yohnishi's blog (韓国語 映画他)

アクセスカウンタ

zoom RSS 『優雅な嘘』- これは傑作 女子中学生のいじめを描く韓国映画

<<   作成日時 : 2014/10/01 00:04   >>

ナイス ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

画像 『ワンドゥク』『私の愛』『青春漫画』などのイ・ハン監督による、女子中学生のいじめをテーマにした作品。『ワンドゥク』に続き、キム・レリョンの小説を映画化。これは日本でも広く共感を呼びそうな作品だ。

 父を9年前に亡くした女子高校生マンジ(コ・アソン)と女子中学生チョンジ(キム・ヒャンギ)の姉妹は、大型スーパーマーケットの食品売り場で働く母ヒョンスク(キム・ヒエ)と、決して豊かではないものの、母の努力でそれなりに暮らしていた。マンジはちょっと勝ち気な女の子。母の話はあまり聞かず、妹の話も半分聞き流すことが多かった。それに対しチョンジは、あまり自己主張をしないどちらかといえば素直な優等生タイプ。
 ある朝、チョンジが母にMP3プレイヤーを買ってくれと、なぜかいつになくしつこくせがむ。誕生日ではダメなの、という母に、今時MP3プレイヤーなんかなくても、携帯電話で音楽聴けばいいじゃないと取り合わない姉。だがヒョンスクはチョンジの態度が妙に気になってMP3プレイヤーの売り場に行くが、機種が多くどれを買えばいいのか分からない。

 だが、その朝がヒョンスクとマンジがチョンジの生きている姿を見る最後の機会だった。チョンジは家で首をつって自殺したのだ...

 チョンジの葬儀が終わると、以前から家のチョンセの保証金の追加を求められていた一家は、冷酷にも追い出されてしまう。仕方なく、もっと部屋の小さな賃貸アパート、チョウォン・アパートに引っ越してくる。隣には公務員試験受験準備中の頼りになるんだかならないんだか分からない長髪の青年、チュ・サンパク(ユ・アイン)がいる。そしてマンジは同じアパートに、チョンジの友人だった、中華料理屋「ポシン閣」の娘ファヨン(キム・ユジョン)が住んでいるのを見逃さなかった。

 マンジはチョンジが死ぬまで、妹に大して神経を使っていなかったことを深く後悔し、チョンジの死因を突き止めようと決意する。そして、チョンジの友だちだったにもかかわらず、気に掛かる点があった、同じ学校の中学部に通うまずファヨンに会いに行く。
 マンジは、親友ミラン(チョン・ウヒ)の妹でチョンジと同級生であるはずのミラ(ユ・ヨンミ)、チョンジを知っていそうな同級生、そしてなぜか図書館でよくチョンジで会っていたという隣のチュ青年と、徐々にチョンジの生前の有様を訊く内に、チョンジには自分たちの全く知らない側面があり、それにもかかわらず、実はチョンジは様々な信号をかすかに自分たちに投げかけていたことを知り、愕然となる...

 一方、母は母で気丈に振る舞っていたが、内心深く傷つき、後悔していた...

 ここで描かれているチョンジはいじめに遭っていたのだが、傍から(特に教師から)表面的に見ている限りいじめなのか友情なのか分からない。ファヨンはチョンジと親友になる約束をしつつも、その裏ではチョンジに関して同級生たちに讒言をしたりして、自分以外のクラス皆から孤立するように仕向ける。それによりファヨンはチョンジを自分が好きなようにコントロールできる状況に追い込む。他の同級生たちはファヨンの態度をおかしく思いながらも、傍観を決め込む。
 チョンジは、ファヨンの態度の二重性に不信感を抱きつつも、ファヨン以外の誰かと友だちになる可能性を断たれて、やむを得ず誰かと友だちになるために、仕方なく「自発的」に、ファヨンに従わざるを得なくなる。
 ただ、チョンジが自殺に追い込まれるのは、単純にファヨンから精神的ないじめを受けていたことだけが単純な原因ではなく、クラスの中の人間関係のダイナミズムと合わさって追い込まれていくあたりが非常にリアルに描写されている。それとともに家族であるからこそ、チョンジは自分の様子を隠し続けたし、家族もチョンジの様子に気付かない、そしてそれにもかかわらずチョンジはかすかなSOSを発信し続けていたこと、そのあたりの描写が非常にリアルで説得力が高い。脚本のイ・スギョンの力とイ・ハン監督の演出力には舌を巻く。
 そして『ワンドゥギ』に続いて、経済的には恵まれないながらも、たくましく生きていく庶民の描写もよい。結末については、韓国のネティズンの中では納得のいかないという意見を書いている人もいるが、むしろ日本人の方が共感できる結末だろう。単純に誰かに復讐すればよい、という形に終わらないというのも個人的には非常に納得。

 なお、韓国のいじめ(ワンタ)は、日本のいじめと比べるとどちらかというと精神的にいじめるというよりは、直接腕力に訴えるケースが多いといわれていた。実際、今まで韓国映画やドラマでは、例え女の子であっても、例えばトイレや学校の裏手に呼び出して殴ったり、カツアゲしたりという描写が多かった。ただこの作品を見ると、かなり日本のいじめに近くなってきたのかな、という気がする。韓国の生徒たちの社会も大きな変化の途上にあるのかも知れない。

 おそらく日本の観客の多くに共感されるであろうし、またできるだけ多くの人々に見て欲しい作品。

 本作品の韓国封切りは2014.3.3。韓国での観客動員数は 人。国内未公開。

 監督のイ・ハンは1970年生まれ。漢陽大学演劇映画科卒。イ・チャンホ監督の助監督につき、『ラブ・ストーリー』『情』の演出に参画。2002年『恋愛小説』でデビュー。その後『青春漫画』『私の愛』『ワンドゥギ』を経て本作。人々の内面描写に定評。
 脚本のイ・スギョンは1971年生まれ。過去の脚本に『春の日は過ぎゆく』『外出(四月の雪)』『愛してるマルスンさん』『幸福(ハピネス)』『花火のように蝶のように』がある。

原題『우아한 거짓말』英題『Thread of Lies』監督:이한
2014年 韓国映画 カラー 1:2.35 117分

韓国版ビデオ情報
[Blu-ray]
発行・販売: Art Service 画面: 1080p 1:2.35 AVC 音声: DTS-HD5.1 韓国語 本編:117分 リージョンA
字幕: 韓/英 2014年 8月発行 希望価格W33000

[DVD]
発行・販売: Art Service 画面: Anamorphic 1:2.35 音声: Dolby5.1 韓国語 本編:117分 リージョン3
字幕: 韓/英 2014年 8月発行 希望価格W25300

[DL file]
720p(AVI) 320p(MP4) 16:9 DRM Free 2632/365M 価格W2500 (yes24)

予告編 (韓国語 YES24)
http://vod.yes24.com/MovieContents/MovieDetail.aspx?did=M000044283

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
ナイス ナイス

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『優雅な嘘』- これは傑作 女子中学生のいじめを描く韓国映画 yohnishi's blog (韓国語 映画他)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる