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zoom RSS 韓国70年代ホステス映画の典型 『朝帰りの女』

<<   作成日時 : 2011/06/06 07:38   >>

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画像 韓国、SM Screenから発行されている「韓国映画マスターピースコレクション」の1枚。本作品は70-80年代に流行したホステス映画の典型のようだ。

 酒場のホステス、チャンミ(コ・ドゥシム)はある日公園で、自分のスケッチを一方的に描いたあげく、無理やりそのスケッチを押し売りしてきた写真家志望だという男、ソン・ウヨル(ハ・ミョンチュン)と知り合う。しかも写真も撮ったと言って、その写真を渡す旅館の一室を指定した挙句、一文無しだと言って、写真代として旅館の部屋代を請求する図々しさ。挙句の果てに、チャンミのアパートを探し当て、行くところがないと転がり込んできた。
 チャンミは妹のようにかわいがって、学費を出してやっているヨンア(ジ・ミオク)という女の子と同居していた。チャンミはウヨルの図々しさに呆れながらも、なんとなく憎めなかったが、彼からの求愛は拒否していた。ところが、ウヨルが同居するようになって、ウヨルとヨンアの間のが怪しくなってくると、チャンミはウヨルに対する嫉妬心が抑えきれなくなってきた。そんな中酒場の同僚ミス・キムが公務員と結婚することに。結婚願望まで出てきたチャンミはついにヨンアを追い出してしまう。そしてチャンミはついに自分の気持ちに正直になってウヨルを受け入れてしまう。
 ところが、風来坊だと思っていたウヨルは、実は良家(事業家)のお坊ちゃまだった。彼は大学卒業後しばらくモラトリアムがほしいと父親に申し出て、半年間の風来坊生活を楽しんでいたのだ。そして、彼が家に帰ったその日、両親は彼と良家の御嬢さん(イ・ファシ)との婚約を準備していた。一時はチャンミに心動かされたウヨル。しかし韓国男性として親の言うことに逆らえないウヨルは、チャンミを捨てて親の用意した婚約者と結婚してしまう。
 それから5年。ウヨルの息子ジウンを孕んで産んだチャンミは、ウヨルを恨みながら地方の酒場を転々としていた。そんななか、偶然ミス・キムと地方の酒場で再会する。幸せに結婚しているはずだったミス・キムは、ホステス出身だと婚家でいじめられ、離婚し再び酒場に舞い戻っていたのだ。息子を育てる責任感だけで暮らしてきたチャンミは、ある日息子から、うちには他の家のようになぜ父親がいないのかと問われる。それまで父親は米国にいると話聞かせていたが、手紙一通来ない状況に息子も疑問に思っていたのだ。
 父親を求める息子の姿にチャンミは息子をウヨルに任せる決意をする。一方当のウヨルは妻との間にすでに3人の子供がおり、ソウルで幸せに暮らしていた...

 SM Screenの「韓国映画マスターピースコレクション」は放送用マスターから起こされているようで、どれも本来の映画の長さにかかわらず無理やり90分程度に縮められている。本作品も韓国映像資料院が運営する韓国映画データベースのデータでは108分となっているが、DVDは約88分程度。そのためかどうかDVDの中にあるあらすじに書かれている最後の方のエピソード(チャンミは病気で死に、ウヨルは自分の彼女に対する仕打ちを後悔する)が、DVDの中でまったく省かれている。これはシナリオには書かれていたが、撮影時もしくは劇場用編集の際省かれたのか、それともDVD化の際に省かれたのかは定かではない。しかもこのあらすじ、映画ではチャンミの子供は息子(ジウン)になっているのに、娘(ヒョンスク)と書いてあるので撮影段階での変更か? なお韓国映像資料院の韓国映画データベースの本作あらすじも間違った記述である。

 すくなくともDVDに収録されている範囲で言及すると、前半はコメディ調、後半は一転して『憎くてももう一度』を想起させるような、韓国でいうところの「新派」調で涙腺を攻撃する。斬新さはないものの当時のプログラム・ピクチャーとしてはそれなりに反響があった作品ではないだろうか。ただ、ホステスだからとチャンミが捨てられてしまうというような社会秩序状況に対して、疑問を持つような姿勢は全くなく、極めて当然なものとして描いているところは、やはりプログラム・ピクチャーの域を出ない。
 本作は、最近『人魚姫』『母さん』などで母親役が板についているコ・ドゥシムの初期代表作に数えられているようだ。彼女の若く魅力的な姿を見るのも一興であろう。

 本作品は1979年10月15日封切り。観客動員数56,372人(韓国映画データベースによる)。日本国内未公開。

 監督のパク・ヨンジュン(1945.2.11-2009.1.9)は80年代に主にメロドラマ映画中心に活躍した映画監督。ソウル生まれで中央大(韓国)演劇映画学科卒業。本作が監督デビュー作。『ソウルで最後のタンゴ』シリーズがよく知られ、『ソウルのタンゴ』(1986)『ソウルで最後のタンゴ2』(1992)等がある。これ以外に『ゲームオーバー』『浴槽の中の女たち』『阿呆と間抜けたち』『ボタンの穴をうまくはめられない男』などの多くの作品を演出。韓国映画監督協会の理事も務め、2009年逝去(以上DVDジャケット説明文をもとに記述)。

 本作品DVDに関して記述すると、SM Screenの「韓国映画マスターピースコレクション」は放送マスターから起こされているらしく、オリジナルの長さにかかわらずどれも90程度に縮められている。本作品も例外ではなく韓国映画データベースのデータでは上映時間108分とされているが、DVDの収録時間は88分足らず。タイトルロールも大幅カットで、クレジットは全く省略されている。画像の解像度もVHS水準。フィルムの傷や埃も残る。ただしDVD収録のスクリーンフォーマットはパッケージには4:3と記されてるのにかかわらず、なぜかアナモルフィック収録なのは得した気分。但しオーサリング時に4:3と指定されてしまっているので、TV等で見るときは強制的にアナモルフィック表示にしないと本来の画角で表示されない。ただ、これもオリジナルスクリーンサイズが保存されているのかどうかは定かではない。無字幕。

原題『아침에 퇴근하는 여자』英題『Barmaid (または The Woman Who Leaves Work in the Morning)』監督:박용준
1979年 韓国映画 カラー

DVD(韓国盤)情報
発行: SM Screen 販売: New Media Park 画面: NTSC/16:9(1:1.85) 音声: Dolby5.1 韓国語 本編: 88分 
リージョンALL 字幕: なし 片面一層 2010年 12月発行 希望価格W14500

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『星たちの故郷』 - 韓国ホステス映画ジャンルを開拓した1974年の大ヒット映画
 本作は『風吹くよき日』『旅人(ナグネ)は休まない』『馬鹿宣言』『膝と膝の間』等で知られるイ・チャンホ監督のデビュー作にして、当時大ヒットを記録し、「ホステス映画」というジャンルを確立した、韓国映画史史上一時代を画した作品。原作はチェ・イノの同名の小説。 ...続きを見る
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2012/08/26 07:11

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