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zoom RSS 保険金コメディの韓国映画『怪しい顧客たち』

<<   作成日時 : 2011/09/16 20:51   >>

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画像 最近の韓国紙の報道によれば韓国での自殺率はOECD諸国第1位なのだという(そしておそらく日本の自殺率が第2位か?)。そんな時代風潮を題材にした保険コメディ映画が本作。

 間もなく脱サラによる退職が決まっている、保険会社に勤めるオ・サンヨル部長(パク・チョルミン)。彼はその晩会社からの帰り、車で家の近所にまで差し掛かったところ、ある青年が、アン・ソヨンがナイトクラブで歌ってもらったわずかばかりのアルバイト料を盗んで逃げようとしたことをきっかけに起こった、何台もの車が巻き込まれる交通事故に遭遇する。幸い彼は大した怪我はなかったものの、一瞬の出来事がきっかけで何人もの夫や父親が命を落とし、家族たちの運命が暗転する瞬間を目の当たりにする。

 それから2年。元プロ野球選手で、今は10億の年棒を稼ぐ保険王を目指す保険会社の営業マン、ペ・ビョンウ(リュ・スンボム)。彼は社内1,2位を争う営業成績を誇っており、そのおかげで、金持ちの資産管理を請け負う会社からスカウトを受けている。野球選手時代を含めて今までバッテリーを組んできた先輩、パク・ジンソク(ソン・ドンイル)ともさよならして、今までの様に苦労しなくても楽に10億の年棒を達成できると、ここへ来て態度も大きくなっていた。雑誌記者であるガールフレンド、イ・ヘイン(ソ・ジヘ)にも、何様なの、とその態度を指摘されるほど。
 そんな中、顧客の一人である社長、ファン・ウチョル(チェ・イルファ)から自分が死んだら保険金は幾ら出るのかと相談が。その態度に変なものを感じたビョンウは、自殺の場合は保険金は出ませんよと念を押す。だが、間もなくファン社長は酒を飲んで地下鉄のホームから転落して死亡。保険金は支払われることに。
 だが、その直後、ファン社長の遺族からビョンウは自殺幇助で訴えられる。酒を飲んで死ねば、意図的な自殺とみなされず保険金が支払われると教唆したのではないかと疑われたのだ。さらにそのことで彼らの部署が不適切な保険契約をしているのではないかと社内監査が行われることに。オ部長の後を後を襲った、ジンソク先輩から、ビョンウが23か月前に契約した契約が内偵を受け、社内摘発されるのではないかと指摘される。
 実は、脱サラをしてパン店を経営していた当時のオ元部長から、他の保険会社から契約を断られた顧客を紹介されて、契約させてしまったのだ。この顧客はいずれも2年前、オ部長が居合わせた交通事故犠牲者の遺族。彼らにすれば一瞬にして家族の運命が暗転するのを見て、万一に備えて保険をと考えたのだろう。しかし、保険会社の立場からすると、生活苦から自殺未遂まで起こしているような到底優良とは言えない客たち。どう考えても自殺して保険金を引き出そうという意図が見え見えとしか思えない。
 しかし、オ元部長から「俺を信じて加入させてやってくれ」と拝み倒された上に、ちょうど顧客の拡大を図っていた最中でもあり、契約額も大したことがないので、まぁいいかと加入させてしまったのだ。ともかくこれらの顧客を、2年間の免責期間が終わる前に、しかも本社から内偵される前に、生命保険から年金保険に切り替えさせろとのジンソク先輩の厳命。

 ともあれ、何とか保険を切り替えさせようと顧客たちを一人一人回り始めたビョンウだったが、この顧客たちの説得は甘いものではなかった... その上、顧客を紹介したオ元部長さえ行方不明に...

 今日韓国では社会格差の急拡大が大きな社会問題となっている。先日、市長の辞職騒ぎまでになったソウル市の無償給食・住民投票問題も、そのバックグラウンドには社会格差の拡大があると言われている。その結果、日本と同様自殺者の急増という問題が発生しているが、これらの問題をただ深刻ぶって扱うのではなく、生命保険という切り口から、コミカルかつ希望を残すような形で扱おうという視点の良さは高く評価したい。
 最初は、彼のセールストークとは裏腹に、これらの顧客を、所詮他人事として、単なる自分の仕事の道具として(しかも優良顧客でもなく、ゴミのような顧客と)しか見ていなかったビョンウだが、契約を何とか変更させようと何度も通っているうちに、彼らが一所懸命働き、懸命に生きようとしている姿が見えてくるようになり、彼ら一人一人に人間としての共感を寄せるようになる。と、同時に最初は単に、自殺を図って保険金詐欺まがいの意図で加入をしてきたのだろう、程度の認識だった彼らに対して、自殺を図るということがそう簡単なことではなく、むしろ、保険に加入することが、彼らが一所懸命生きていこうとする証であった、そんな姿も見えてくるようになる。

 若干話を進めるうえで強引、ご都合主義的な設定もなくはないのだが、生き辛い韓国社会にあって人々を勇気づけようというその心意気や良しとしたい。

 本作品は、韓国では2011年4月14日封切り。全国観客動員数は102万 3106人(Cine21データベース情報)。日本未公開。

 監督のチョ・ジンモはソウル芸術大映画科および東国大学映画科を卒業。韓国最高のミュージックビデオおよびCF監督として活躍してきており、ピの「悪い男」「太陽を避ける方法」などで独特の撮影技術と感覚的な演出でセンセーションを巻き起こしてきた。本作が初長編劇映画作品(以上Daum映画データベースの記事を参考に執筆)。

 韓国盤 DVDはCJ E&M Picrures (旧CJ Entertainment) より刊行。画質に関しては、480p, 720pではよく分からないものの1080pにアップスケールして見ると、全般的にソフトフォーカスを掛けたようなイメージで解像度が今一つ。人物に寄ったシーンでは解像度の甘さはあまり気にならないものの、遠景を望むシーンでは全体にピンボケのような印象。ただ、遠景を望むシーンはさほど多くない。全般的に解像度の甘さが目立つのは残念。やはりDVDが売れない中、メインターゲットがネット動画に移りつつあるのだろう。CJよ、お前もか、という印象はぬぐえない。

原題『수상한 고객들』英題『Suspicious Customers』監督:조진모
2011年 韓国映画 カラー 124分

DVD(韓国盤)情報
発行: CJ E&M Pictures 販売:ART Service 画面: NTSC/16:9(1:2.35) 音声: Dolby5.1 韓国語 本編:124分
リージョン3 字幕: 韓/英(On/Off可) 片面二層 2011年 8発行 希望価格W27300

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