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zoom RSS ようやく著作権への疑問にまともに答える記事が...

<<   作成日時 : 2015/08/18 00:40   >>

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Yahooニュースの以下の記事

「トートバッグデザインパクリ事件で学ぶ著作権侵害の基礎」栗原潔 2015.8.17
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kuriharakiyoshi/20150817-00048568/

 先日書いた、「東京五輪ロゴ問題への素朴な疑問」という記事 (http://yohnishi.at.webry.info/201508/article_8.html) に表明した素朴な疑問に答える記事がようやく出てきたという思いだ。既存のメディアがこういう解説をもっと早く載せなきゃ... そうすればトートバッグパクリ事件に関して味噌もクソも一緒くたにした炎上議論は出てこなかっただろう。

 ただ、これは栗原潔弁護士の見解なので、他に法曹界でこの件について異論はないのかどうか、もう少し記事が出てくることを期待したい。

 とはいえ、著作権は偶然の一致に関しては、商標とは異なり、問われないということはわかった。従って仮に佐野氏の主張が真実だとしたら、佐野氏は著作権違反に問われないということなのだろう。

 マークの類似性自体に関しては、栗原氏の記事で出されている例示から推定するところでは、結構グレーゾーンということになりそうだ。つまり、マークはかなり類似していても、その類似は偶然の一致なので著作権違反には問われない、というお話になる、ということである。

 とはいえ、東京五輪側がこのマークを商標登録しようとする動きに対抗した、ドビ氏の異議申し立ては極めて当然だろう。著作権レベルなら偶然の一致なら類似も許されるが、商標は偶然の一致は許されない。このマークの東京側による商標登録が認められれば、類似しているリエージュ劇場のマークが使用できなくなってしまう可能性があるからである。ドビ氏側が東京側の商標登録を阻止するために、佐野氏のデザインは著作権違反ではないかと提起すること自体は、正当な商業活動と見なされるべきだろう。

 そうなると両者の合理的な妥協ラインは、新東京五輪ロゴの商標登録を取り下げる、というあたりになるのではないか。新東京五輪ロゴやリエージュ劇場のロゴは誰でもが思いつくようなアイディアでそもそも著作権保護の対象にならない、という見解もあるぐらいだから、そうだとしたら商標登録に異議を申し立てられても仕方ないだろう。

 もっともそうなるとそうなったで、東京五輪組織委の商標ビジネスのもくろみは完全に崩れる、という話になるのだが。

 また、この解説で佐野氏の弁明も、著作権問題のキーポイントを突いた弁明だったということがわかる。つまり佐野氏は著作権のことを熟知していたということだ。

 そんな著作権のことを熟知していた佐野氏がトートバッグパクリ事件を起こしているのだから、ひょっとして、良くわかっていて、あえて意図的にパクリを常習的にやっていたのではという疑いが起こってしまう。つまり、よく知られていないデザインを探し出してきてパクるということをやっていて、ばれたらそんな無名のデザイナーの作品は知りませんでしたでしらを切るという意図的な作戦だったのでは... というのはゲスの勘ぐりか。


附論

佐々木俊尚氏が、佐野氏のトートバッグ問題に関して、佐野氏はこの件はデザイナーではなく、アートディレクターとしてかかわったのだから責任は限定的、デザイナーとアートディレクターの違いも分からない的外れな非難に成功体験を与えてしまうのは社会として健全でない、と論じている。
http://togetter.com/li/861481

また佐野事務所のこの件に関する表明は以下にある。
http://www.mr-design.jp/

ただ、サントリーの景品募集では、明確に「佐野研二郎デザイン」とうたっていた。監修またはアートディレクションとはうたっていない。
http://francepresent.com/sanokenjiro/
http://www.suntory.co.jp/beer/allfree/campaign2015/

とすると可能性は論理的には厳密には2つである。

・実際は佐野氏がデザインに責任を持っていたが、Webページ発表の際に責任逃れのため、この件は部下がやった、自分はアートディレクターとしかかかわっていないと詐称している。

・もともと佐野氏は監修 or アートディレクターとしてしかかかわっていないのに、募集の際自分のデザインだと詐称していた。

どちらにせよ、佐野氏はモラルはあまり高くない人物だと考えざるを得ないことになる。
そしてやや論理的な厳密性には欠けるが、次の第三の可能性もある。

・どうせ素人にはアートディレクターとデザイナーの区別なんかつくはずはないから、と、プレゼンテーション (佐野氏) 側が意図的にアートディレクションとデザインの区別をあいまいにして提示していた。

 この第三の可能性だと、「デザイナーとアートディレクターの違いも分からない的外れな非難」を引き起こした責任は「デザイナーとアートディレクターの違いを分からないように提示した」側にあるということになり、佐々木氏の批判こそ的外れということになるだろう。

 ただ、アートディレクターとデザイナーの役割の違いを世間の常識として共有しろ、という佐々木氏の主張は無理があろう。但し、このような事件が起こったときに適切な解説を行っていくのがジャーナリズム・メディアの役割であり、それがなければ単なる「ジャー鳴リズム」 (確かこれは大宅壮一の用語だったはず) でしかなく、ネットメディアとの差別化が困難になっていくだろうとは指摘できるだろう。

 五輪エンブレム問題で、適切な著作権解説がジャーナリズムメディアの中にあまり見あたらなかったようなのも気になるところである。

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