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zoom RSS TPPは大企業支配を助長、「国家主権が損なわれる」と懸念の声 - AFPニュース

<<   作成日時 : 2015/08/03 07:39   >>

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「TPPは大企業支配を助長、「国家主権が損なわれる」と懸念の声」 AFPニュース 2015.7.29
http://www.afpbb.com/articles/-/3055636

 率直に言って、私もその懸念を共有する。投資家対国家間の紛争解決条項(ISDS)が盛り込まれることによって、特に日本の国民皆保険制度が破壊されるのではないかという懸念が大きい。

 そもそも日本は明治時代に関税自主権を認められず、それを諸外国に認めさせるのにどれほど苦労したか。その先人が血のにじむような一人前国家として認められる努力をすべてチャラにして、関税自主権を返上し、再び半人前国家に戻るようなことをわざわざコストをかけてまでやる必要があるのだろうか?

 必要があるなら各国とそれぞれFTA (自由貿易協定) を結べば良いだけの話なのではないか?

 多分日本政府は、ISDS条項が盛り込まれれば日本企業に有利になると踏んでいるのだろうが、本当だろうか?むしろいまでさえ開発競争やアリーナ (競争の土俵) 設定競争で不利になっている日本企業をますます追い込むトラップになるのではないかという懸念の方が大きい。

 所詮現在日本が競争力を持っている部分はアニメだのサブカルやニッチにしか過ぎず、メインストリームは皆アメリカ (さらには中国) に総取りされてしまっているのが現状なのではないか?日本の今の政権担当政治家は、願望と現状認識を混同し、日本は自己の競争力を過大評価しているのではないか?

 かつて日本が国際競争力を持っていたのは、自分たちの発想が国際スタンダードの発想とはかけ離れていることを知らないまま国際市場に打って出て、そのことが結果的に国際競争のルールを変えることになって、日本が国際競争に勝ち抜けたように思える。

 だが、日本の国際的プレゼンスが高まるほど、国際スタンダードに合わせろとの圧力が加わり、真面目に国際スタンダードを守ろうとすることで、自分たちの発想に制約を加え、国際競争のルールを変える力を落とすことで、日本企業の競争力を落としてきたのではないか。
 それに対して欧米企業は、国際スタンダードに合わせろと周辺各国に主張しつつも、自ら意図的に、自分たちに有利なように国際的競争ルールを変えてきた。日本は、かつて意図せずして競争ルールを変えてきた一方、意図して競争ルールを変えることは苦手である。

 この典型例がソニーのメモリー版ウォークマン対アップルのiPodの闘いである。結局この闘いの雌雄を決した最大の要因はMpegの利用を認めるか認めないかということであった。ソニーはかつてアメリカでベータマックス訴訟 1) に巻き込まれた苦い経験から、再び著作権問題に巻き込まれるかもしれないリスクを嫌ってMpegのメモリー版ウォークマンで利用させることに躊躇した。だが、アップルは、著作権問題に巻き込まれるリスクを取ってiPodでのMpegファイルの利用を認めたのだ。
 結果的にMpegを利用できる利便性がユーザから圧倒的に支持されたことから、アメリカの著作権関係団体はアップルに対して著作権訴訟を起こすことができず、iPadは圧倒的に支持される一方、メモリー版ウォークマンは不便な著作権管理が嫌われてシェアが取れなかったのだ。そしてiPodが絶対的なシェアを確保した後、ウォークマンも後追いでMpegの利用を認めたが、既に遅かったのである。

 つまり、かつてソニーは意図せずして (まさかアメリカの著作権団体から訴えられるとは夢にも思わずに) 家庭用ビデオという新しい競争ルールを持ち込んだのだが、今度はメモリーオーディオで自ら競争ルールを変えるリスクを取るかと迫られていると意識したときに、ひるんでしまったのである。本来はこういう時にアメリカ著作権企業に文句を言わせないために、コロンビアを巨額買収したはずなのに、ミイラ取りがミイラになってしまったのだ。これこそがかつて日本企業が競争力を持てて、今日競争力を失ってしまった最大の理由ではないだろうか?

 ○日本企業は、かつて、無意識だったからこそ、ルビコン河を渡れてきたが、グローバルルールを意識してしまうとルビコン河を渡れない。

 ○欧米企業は、意識して、ルビコン河を渡って、自らグローバルルールの変更に乗り出せる。

 だから日本企業は、グローバリゼーションを進めれば進めるほど、英語の活用能力を強調すればするほど、ますます国際競争力を落としていくという逆説にはまるのではないか。東芝の原子力企業・ウェスチングハウス買収による経営失敗も、この逆説の典型例であるように思われる。東芝は原発活用が今やグローバルスタンダードだとやみくもに飛びついてしまったのだが、日本の原体験に起因する原子力アレルギーを肯定して、もっと慎重に判断すべきだったのだ。確かに原発ビジネスは儲かるかも知れない、でも日本企業としてやらなくても良いのではないか、そういう判断が日本企業としてあっても良かったのではないか。

 因みに中国はというと、欧米に対抗して、グローバルルールを変更する気概がある。AIIBはその証左である。図体だけは大きくなったはずなのに、日本だけが、グローバルルールを変更していこうという気概なく、ただただ従米を続けているのだ。

 このような日本企業の弱み、萎縮をISDS、あるいはTPPはさらに強化する役割を果たすものであり、日本企業にとっては不利なのではないかとの懸念を私は持つ。そろそろ日本企業はアメリカからの洗脳を解くべきではないのか?



 それとこの報道
「TPP巡りNZ報道「日本とカナダが強い抵抗」」 2015.8.1 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150801-OYT1T50132.html

 日本から見ればNZが抵抗しているように見えるが、NZから見れば日本が抵抗しているように見えるという、極めて当たり前だが、盲点になりがちな重要な指摘。

1) ベータマックス訴訟については以下の頁を参照。

「ベータマックス事件の概要」 文部科学省・ 文化審議会 > 著作権分科会(第23回)議事録・配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/010/07101103/004/031.htm

「濡れ衣だったダンピング容疑」 Sony History ソニー株式会社
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/SonyHistory/2-20.html#block6



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