方ラファエルは、明らかに文化資本の貧しい家庭の出身。ラファエルの父親も、郷土の殿様を応援するような感覚でピエールの一家を応援する。だからラファエルが、ピエールがスランプに陥り、ジャップルーの処分を考えて暇を出されると、ラファエルも荒れて(日本で言うところの)ヤンキー的な生活に戻ってしまう。

 厳然とした文化資本格差がピエールとラファエルの間にあり、ラファエルがピエールを立ち直るきっかけを作るものの、ピエールはラファエルに心揺らぐことはない。日本だったらこのような家柄格差が逆に逆境的恋愛ストーリーのバックグラウンドに来そうなのだが、フランス映画の中では全くあり得ないのである。

 改めてフランスの文化資本格差の厚みを感じさせる一編。これがアラブ系フランス人とヨーロッパ系フランス人だったら、もっと厚い文化資本格差があるだろう。このようなことが昨今のフランスでのテロリズムの頻発の裏にあるのではないかと推測させられる。

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http://movie.walkerplus.com/mv62591/

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