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zoom RSS 高橋洋一、そして安保法制反対論における発想のダメなところ

<<   作成日時 : 2015/09/25 00:09   >>

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 かつては時の政権の政策に批判的なことも正面から論じていたが、最近すっかり安倍政権のお追従しか言わなくなった高橋洋一氏。その氏が、ダイヤモンド・オンラインで次のような記事を発表している。

高橋洋一の俗論を撃つ「集団的自衛権の行使容認が日本を平和にする根拠」2015.9.24 ダイヤモンド・オンライン
http://diamond.jp/articles/-/78832

 氏は次のように書いている。

「安保関連法の反対論者は、戦争に巻き込まれると決めつけている。自衛隊の海外活動が増えるので、戦争リスクは増すという単純な思い込みだ。日米同盟関係の強化によって、戦争を仕掛けられないという「抑止力」を無視している。戦争を仕掛けられないという場合を含めて考えれば、戦争リスクが単純に増えるとは言えない」

「ところが、実際の歴史では、戦争に巻き込まれることはなく、日米安保条約はしっかり抑止力を発揮して、日本を平和に保ってきた」

そして、 Bruce Russett, John R. Onealの"Triangulating Peace: Democracy, Interdependence, and International Organizations"(2001)を紹介して、

「具体的に言えば、きちんとした同盟関係を結ぶことで40%、相対的な軍事力が一定割合(標準偏差分、以下同じ)増すことで36%、民主主義の程度が一定割合増すことで33%、経済的依存関係が一定割合増加することで43%、国際的組織加入が一定割合増加することで24%、それぞれ戦争のリスクを減少させるという(同書171ページ)。

 ラセットとオニールによる“Triangulating Peace”は、国際政治・関係論の中にあって、すべての考え方を統一的にとらえた最終理論のようにも思える。

(1)同盟関係については、対外的には抑止力を持つので侵略される可能性が低くなるとともに、対内的にはそもそも同盟関係になれば同盟国同士では戦争しなくなるから、戦争のリスクを減らす。

(2)相対的な軍事力については、差がありすぎると属国化して戦争になりにくいというわけだ。

(3)民主主義については、両方ともに民主主義国だと滅多に戦争しないという意味で、古典的な民主的平和論になる。一方の国が非民主主義だと、戦争のリスクは高まり、双方ともに非民主主義国なら、戦争のリスクはさらに高まる。アジアにおいて、中国とベトナムで何度も戦争しているが、まさにこの例だろう。

(4)経済的依存関係、(5)国際的組織加入については、従来のリアリズムから重要視されていなかったが、実証分析では十分に意味がある」

 疑問に思われるのは、同書の「戦争」の定義である。例えばアメリカはベトナム戦争、湾岸戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争とかなりの戦争を起こしている。もちろん2001年に出版された同書にはイラク戦争やアフガニスタン戦争は含まれていないであろが、果たしてこれらの戦争は同書の「戦争」の定義に含まれるのかどうか?
 もっともこれらの戦争でアメリカは本土を攻撃されるような事態には至っていない。原書を読んでいないので何とも言えないが、このような戦争は同書の「戦争」の定義から除外されており、朝鮮戦争のように、国と国が正面からぶつかり合うような戦争だけが「戦争」の定義に入っているのではないかという疑いが残る。

 率直に言って、国と国同士がお互いの本土を攻撃し合うような戦争に関しては、私は高橋氏の議論に基本的に同意をする。中国が東京を空襲するような事態は起こりにくくなるだろう。

 しかし問題は、イラク戦争のように、何の大義のない侵略戦争に日本が荷担し、故なく他国民に苦痛を与える加害者になる可能性があるだろうということなのである。あのとき日本はアメリカのイラク侵攻を支持し、支援もした。
 だが、あの戦争が何の大義もない戦争だったということが明らかになったあとも、日本がアメリカのイラク侵攻を支持した理由も、支持を打ち出した責任者が誰なのかも、そしてこのような大義のない侵略に日本が手を貸さないようにする防止策も何も論じられていない。

 幸いあのときは日本が自衛隊を派遣してイラクを攻撃することまではなかったが、集団的自衛権行使が可能であったならば、完全に何の正当な理由のない侵略を共同実行することになっていたではないか。

 結局、一般の日本の市民が戦争の被害者になるかも知れないという観点から、今回の安保法制を反対する人たちがいたら、私はその人たちはクソだと思うし、やはり同じ観点から (つまり日本人は戦争被害者にならないだろうという理由から) 集団的自衛権は大丈夫だと論じる高橋洋一氏はもっとクソだと断言する。

 問題は一般日本国民が被害者になることではない。加害者になることが問題なのだ。

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