yohnishi's blog (韓国語 映画他)

アクセスカウンタ

zoom RSS コ・ウン原作小説を映画化した『7月32日』

<<   作成日時 : 2011/08/01 07:21   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

画像 主として詩人として高名なコ・ウン(高銀)の短編小説「満月」をもとに映画化した韓国映画。かなり悲惨な内容ではあるが、独特の詩情が感じられる作品。

 釜山に暮らすイ・マンス(パク・ウンス)はナイフさばきを頼りに暮らしてきた極道。そんな非道な彼には、その暮らしに似合わず溺愛する小学生の娘コニム(子役:チョ・ヨジョン)がおり、彼女に対しては良きパパの姿を見せていた。一方、チャン刑事(キム・ジョンギュン)は地元のやくざやごろつきなども一目を置く存在。
 そんなある日、イ・マンスに殺しの仕事が舞い込む。その日、1987年7月31日、娘を知り合いの売春宿の女主人(ヤン・ヒスク)に預けて、仕事に行く前に彼は娘に、明日までに必ず戻るから、おばちゃんの言うことを良く聞いて待っているよう言い聞かせ、その代り人形を買って帰るからと約束する。そのマンスにコニムは、明日は7月32日だよね、と問いかける。
 だが、そんな7月32日は永遠に来ないのだった。イ・マンスは殺しには成功したものの警察に逮捕されてしまい、娘を置いたまま収監される。だが彼が逮捕される直前、チャン刑事に逮捕されそうになった彼は、チャン刑事の顔と足をナイフで切りつける。その傷の後遺症でチャン刑事は障害者となってしまった。
 かつては地元のやくざを睥睨して歩いていたチャン刑事は逆にやくざから馬鹿にされ憐れみを受ける存在に。そして警察も退職を余儀なくされる。それを恨んだチャン刑事は、マンスが売春宿に預けっぱなしにしてたコニムを誘拐して、自分を彼女の父親と偽って釜山近郊のある島の売春宿に売りつけたのだった。画像

 やがてコニム(ソン・ヘリム)はハイティーンになり、客を取らされて暮らしていた。チャン刑事は彼女の父親と称して、時々その売春宿に金の無心にくるため、彼女の借金はかなりかさんでおり、約束を破って姿を消した挙句、自分に会いに来もせずに借金だけ重ねる「父親」に恨みを抱いていた。
 そんな中、彼女の体調が悪化。用心棒でひそかに彼女に恋心を抱いていたドンウク(キム・ミンギ)は妊娠でもしたのではないかと彼女を産婦人科に連れて行くと、一度はたいしたことはないと言われる。しかし、同僚同士で喧嘩をして出血したコニムを再び病院に連れて行くと、子宮頸癌だと言われる。しかしその売春宿で到底彼女を治療してくれるはずもなく、ドンウクはせめて彼女をこの地獄から逃れさせようと、二人で隙を見て島から脱出をする。そして父親を探して復讐したいという彼女に言われるまま釜山に流れ着く。だがドンウクに彼女を食べさせる才覚がある訳でもなく、結局彼女に客を取らせて食べていくしかなかったのだ。

 そんな中、イ・マンスは刑期を終えて出所した。だが、娘を預けていた女主人はすでにその場所におらず、娘の行方は杳として知れない。トラック一台で商売を始めたイ・マンスは、娘を探すためにビラをまいて、必死に娘の行方を追うが、分からない。そんなある日、波止場近くにアバズレの売春婦を見かける...

 一言でいえば不条理で、救いのないドラマである。ただイム・グォンテク監督の『娼』を思わせるような娼婦の不条理な運命に対する視線、そして当時の釜山の風土に関する映像表現などで、独特の雰囲気を持つ映画であり、妙に余韻が残る。
 主演のソン・ヘリムは韓国の映画データベースを見ても現在のところ他に出演作がないようだし、比較的キャリアのあるパク・ウンス、キム・ジョンギュンに関しても助演クラスであって、スター性がある俳優たちではないが、演出はそこそこ手堅い。良くも悪くも釜山ローカル色の濃い作品。

 2008年、アジアフォーカス・福岡国際映画祭にて国内上映されており、福岡市立総合図書館にフィルムが所蔵されている。また韓国での封切りは、それより遅れて2010年4月22日。

 監督のジン・スンヒョンは現在釜山にある東明(ドンミョン)大学言論映像広告学部メディア映像専攻教授兼ジンジン・エンタテインメント代表理事(社長)。東国大学映像大学院映画映像製作学修士、および博士。MBC, KBSに勤務し多数のドラマ、番組の演出に携わる。1999年ジンジン・エンタテインメントを起こしてからは、『ある一日』(2000)『魔法の性』(2005)『本当の男』(2005)などを撮影し、本作を2008年に撮る。本作は上海国際映画祭、福岡国際映画祭、忠武路国際映画祭等に出品。

 なお、韓国盤の画質は優秀。但し付加映像等は一切付かない。

原題『7월32일』英題『July, 32nd』監督:진승현
2008年 韓国映画 カラー

DVD(韓国盤)情報
発行・販売: PRE.GM 画面: NTSC/16:9(1:1.85) 音声: Dolby2 韓国語 本編:100分 
リージョン3 字幕: 韓/英(On/Off可) 片面二層 2010年 11月発行 希望価格W22000

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
コ・ウン原作小説を映画化した『7月32日』 yohnishi's blog (韓国語 映画他)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる