yohnishi's blog (韓国語 映画他)

アクセスカウンタ

zoom RSS 『早読み深読み朝鮮半島・「AIIB」で中国陣営に飛び込んだ韓国』の読み方

<<   作成日時 : 2015/04/08 20:54   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

 3/30付けダイヤモンドオンラインの連載「早読み・深読み・朝鮮半島」は愛知淑徳大・真田幸光氏を呼んで韓国のアジアインフラ投資銀行参加表明を論じる回であったが... 1)真田氏の主張は必ずしも鈴置高史氏の思惑通りの発言ではなかったようだ。

 鈴置高史氏の基本的な立場は、アメリカは中国と覇権を掛けて対立している一方、韓国は歴史的に中国の冊封体制下に戻りたがっており、アメリカが引き留めるのを振り切って、中国の支配体制下に入ろうとして自滅の道を歩んでいる、と思い込みたい・信じたい、というものである。

 だが根本的にアメリカと中国の関係が、細かい利害対立はあるにせよ、鈴置氏の考えているような対立関係であるとは思えない。そもそも鈴置氏の発想は、今アメリカの国債を買い支えている最大の国は中国だという重大な根本条件を忘れている発想である。そして国債を買い支えている最大債権国という意味の重大性を全く理解していない発想と断言しても良い2)。

 さらに、韓国も中国一辺倒になればよいと思っているとも思えない。朴槿恵大統領個人の思惑はともかく、中国に頼るしかない状況を作ってしまえば、韓国にとってはむしろ外交のフリーハンドを狭めることになるだろう。むしろ中国とアメリカの間を巧みに泳いで両方から最大利益を得ようとするのが、当然な姿勢であろう。
 この点、米国一辺倒を強めてますます外交のフリーハンドを狭めるというアホな外交政策を採り続ける日本との大きな違いである。日本のアホな外交政策を基準に韓国の外交政策を判断すべきではない。韓国の外交政策がベストとは必ずしも言うつもりはないが、少なくとも今の日本の外交政策よりワンランク上であることは、間違いない。

 ところで真田氏の主張の要点をまとめると次のようになるだろう。
1. 中国のAIIB設立の狙いは米国を中軸とする国際金融体制への挑戦である
2. 英国を初めとする欧州勢のAIIBへの雪崩を打った参加は、世界的に国際金融体制における「米国への横暴」へ不満が渦巻いているからである。
3. さらに中国の台頭はもはや否定できず、外部から批判するよりも、むしろAIIB体制の中に入ってチェックするほうがよい、という現実的な欧州勢の判断があった。
4. 混乱を嫌う日本から見ると、韓国はわざわざ混乱に身を投じる愚かな選択をしているように見えても、むしろ混乱をチャンスと見る韓国は、彼らにとって好ましい選択をしている。
5. 日本は従米一辺倒で、米国と共に世界的に孤立しかねない (→へたすると米国に先にAIIB参加を表明されかねないかも?)。

 その上で真田氏は次のような提案をしている。

1. 混乱×、安定○という従来の日本の発想ではもはや日本は国際社会に生き残っていけない。韓国のように積極的に混乱リスクを取るべし。
2. とはいえ従米一辺倒で思考停止に陥っている日本に、いきなり韓国を見習えと言っても無理なので、とりあえず従米一辺倒は止め、英国のコバンザメになれ。

 結局真田氏は、韓国を巡る状況に関する鈴置氏の見方をほぼ全面否定している。鈴置氏が、韓国は追い詰められている、藁にすがっていると相変わらず強弁しているのを、真田氏は、韓国はそうは思っていませんよとやんわりと否定している。そして真田氏は日本もある程度韓国を見習ったらどうですか、と提案しているのである。

 この連載、鈴置氏がいろいろ立場の違う韓国を巡る専門家と対話するのは良いのだが、そのような対談を経ても、鈴置氏が学習効果なく頑迷な立場に固執しているのを見ると、果たしてこれらの対談の意味があるのかと疑問に思ってしまう。そもそも鈴置氏は対談者によっては自分の見方が否定されていることさえ理解しているのだろうか?

 いったいこの連載を読んでいる読者もこの連載をどのように受け取って読んでいるのだろうか?

1) URL http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150328/279308/?rt=nocnt

2) 例えば、日本の昭和初期の状況を思い起こしてみよう。当時なぜ日本がワシントン軍縮条約を飲まざるを得なかったのかというと、当時日本国債の最大の引き受け手がアメリカだったからだ。つまり日本が軍拡に突き進もうとすればアメリカに国債を引きうけて貰うしかない。したがってアメリカの意向を無視して軍拡路線に突き進むなどと言う選択肢は、財政的にあり得なかったのだ。
 ところが、そういった財政状況を全く理解していなかった一部軍部は、ワシントン軍縮条約の推進に回った賢明なる政治家たちを5.15、2.26事件などを通して惨殺してしまう。その結果が狂気の15年戦争突入であり、敗戦後はハイパー・インフレーションによって、そのつけが国民の懐に回されたのである。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『早読み深読み朝鮮半島・「AIIB」で中国陣営に飛び込んだ韓国』の読み方 yohnishi's blog (韓国語 映画他)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる