yohnishi's blog (韓国語 映画他)

アクセスカウンタ

zoom RSS 『恋愛の温度』- 恋人たちの修羅場を見せつけるラブコメ韓国映画

<<   作成日時 : 2013/09/20 17:27   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

画像 2013年春韓国で封切られた映画。韓国におけるラブコメディ映画の新境地を開いた作品と言えそうである。監督は本作が長編劇映画デビューとなる、33歳の女性新鋭監督、ノ・ドク。

 同じ銀行支店の同僚である、イ・ドンヒ(イ・ミンギ)とチャン・ヨン(キム・ミニ)。彼らは店内に知られないように密かな恋愛関係にあったが、ある日突然破局する。破局した瞬間から、お互いの持ち物(わざわざ壊したノートブックPCなど)を相手に着払いで送りつけ、携帯電話のカップル契約を解除する直前に、携帯から買い物をしまくり、相手に払わせようとしたり、さらにお互いに新しい恋人が出来たという噂に、相手がだれかを突き止め嫌がらせをしてやろうと、お互い相手のSNSを検索する始末。

 この離別後の互いの嫌がらせのヒートアップで、せっかく今まで隠していたのに、実は二人が最近までつきあっていた(そして別れた)と店内に知れ渡ってしまう始末。

 別の相手とつきあい始めた二人だったが、むしろ別れた相手にいかに復讐してやろうかが気になる二人。おまけに、二人とも新しい相手と上手くいかない。ドンヒは、体調が悪く寝込んだとき、女子大生の新しい恋人ヒョソン(ハ・ヨンス)の、彼の身上を思いやる心のなさに、ヨンを懐かしく思い出す。一方ヨンは、ミン次長(パク・ビョンウン)とつきあい始めたものの、ミン次長は遊びのつもりだった。そのことが行内の噂までになる。画像

 そして行内の合宿研修で、皆が一堂に会したとき、ドンヒとヨンの積年(?)の思いが爆発する。

 そのことがきっかけで、焼けぼっくいに火がつき、再びつきあい始める二人。その時は初めての恋愛の時よりも何もかも新鮮だった二人だったのだが...

 様々な行き違いや困難に出会うことはあっても甘くサプライズやときめきに満ちた恋愛... というラブ・コメのイメージを覆したと評される本作。ぐだぐだ引きずるお金の支払いに関する喧嘩に疑心、互いの気を遣っての不満やストレスの鬱積、さらにお互いの熱意の低下、関係のマンネリ化、さらに相手のうわべだけの気遣いに気付いた傷心などが、非常にリアルに描かれる。
 恋愛って甘くてロマンチックなものって、嘘なのではないか、むしろ苦痛ときまり悪さにトラブルの連続なのではないか... そんな思いを抱えている方はハタと手を打たれるのでは?

 「ドグマ95」風のゆらゆら揺れる手持ちカメラに、時々挟まれる二人へのインタビュー画像。フェイクドキュを指向しているようなやや実験的とも見える編集だが、これは映画内ドキュメンタリー映画「別れる: 彼と彼女のインタビュー」に対するインタビュー場面という設定。この銀行の社員を対象に取材チームが来て撮影したという設定になっており、映画の最後の方に主人公の二人を含む、行内の社員にこの映画の試写会の招待状が舞い込むということになっている。実はこの映画内ドキュメンタリー映画の題名は、本作の製作段階での仮題でもあったという1)。
 ただ決して難しい実験作ではなく、興業性を兼ね備えており、観客動員は180万を突破している。
画像

 なお、映画で採用されているエピソードは、リサーチして収集したものもあるが、かなり自分自身の恋愛経験に基づいたものが多いという2)。また銀行を舞台にしたのは普遍性を持たせるために特殊な環境ではなく、皆が良く行くような環境に設定したく、その中で学校はラブストーリーにはあまりにも陳腐、市役所や洞(日本の町、大字に相当)事務所では平板、結局銀行の適度に機械化が進んだ少し冷たいイメージが良いと、舞台を設定したとか。

 本作を見て印象的なのは、やはり韓国の恋愛意識の変化。ちょっと前までは男女がつきあうというのは結婚を前提としてというのが基本だったように思うが(そして真面目に考えているつきあいなら恋人を必ず家族に紹介する)、それがここ10年でかなり変化しているのではないかという点。上でエピソードは監督自身の経験が反映されているという話を紹介したが、この二人の間に家族の影は薄い。そして恋愛が結婚を前提として始まっている訳でもない3)。そういう意味では韓国の恋愛観の日本化がかなり進行しているのではないか、と思わされた。

 決してロマンティックではないラブストーリー。だが最初は幼稚に別れた二人であったが、やがてその二人も確実に成長する。成長した二人の姿が、意外にすっきり爽やか。とはいえ韓国のネティズン評では、共感できると高く評価する声もある一方、夢もロマンスもなくカップルにも魅力が感じられないとネガティブに評価する声もあり、好評と悪評に二分される傾向にある。画像

 なお、イ・ミンギが非常に痩せていてびっくり。演技力は以前も書いたが昔に比べると格段に向上。キム・ミニも良い。

 本作品は2013.3.21韓国封切り。観客動員数は1,865,195人(KOBIS 9月中旬現在データ)。国内未公開。

 監督のノ・ドクは1980年生まれ。ソウル芸大映画科卒。『地球を守れ』で助監督につき、映画界に入る。本作品で上海国際映画祭新人監督賞受賞。なお、監督は本作の構想をかなり長く温めていたという。映画投資環境が良くなく、本作の前にスリラー映画を一本撮るかとも考えていたという。

1)「『恋愛の温度』ノ・ドク監督『恋愛の目的』の亜流になるか心配だった」インタビュー記事(TV Report 2013.4.2付 韓国語)
http://movie.daum.net/movieperson/ArticleRead.do?personId=97920&articleId=1755440&type=total&t__nil_main_news=text

元々仮題は単に「別れる」だったが、少し野暮ったいと「彼と彼女のインタビュー」を追加したという。

2) 「『恋愛の温度』のノ・ドク監督、『なぜ一体銀行なのかって?その理由は...』」
OSEN 2013.3.31付 インタビュー記事
http://movie.daum.net/movieperson/ArticleRead.do?personId=97920&articleId=1754874&type=total&t__nil_main_news=text

3) 例えば、映画の中のエピソードとして、マンネリ化した関係を打開しようとして女性であるヨンから「結婚してみようか...」とおずおずと切り出すという場面がある。

原題『연애의 온도』英題『Love is』監督: 노덕
2013年 韓国映画 カラー 1:2.35 112分


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『恋愛の温度』- 恋人たちの修羅場を見せつけるラブコメ韓国映画 yohnishi's blog (韓国語 映画他)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる