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zoom RSS よくわかる?なぜ「五輪とリエージュのロゴは似てない」と考えるデザイナーが多いのか?

<<   作成日時 : 2015/09/09 09:47   >>

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深澤貴之氏による以下の解説記事

「よくわかる、なぜ『五輪とリエージュのロゴは似てない』と考えるデザイナーが多いのか?」 2015.9.7 Yahoo! News
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takayukifukatsu/20150907-00049112/

 深澤氏の言わんとしていることを要約すると、

 視覚的な要素としては、両者は主要部分が類似しているが、異なる発想によって作られた偶然の一致は著作権侵害には当たらず、五輪エンブレムに関しては著作権侵害ではない。

(これには私もある程度は同意)

 ロゴの商標登録に関しては、事前調査に莫大なお金がかかるため、未登録ロゴの重複チェックは不可能。また画像検索による調査は、ロゴの秘匿性からこれも不可能。

(深澤氏は明言していないが、偶然の一致は、著作権レベルでは許されても、登録商標、意匠レベルでは許されないということであろう)

 五輪ロゴの商標登録申請に関しては、リエージュのロゴが商標登録されていないため、申請自体は法的に問題はない。商標として登録すること自体に異議があるならばそれは裁判で解決すればよい話。

(逆に言えば裁判沙汰になるのは不可避だし、ノーマルなこと。裁判沙汰になること自体を問題視すべきではない、という話になる、ということだろう)

 大衆が外見で判断してしまうのは仕方ないことだが、ロゴの展開性や文脈・文化的意義、永続性を考えると、ポピュリズムで判断するのではなく、判断は専門家に任せて欲しい。

ただこの解説を読んでも次のような疑問が浮かぶ。

 深澤氏はオリヴィエ・ドビ氏が怒るのはもっともである、と言う。ではなぜ彼は著作権侵害で提訴までに出るのか。つまり、深澤氏はこのような見解はデザイナー業界として共有しているというが、そもそもこういう議論が海外では通用しないからドビ氏は提訴に至ったのではないのか、という疑問が残る。
 つまり、深澤氏の紹介する見解は、「日本のデザイナー業界での常識」に過ぎず、海外では通用しない「常識」なのではないのか、という疑問である。

 さらに、問題となりうるのは著作権法、あるいは商標登録制度というものは、デザイナー業界だけのルールではなく、広く一般国民・市民にも影響を及ぼすものである。従って、仮に「デザイナー業界の常識」はそうだとしても、他の一般国民・市民あるいは法律家の素朴な判断を、「デザイナー業界の常識」で排除できるのか、という問題がある。

 日本ではデザイナーが専門家として尊重されていない、と深澤氏は嘆く。確かにその通りなのであろう。ただデザインというものが経済活動や政治性等に直結する時、デザイナー業界のロジックだけでは押し通せないのではないか?特に五輪ロゴというものは高度な政治性を帯びざるを得ない。おそらく深澤氏の発想を延長すると、裁判沙汰になることはノーマルなことなので、いちいち第三者が騒ぐべきでない、ということになるだろうが、五輪ロゴが国際的な裁判沙汰になることで、日本の体面が傷つけられたと感じる人は多いだろうということである (朝日新聞の「慰安婦報道が日本の体面を傷つけた」という発想と同次元で)。だから佐野研二カ氏は国賊呼ばわりされ、「在日認定」されてしまうのだろう。
私は深澤氏の言うことは分るし、朝日新聞の「慰安婦報道」も日本の体面を傷つけたとは思わないが、そうは思わない人も多いだろう。一企業のロゴならともかく、五輪の政治性を考慮すると、今回の件は感情論を全く抜きに議論はできないとも感じる。もちろん、政治性のからまない案件であれば、深澤氏の議論は十分成立すると思うのだが...


 ともかく、業界としてこの件はきちんと説明しようという深澤氏の姿勢は高く評価したい。

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 なお、深澤氏は商標・著作権調査だけで莫大な金額を投じなければならない時代になっているとも主張されている。確かに問題だとは思う。ただそれは既存の著作権、商標ビジネスのあり方が、インターネット時代と合わなくなっており、もはや持続不可能になっているからではないか。
 結局、商標、著作権のあり方は、権利を弱くする一方で、多少の、今まで抵触とされていた部分は許容していくような方向で考え直すしかないのではないか。ある程度シンプルな図案はもはや出尽くしており、多少の抵触は仕方がない、という議論を聞くにつれ、そう思わざるを得ない。
 ロゴの商標登録の先願主義もある程度見直し、現在使用されていないロゴは、登録を一定期間で失効させるとか、ロゴが似ていても別領域では使用制限を認めないなどの措置が必要なのではないか。

 そして、こんな混乱を抱えたまま、TPPで著作権侵害を非親告罪化することは、到底賛成できない。


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