yohnishi's blog (韓国語 映画他)

アクセスカウンタ

zoom RSS コリアンによるエキゾチック・コリアの発見 - 韓国映画『サムネ』

<<   作成日時 : 2016/11/04 00:05   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 以前、吉見俊哉が1970年代国鉄の「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンから80年代の「エキゾチック・ジャパン」キャンペーンの移り変わりを、70年代は失われつつある日本を地方で再発見することだったのが、80年代に入り、もはや日本人の内面がアメリカ化され、日本人自らが日本をエキゾチックなものとみなすようになったのだ、と評しているのを読んだことがある。

 「サムネ(参礼)」という映画はまさにこの吉見の言った「エキゾチック・ジャパン」の韓国版と言ってもよい作品である。つまりすっかり内面がアメリカ化された韓国人ならぬ「コリアン」であるソウル在住の主人公が地方に出かけて「エキゾチック・コリア」を発見することが主題となっている映画である。

 本作品は全州国際映画祭の支援を受けたインディーズ映画の一作であるが、おそらく最近韓国ではやっている町おこしを狙った「ご当地」映画の一本であろう。サムネとは全羅北道完州郡参礼邑のことであり益山市のやや東で益山市と全州市の中間地点にある町のようだ。最近複線電化された全羅線が通過している。
 映画を見る限りは参礼は何の変哲もない地方の田舎町である。ただ確かに「変哲もない」田舎町なのだが、現代の韓国では急速に開発が進んで、地方であっても高層マンションが立ち並んでいるのが普通であり、「変哲もない」ことがもはや例外となってしまい、「変哲もない」ことが変哲でなくなっている、つまり特別なことになってしまっている。そこにソウルからやって来た主人公が「エキゾチック・コリア」を発見するというわけだ。
 もはやソウルでは外国人客受けが悪いと一掃されてしまった犬肉を売る店、ムーダンとムーダンを祖母に持ついささか神秘的なヒロイン、無条件に男に服従させられる女たち、昔ながらの田舎の食堂、高層マンションの見当たらない昔ながらの街並みと画面から漂う、おそらくセマウル運動時代の情緒... おそらく20-30年前なら韓国のどんな田舎町でも普通に見られた光景だが、今はすっかり失われている... そんな光景が展開する。そんな中を夢か現か定かでなくさまよう主人公...

 逆説的に言えば、現代の韓国が如何に韓国的なものを失ってしまったのかを暗示している映画ともいえる。

原題『삼례』 英題『Night Song』 2015年 韓国映画 カラー 94分 監督: 이현정

韓国封切り 2016.6.23 韓国観客動員数 3,264人

Daum映画リンク
http://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=93133

Google Map 삼례 リンク
https://www.google.co.kr/maps/place/%EC%A0%84%EB%9D%BC%EB%B6%81%EB%8F%84+%EC%99%84%EC%A3%BC%EA%B5%B0+%EC%82%BC%EB%A1%80%EC%9D%8D/@35.9161926,127.012349,12z/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x3570162aa5e8b81d:0xd0304eea1a00471!8m2!3d35.9093122!4d127.0716446



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
コリアンによるエキゾチック・コリアの発見 - 韓国映画『サムネ』 yohnishi's blog (韓国語 映画他)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる