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zoom RSS 発達障碍をめぐるもろもろ

<<   作成日時 : 2015/12/15 08:02   >>

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 日本テレビに『世界仰天ニュース』という番組がある。個人的には、ただでさえCMで途中で中断するのに、取り上げている話題に関係あるんだかないんだかよく分らないタレントのだらだらおしゃべりが中間に度々挿入されるなど、あまり好きではない番組だが (おそらく制作費の関係で途中でタレントのだらだらおしゃべりでも挟んで薄めないと、時間分持たないのだろう)、家内が好きな番組なので、仕方なく家内に付き合って食事しながら見ることが多い。

 ただ、先週の番組は、この番組としては珍しく良かった。それは発達障害 (アスペルガーおよびADHD症) のあるお母さんの事例を取り上げたケースだった。子どもの頃から、勉強はできたものの対人関係が上手くいかず、苦労をしていた女性が、幸い大学時代に理解あるボーイフレンドに恵まれて結婚したものの、家事や子育て、そしてママ友関係に上手く適応できず苦労してきた経緯が、本人の立場に立って紹介されていた。
 結局、たまたま読んだエジソンの伝記をきっかけに、自分がアスペルガーだと知って、自分の状況に納得がいき、夫や娘の理解も得られ、何とか頑張っているという良い話であった。

 だいたいアスペルガーの人は対人関係が上手く作れず、子ども時代にいじめの対象になることが多い。またアスペルガー(正確には自閉スペクトラム)には、社会関係に支障を来す重度から、支障を来すほどでもない軽度まで、人によって程度は様々であり、軽度であれば、ちょっとこだわりが強いオタッキー程度ですみ、普段の社会生活を支障なくこなせるケースも多い。その障碍の現れ方も多様である。
 私が見る範囲でも、ちょっとアスペルガーが入っている程度を含めると、かなり多いという実感がある。もっとも実際にはアスペルガーと思われて、実はそうではないケースも多々あると番組では言っていたが。

 この番組ではエジソンがアスペルガー型天才の典型であるように紹介されていたが、エジソンのように学校時代成績は非常に悪いにもかかわらず、後々天才的な才能を発揮するというケースには、アスペルガーの人が多いように思われる。おそらく、社会性の欠如のため学校の教育システムの中から排除されたり逸脱したりして、学校時代は適切な評価を得られなかったり、知識獲得に支障を来すためであろう。興味の持てないことに全く取り組もうとしないのも、この障害の特徴だ。アインシュタインも学校時代は成績が悪かったといわれるが、彼もおそらくアスペルガー型天才であった可能性は高いと思う。

 先日亡くなった水木しげるも、私がアスペルガー型天才ではないかと思うケースだ。彼も、自伝エッセーや漫画、評伝を読む限り、学校時代は劣等生だったという。また軍隊生活においては、完全に不適応状態であり、頻繁に上官からびんたを食らったという。また忙しい朝に平気で長糞をしてびんた受けることも、何度も平気でくり返したり、周囲が玉砕、玉砕と目が血走っている時に、空気を全く読まず (というか読めなかったというのが正しいように思うが)、死に急ぐなんてばかばかしいと、生き残ることに徹することができたというのも、空気を読まない・読めないアスペルガー的資質の賜物(?)であろう。

 ネットを見ると、「空気を読まないアスペルガーの奴がウザい」などと書かれた書き込みを見つけることができるが、おそらく兵隊としての水木しげるは、上官や周囲の同僚からすれば、さぞや空気を読めず、使えない、ウザい、非国民的兵隊であったろうと思う。お陰でラバウルの死地から、ただ一人片腕を失いながら生還できたのだ。

 水木しげる夫人の武良布枝が、水木しげるが漫画に取り組む集中力、オーラはものすごかった一方で、無頓着なことには一切無頓着だったと述懐しているが、これもアスペルガー的特質であろう。

 もう一人、やはりアスペルガー型天才ではないかと私が強く疑っているのは、「あまちゃん」で主演をつとめた能年玲奈である。彼女は「あまちゃん」で素晴らしい演技を見せていたが、インタビューなどでは急に話題を振られると詰まってしまう。ネットでは彼女の詰まりぶりが、「放送事故レベル」と評されていた。

