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zoom RSS 全国互換といいつつ互換でない韓国の全国互換交通カード利用状況

<<   作成日時 : 2015/05/18 18:24   >>

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 2013年末に釜山を皮切りに発行され始めた韓国の「全国互換交通カード」。以下韓国に居住していないと持てない後払い式 (クレジットカードタイプ) の交通カードを除いた、先払い式 (現金を予めチャージして使用するカード) に話を限定する。
 韓国のサイトを見ていると、全国互換カードの利用が始まった、始まったという宣伝や報道資料は見るのだが、よく調べてみると、必ずしも「全国互換カード」1枚持てば、すぐどの地域の交通機関に乗れる訳ではなさそうなのである。どうやらこのカードは全国互換といいつつ互換でないようだし、全国互換カードの規格も一本化されたわけではなさそうで、狼少年のような話だ。しかし利用状況を分りやすくまとめたサイトがなく良くわからない。

 あちらこちら韓国のサイトを検索した結果どうやらこういうことらしい。

 結局「全国互換」といっても、技術的にはともかく、使い勝手上、要は、既存の交通カードに国鉄列車、市外 (都市間連結)・高速バスならびに高速道路利用可能機能をつけただけということのようだ。従って全国互換交通カードといっても、利用上は一本化されたのではなく、既存それぞれの交通カードに付加機能をつけたものであって、既存の交通カード間の互換が進まないと、結局全国互換カードと称しても全国のバスで使えるようにならないということのようだ。電子規格上は全国互換であっても結局カード会社相互の互換契約が締結されないとダメ、ということのようである。

 逆に言えば、既に手持ちの交通カードがあれば、国鉄や市外・高速バス、高速道路で交通カードを使おうと思わない限り、敢て全国互換カードに買い換える必要はない (但し、古い非インテリジェント・単純ICメモリ型カードをお持ちなら買い換えの意味はある)。また乗り換え割引の恩恵が受けられるのは市内バスや地下鉄、電鉄に限られるので、それ以外で交通カード利用にこだわる理由もない。

・現在販売されている「全国互換」交通カードの種類
 次の4種類があるが、結局バスや地下鉄・電鉄の通用範囲に関してはそれぞれの全国互換カードで、既存カードと同様、通用範囲が異なっている。これじゃどこが全国互換なのだとつっこみたくなるのだが.... ともあれ全国の電鉄・市内バスを乗るにはT-moneyとCashBeeの両方が必要というのは既存のカードと変わらない。

1. キャッシュビー全国互換交通カード (イービー社 / ハナロカード社 / マイビー社)
 2013.12に釜山を皮切りに最も最初に「全国互換交通カード」として販売開始されたカード。もちろん全国互換でない既存のCashBeeカードも存在する。

2. T-money全国互換交通カード (韓国スマートカード社)
 2014.6.21より販売が開始された、T-moneyの全国互換カード
 日本からの旅行者はT-moneyを持っている可能性が最も高いと思われるが、これで、T-moneyは、2004年以前に販売されていた普及型T-money (単なるICメモリで非インテリジェント型カード)、従来版高級型 T-money (CPUが搭載されたインテリジェント型ICカード)、そして全国互換T-money (列車、高速道路等決済機能付)の三種類になったということである。

3. KORAIL RAIL+カード
 こちらもやはり2014.10.25より新規に韓国国鉄から発売された全国互換交通カード。既存カードはなし。

4. Hanpeyカード
 光州地域で2011年4月1日から従来のピッコウルカードに代って発行されはじめたカード。実は「全国互換」と銘打ってはいなかったが電子規格上は最も早く韓国国土交通部が提唱した全国互換交通カード標準規格に沿って出されていた。にもかかわらず、「全国互換」が本格的に始まったのは2014.12.23と遅れた。

5. Onepassカード
 大邱を中心にToppassカードを出している U-payment社が2014.11に出した全国互換規格カード。ただ規格上は国土交通部の全国互換規格に沿っているが、互換地域はまだ少ない。


・通用地域 (エンハウィキ記事を元に構成)
1. CashBee全国互換交通カード (イービー社 / ハナロカード社 / マイビー社)
※以下○はT-money全国互換カード非通用地域
通用: ソウル首都圏 (仁川、京畿含む、以下同)、釜山、大邱、○光州、蔚山、世宗、江原 (全域、なお江陵、原州、春川、横城以外は○地域)、忠清南・北道、全羅南・北道 (珍島除く、うち谷城、霊光、長興は○地域)、慶尚北道 (慶山、慶州、亀尾、金泉、尚州、栄州、永川、浦項、○高霊、奉化 [一部]、星州、醴泉、○鬱陵、蔚津、義城、○清道、漆谷)、慶尚南道 (巨済、金海 [バスのみ○]、密陽、泗川、梁山、鎮州、昌原、宜寧、咸陽)、済州
○国鉄列車 (全国非互換既存カードも利用可)、慶尚南道を除く市外バス (京畿、済州以外は○)
※非通用地域で外国人観光客が訪ねそうな所として、大田、安東が挙げられる。慶尚南道の地方部でも利用不能地域が広がるが、智異山登山や、在日の方の故郷訪問以外では、外国人観光客が訪れる可能性は少ないだろう。

