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zoom RSS 『懐かしさの終着駅』 - ドイツ人の夫と帰国した三人の韓国人元看護婦夫妻の姿

<<   作成日時 : 2012/12/14 22:41   >>

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画像 2009年、韓国人監督によってドイツで製作されたドキュメンタリー。1960-70年代にドイツに看護婦として渡った韓国人女性のうち、故郷に戻ってきた人々を定着させることを目的に2000年に作られたドイツ村(慶尚南道南海(ナメ)郡三東(サムドン)面勿巾(ムルゴン)里)。そこに住む三組の夫婦の人生を探る作品。

 1960-70年代、まだ韓国が貧しかった時代、出稼ぎのため多くの韓国人がドイツへ渡った。男は鉱夫として、女は看護婦として... その多くは何年かドイツで出稼ぎをした後韓国へ戻ってきたが、中にはそのままドイツに定住した人もいた。

 それから30余年。海に面した風光明媚な過疎化に悩む慶尚南道南海郡では、前郡首(郡における市長に相当)の時に、ドイツで年金生活を送るドイツ移住僑胞の定住と観光開発の一石二鳥を狙って「ドイツ村」を建設した。南海郡の誘致に応じてドイツ人の夫を伴って戻ってきたドイツ僑胞夫妻は三組。アルマン&ヨンスク・テイス夫妻、ウィリー&チュンジャ・エンゲルフリード夫妻そしてルードヴィヒ&ウジャ・シュトラウス=キム夫妻である。彼らは子供たちが独立し、彼ら自身も退職後、望郷の念を募らせる妻たちに応えるべく、南海郡に応募に応じて韓国にやってきたのである。
 ドイツ村での彼らの生活は、伝統的なドイツソーセージを作って販売したり、妻の親戚たちと交流したり、一見すると順調のよう。だが、やがて問題点も明らかにされる。郡は当初、ドイツ年金生活者のために、ボタンを押せば医者が駆けつけるシステムを作ったり、ナーシングセンターも作ると言っていたのに、郡首の交代、景気後退でその計画は中途で頓挫。ドイツからの定住者もわずか3組のままで、残りは別荘としてレンタルしているもののほとんど韓国に来ることがない家か、普通の韓国人が入っている。そして韓国定住が3組に留まったのも、計画の頓挫に起因するのだ。
 ただ、観光シーズンの休日となると、村は車と観光客であふれる。定住施設としてはともかく、観光施設としては成功しているのだ。しかし、観光客は勝手に庭や家のテラスに入り込み、夫人が勝手に家に立ち入らないようにと、休日ごとに声をからして叫ぶ始末。
 郡首は、ウィリーの除く移住ドイツ人は、全く韓国語を学ぼうともせず、ドイツ人は優越感をひけらかして傲慢だと不満を言う。
 ドイツ人の夫は、韓国人は不都合な真実を聞きたがらないし、直言すると関係が壊れるので、いつもちょっとお世辞を言わなければならないし、ここではトラブルを避けるためには沈黙は金なのだという。そして韓国人の妻たちは、ドイツに長くいてすっかり考え方がドイツ式になってしまったし、韓国に「帰っ」てきて、むしろドイツこそが自分の故郷だったような気持ちになったと告白する。いわば彼女たちは故郷を失った人々なのだ。

 とはいえ、様々な事情を抱え韓国を旅立った彼女たちを、温かく迎え入れたのはドイツであったし、そしてたった三組とはいえ、ドイツ人の夫たちが全くの異国である妻の故郷に移住する気になったのも、彼らの妻への愛情の深さの証である。

 そんな、素材の良さに、韓国におけるネット評の高さが支えられている作品と言えよう。2009年ベルリン、釜山国際映画祭招待作。

 本作の韓国封切りは2012年5月24日。韓国題は『그리움의 종착역』。日本国内未公開。

 監督のチョ・ヒョンソンは1965年釜山生まれ。1990年に留学のため来独し、マーブルク大学メディア学科卒業。2006年にドイツでドキュメンタリー映画『フルメタル・ヴィレッジ』を撮影後、本作。現在ヘッセン近郊の小村に在住しながら映像製作を行っている。(以上Daum映画データベースおよびIMDBの記載を参考に執筆)

 韓国盤DVDは、おそらく元の素材がPALと思われ、PAL→NTSC変換に起因すると思われるゴーストが多少目立つ。

原題『Endstation der Sehnsüchte』英題『Home from Home』監督:조성형
2009年 ドイツ=韓国映画 カラー 99分(Daumデータベースデータ)

DVD(韓国盤)情報
発行・販売: SYcomad 画面: NTSC/16:9(1:1.78) 音声:Dolby2 韓国語 本編:95 分 リージョンALL
字幕: 韓/英(On/Off可) 片面二層 2012年 7月発行 希望価格 W25300

韓国「ドイツ村」ホームページ(韓国語)
http://www.germanvillage.co.kr/

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