 実は、以前出会ったことのある、発達障碍のあると思われるとある女性が、この能年玲奈に非常にそっくりだった。その彼女は、頻繁に話題が変わったり、振られる討論が全くできなかった。討論を振られた時の詰まりぶりが、あの能年玲奈のインタビューの詰まりぶりにうり二つであった。
 もちろんその女性はその問題を自覚していて、それを直そうとしてか、とある演劇活動団体に加入した。その後、彼女が出演した、その演劇団体の公演も見に行ったのだが、そこではきちんとセリフも喋れていて、演技も立派であり、ああ彼女もずいぶん努力したのだな、これで大丈夫、と私もほっとしてい見ていた。私はその頃は、彼女が発達障碍だとは思いもよらず、たんなるあがり症、緊張過多だと思っていたのだ。
 だが、私が、彼女の症状は単なる緊張からくるものではないと気づかされたのは、それから1年ほど経ったころのことだった。その頃私は、仕事の上でその女性とコンタクトを取る立場になかったのだが、ある日彼女が相談があると訪ねてきたのだ。
 そこで彼女からコミュニケーションをとるうえでの困難さや、生きづらさを訴えられて、そこで初めて、彼女の症状が単なる緊張感からくるものではなかったと気づかされた。すぐ、私は専門家に相談するようにとアドバイスをし、彼女をサポートしてくれるであろう部署と連絡を取った。
 実は、彼女が発達障碍ではないかと私が思い当たったのは、自分のことを分ってくれる、気遣ってくれる人が周囲に誰もいないと、彼女が訴えた点であった。少なくとも私の目には、当時の彼女の周囲の人々は彼女のコミュニケーション上のトラブルに対し、冷たい視線を投げかける者はおらず、みな辛抱強く彼女が口を開くことを待つような姿勢を保っていたし、ある男性は、彼女のことをとても心配して、積極的に随分いろいろなケアをしていたことは、明らかであった。周囲は、ずいぶん彼女を温かい目で見守っていたし、とても良い仲間に恵まれているな、と私は好感を持っていた。だが、それらの周囲の非言語的コミュニケーションに、彼女は全く気付いていなかったのだ! 私は非常に驚くとともに、そこで初めて彼女は重度のアスペルガーではないかと強く疑うようになった。
 そして、非常に驚くべきことに、演劇活動は彼女のコミュニケーション障碍の改善に全く役立っていなかった。彼女の舞台上の演技がスムーズだったのは、ただ予め台詞が決められていたからだったのだ。つまり舞台の上でだけ、彼女は生き生きと輝けたのだった。

 その彼女に能年玲奈はそっくりなのである。「あまちゃん」の時の神がかったような、流麗な演技と、インタビューの時のたどたどしさとの落差! 恐らく「あまちゃん」では、少なくとも能年が絡むときは、アドリブは一切なかったと思う。もしあればその時は能年玲奈はフリーズしてしまうに違いないから。

 私はてっきり所属事務所が、能年の障害に気づいてフォローしていたのだと思っていたが、その後の彼女と所属事務所とのトラブルのニュースを見る限り、残念ながらそうではなかったようだ。能年の「あまちゃん」での名演技は、誰かの配慮の上に成立したのではなく、全くの奇跡のような偶然の上に成立したものだったと思わざるを得ない。私だって、演劇活動をしていたその女性との出会いがなければ、能年玲奈が発達障害だとは思わなかったろう。そもそも演劇活動をしていたその女性が発達障害ではないかと私が思い至るまでにも、かなりの時間がかかったぐらいなのだから。
 そして能年が発達障害を抱えているとすれば、彼女は視聴者からはとうていうかがい知れない生き辛さを抱えているはずである。彼女の「生ごみ」発言も、正にその発達障碍の生き辛さの、心の奥から絞り出された吐露だったのだと、私は思う。しかし、多くの視聴者やネットの人々には能年の素っ頓狂な、フザけた発言としか映らなかったようだ。

 能年が心酔するとある女性にそそのかされて事務所から独立しようとしている、というような報道もされているが、能年が発達障害を抱えているとしたら、彼女が自分の現状を理解し保護してくれる存在を求めるのは当然だと思う。

 そして、仮に彼女が発達障害であるとしたら、カミング・アウトしたほうが彼女にとってプラスだと思う。おそらく所属事務所から独立すれば、かなりの圧力を受けることになる。その中で、彼女が障害者であるということになれば、そのような圧力は障害者差別や抑圧とされて、正当化され難くなり、彼女にとって有利になるだろう。そして彼女のカミング・アウトにより、発達障害者への偏見も改善されることになろう。

 ともあれ「大人」の事情でファンとは関係なくスクリーンから能年を引きずり降ろすのは止めて欲しいと強く願うものである。






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アスペルガーの力
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