2. T-money全国互換交通カード (韓国スマートカード社)
※以下○はCashBee全国互換カード非通用地域
通用: ソウル首都圏、釜山、大邱、○大田、蔚山、世宗、江原 (江陵、原州、春川、横城)、忠清南・北道、全羅北道、全羅南道 (谷城、霊光、長興、珍島除く)、慶尚北道 (慶山、慶州、亀尾、金泉、○聞慶、尚州、栄州、○安東、永川、浦項、奉化 [一部]、星州、醴泉、蔚津、義城、漆谷)、慶尚南道 (金海バスを除く、うち統営、咸安、昌寧、陜川、居昌、山清、河東は○地域)、済州
京畿・済州市外バス、○全国高速バス
※非通用地域で外国人観光客が訪ねそうな所として、光州、および一部を除く江原道が挙げられる。市外バスもCashBeeに比べ限定されるが一方高速バスに関してはメリット。光州事件の遺跡地を訪ねたり、春川、江陵を除く江原道の地方リゾート地帯を訪れたいならT-moneyではなくCashBeeを買うべき。

3. RAIL+カード (KORAIL / 韓国鉄道公社)
※以下○はT-money全国互換カード非通用地域、△はCashBee非通用地域
通用: ソウル首都圏、釜山、大邱、△大田、○光州、蔚山、世宗、江原 (全域、なお江陵、原州、春川、横城以外は○地域)、忠清南・北道、全羅南・北道 (珍島除く、うち谷城、霊光、長興は○地域)、慶尚北道 (慶山、慶州、亀尾、金泉、△聞慶、尚州、栄州、永川、浦項、○高霊、奉化 [一部]、星州、醴泉、○鬱陵、蔚津、義城、○清道、漆谷)、慶尚南道 (密陽、泗川、梁山、鎮州、昌原)、済州
○国鉄列車、京畿市外バス
※既存CashBeeもKORAILで使用できるようにKORAILとイービーの提携度が深いためか、CashBeeと使用可能領域がかなり重なるが、なぜか慶南の巨済、金海、宜寧、咸陽で使用不可となっている。また市外バスの範囲もCashBeeに比べると限定される。CashBeeより魅力があるのは大田 (ここにはKORAIL本社がある)を含む全広域市、特別市で使える唯一のカードという点であり、この点を評価するならCashBeeの代わりにこれを買うというのはありだろう。あとは聞慶とKORAIL経営駐車場で使えるが外国人観光客にはその点はメリットは少ないだろう (聞慶は悪くない観光地だが外国人観光客は少ない)。
 因みに、RAIL+とT-moneyの2つ持ちにすると、電鉄・市内バスに関しては、金海市内バスだけが利用できない。

4. Hanpeyカード (ハンペイシス社)
※以下○はT-money全国互換カード非通用地域、△はCashBee非通用地域
通用: ○光州、大邱、△大田、釜山、蔚山、世宗、江原 (全域、なお江陵、原州、春川、横城以外は○地域)、忠清南・北道、全羅南・北道 (珍島除く、うち谷城、霊光、長興は○地域)、慶尚北道 (慶山、慶州、亀尾、金泉、△聞慶、尚州、栄州、永川、浦項、○高霊、奉化 [一部]、星州、醴泉、○鬱陵、蔚津、義城、○清道、漆谷)、慶尚南道 (密陽、泗川、梁山、鎮州、昌原、宜寧、咸陽)、済州
※光州、大田の両方で使用可能というのが魅力だが、やはりソウル首都圏で利用できないのが、外国人旅行者としては痛い。この点でRAIL+に負ける。一応2015年上半期中をめどにソウル首都圏での使用を目指すということである。またなぜか慶南の巨済、金海で使用できない。国鉄、市外・高速バスの利用も不可。現状では光州へ行ったお土産価値以外のメリットを外国人観光客が見いだすのは困難。

5. Onepassカード (ユー・ペイメント社)
※以下○はT-money全国互換カード非通用地域、△はCashBee非通用地域
通用: 大邱、慶尚北道 (○清道、星州、○高霊、漆谷、○鬱陵)、○光州
○国鉄列車

全国互換T-money、CashBeeカード通用地域図

画像
水色: 両方通用
紫色: T-money通用・CashBee非通用
黄色: CashBee通用・T-money非通用
灰色: 交通カード未導入



なお、市外バス (直通、直行バス)、高速バスは、バスターミナルのカード専用自販機で、カードを使って切符を買う使い方が普通。その場合、市外バス用の販売機と高速バス用の販売機に分かれている。列車の場合は窓口でカード決済のかたちで切符を購入する。


関連記事
韓国全国互換交通カード事情 (2014.1)
http://yohnishi.at.webry.info/201401/article_7.html

韓国交通カード普及状況 2014.1
http://yohnishi.at.webry.info/201401/article_5.html

韓国交通カード事情 (2012.8)
http://yohnishi.at.webry.info/201208/article_13.html
http://yohnishi.at.webry.info/201208/article_14.html

「全国交通カードとは」韓国国土交通部 (2014.6.21 韓国語)
http://www.molit.go.kr/USR/WPGE0201/m_35408/DTL.jsp





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