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zoom RSS 『アーティスト・ポン・マンデ』 - ポルノ映画監督の自負と悲哀 韓国版「色情男女」

<<   作成日時 : 2014/09/14 00:06   >>

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画像 韓国のピンク映画界第一人者として知られるポン・マンデ監督による、フェイク・ドキュ・ドラマ。撮影進行中の映画に、急遽代行監督として呼ばれたポン・マンデ監督の孤軍奮闘ぶりと、エロ映画監督としての悲哀を描いた作品。登場人物は全て実名で登場する。

 場所はインドネシアのロンボク島。そこで『ヘンゼルとグレーテル』のイム・ピルソン監督による恋愛映画の撮影が進行中だった。だが映画製作社のイ・サンファ代表は、イム監督のあっさりしたラブシーン演出に不満を隠せず、思わず横から「エロチックじゃない」と口を出す。もちろんなるべく露出を避けたい主演のクァク・ヒョナらは、監督が良いと言っているのにどうして... と文句を言う。すったもんだのあげくに、代表はラブシーンの部分だけ演出に代行監督を立てると決め、釜山で撮影中だったポン・マンデに電話して、インドネシアに呼びつける。
 もちろん、イム監督は不満たらたらだが、イ代表は、総監督はお前で編集権はあるのだから、気に入らなければ後で好きに切ればいいとなだめすかす。一方、ポン・マンデはイム監督の作品を全く評価していないが、仕事と割り切って現地に向かう。

 そして、ポン・マンデが、天然系のエロシーンの代役女優(ソン・ウン)を連れて、撮影現場に乗り込む。自分が来たからにはと意気込むポン監督。だが、エロ映画界の第一人者としてそれなりの自負のあるポン監督を、出演者たちは誰も知らない。「ポン・ジュノ監督の親戚ですか」と的外れな質問。仕方なく、ポン・マンデは「自分で言うのも何だが...」とやむを得ず自己紹介。イム監督は「お手並み拝見」とやや離れて冷ややかに酒を飲みながらポン・マンデのやることを見ている。

 最初はポン監督に冷ややかだった出演陣も、彼の熱意にほだされて何とか動き出し、主演のヒョナとソンホのトラブルも何とか治め、撮影現場を乱すスティル・カメラマンも何とか現場から追い出し、ようやく撮影は軌道に乗る。一方いじけたイム監督は荷物をまとめて韓国に帰ってしまう。

 そんなある日、インドネシア警察が現場に踏み込んでくる。ワーキングビザも取らず、観光ビザで入国したあげく映画撮影をやっていたと、摘発に来たのだ。イ代表は"Do you want money?"と賄賂を渡して辛うじて逮捕は逃れるものの、撮影フィルムは全て感光させられ、今までの成果は全てパーに。
 また撮れば良いというポン・マンデに、どこに取り直す金があると泣きわめくイ代表。それに対し、今時こんな骨董品(フィルム・カメラ)で撮る奴はいない、スマホさえあれば十分と説得するポン・マンデ。だが、再撮影を決意したチームにもう一つのやっかいごとが持ち上がった...

 ポルノ映画・ビデオ撮影の内幕もの、といえば故レスリー・チャン主演の香港映画『夢翔る人ー色情男女』(イー・トンシン 、 ロー・チーリョン監督、1996)、国内でも、必ずしも話題にならなかったが(個人的には高く評価)梶俊吾監督の『駅弁』(1999)などが思い浮かぶ。韓国映画でもコン・ジャグァン監督の『色動画』が既に作られている。
 本作品もその流れを汲む作品であるが、監督のポルノ映画監督のプロとしての自負心と、それが必ずしも社会的に認定を受けられない悲哀の悲喜こもごもについて焦点を当てて描かれる。また関係者がすべて実名で出てくる、リアルなドキュドラマ(これは日本の『駅弁』が先行)としての面白み。日本の場合、今日第一線で活躍している監督も駆け出し時代、ロマンポルノやピンク映画で修行したという監督も数多いが、韓国の場合まだまだ偏見が強く、ピンク・ポルノ監督と一般映画監督は未だ厳然とした境界があるように思われる。その中で、ポン・マンデ監督はポルノ映画界出身ながらも、一般映画枠での映画製作を試みるなど、何とかその境界を打ち壊そうと試みている監督の一人。
 その試みは未だ十分成功しているとは言えないが、本作はまさにその悲哀に焦点を当てるとともに、本作それ自体もまたその境界を乗り越えようというまた一つの試みである。韓国のネット評を見ると、本作を見て、ポルノ映画製作もまた一つの、真摯な仕事であるということに改めて気付かされた韓国の視聴者も多いようである。

 しかし韓国の映画界では、エロチックシーンでその演出部分だけ代打、ということもあるのだろうか。

 本作品の韓国封切りは2013年8月29日。韓国での観客動員数は14,188人(KOBIS 2013.12データ)。

 ポン・マンデ監督は1970年1月生まれ。1994年『口笛を吹く女』の助監督で映画界に入る。以後CFや企業広告映像などの演出に携わる。1999年以降15編のAVの演出に携わるようになり(初作品は『東京セクスピア』)、AVという枠の中でスタイリッシュで自分のやりたいことを自由に盛り込んだ独自の演出世界が人々から認められる。
 その後『美味しいセックス、そして愛(邦題: 欲望 Lovers)』を商業用一般映画として公開。さらにケーブルTV局、OCNで製作したオムニバス映画『同床異夢(国内では『蜜愛 DVD-SET』[ジェネオン]に収録)』で話題を呼ぶ。この映画はCATV会社が製作した初めての一般映画であり、女性の視点からのエロティシズム、新しい画面分割の試みなど、実験作として知られる。
 さらに『シンデレラ(国内DVD発売)』で整形手術を題材にしたホラー映画にも挑戦。個々にも新機軸を盛り込んだホラーとして評価を受ける。
以上 Daum映画データベースを参考に執筆。


原題『아티스트 봉만대』 英題『Playboy BONG』 監督:봉만대
2013年 韓国映画 カラー 1:1.85 102分

韓国盤ビデオ情報
[DVD]
発行・販売: Art Service 画面: Anamorphic 1:1.85 音声: Dolby2 韓国語 本編:102分 リージョン 3
字幕: 韓/英 2014年 5月発行 希望価格W25300
[DL File]
720p 16:9 120分 DRM Free 2381MB 価格W1500

予告編 (韓国語 YES24)
http://vod.yes24.com/MovieContents/MovieDetail.aspx?did=D000047675






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