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zoom RSS 炭鉱を舞台に描いた王超の長編第2作 『日日夜夜』 -中国映画-

<<   作成日時 : 2011/06/28 05:08   >>

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画像 国内で『安陽の赤ちゃん』がレイト公開されたことのある王超(ワン・チャオ)のフランス資本の出資を受けて撮られた長編第2作。舞台は中国内陸部の炭鉱。

 広生[グァンシェン](劉磊)は中国内陸部の炭鉱で働く鉱夫。彼は師匠(孫桂林)の家族とともに暮らしている。師匠には妻(王瀾)とやや知恵遅れ気味(?)の息子の阿福[アフー](肖明)がいる。実は広生は師匠に済まないと思いながらも、彼の妻に密かに横恋慕し、彼女と性関係を持っていた。息子の阿福にはきわどい瞬間を見られながらも、彼は分かっているのかわかっていないのかそれを見ても何も言わない。
 だが、そんな日々も突然の事故で終幕を迎える。炭鉱で爆発事故が起こったのだ。広生は何とか一人で地上に這い上がるものの師匠を助けることはできなかった。師匠には悪いがこれで堂々と彼女の妻と結婚できる... と思いきや、事故から時間が経つにつれ、広生は彼女と行為に及ぶたびに師匠を思い出し、精神的にできなくなってしまった。そして炭鉱は事故後閉山が決定され、師匠の妻と阿福は炭鉱を去ることに。だが広生は炭鉱が去りがたかった。そんな広生に、炭鉱自体は廃鉱になるが、その鉱山を中国の新しい経済政策に従って個人事業主に貸しても良いという話が持ち込まれる。もし未発見の鉱脈が見つかれば彼はそのまま事業を継続することができるという話である。
 彼が阿福と夜たき火をしていると、師匠の幽霊が現れる。そして鉱脈は見つかるというのだ。彼はその言葉を信じて一人鉱山に残り、坑道を掘っては未発見の鉱脈を探す。そこへ町へ行った阿福が戻ってくる。「お母さんは」と問う広生に阿福は「もういなくなった」と言うばかり。ともあれ阿福と二人で鉱脈を探す日々が始まった。

 やがて広生の努力は報われ、新しい鉱脈が発見できた。広生は昔の炭鉱仲間20人ほどを集め個人事業主として炭鉱を再開する。やがて鉱山の経営は順調に軌道に乗り彼は金持ちになった。彼は師匠の幽霊と、鉱山が軌道に乗ったら阿福に嫁を見つけると約束していた。自分の結婚よりも阿福への嫁さがしに奔走する広生。そんな広生の前に、鉱山の前の酒場に、マッサージガールとして紅梅[ホンメイ](王錚)が出現する。こんなところでくすぶっていないで家に帰れという広生に彼女は、実の父母は死に家には養父母しかおらず、帰っても苛められるだけだと応ずる紅梅。かわいそうに思った広生は、やがて彼女を鉱山の事務係として採用する。彼女の仕事ぶりは目覚ましく、彼女こそ阿福にふさわしい嫁だと準備を始める広生。しかし、実は彼女の気持ちは阿福ではなく、広生に向き始めていた...

 王超の長編第2作でフランス資本で撮られ、中国国内では正式な上映許可を取っていない地下映画扱いの作品。フィルムの現像から中国国外で行われたようだ。プロデューサーは、李玉の『紅顔』『苹果(ロスト・イン・ペキン)』、婁Yの『頤和園(サマーパレス)』などの問題作を次々と作ってきた方励。
 『安陽の赤ちゃん』に引き続き、固定焦点カメラ+ほとんどパンのない映像という独特のカメラワークは相変わらず。男女のどろどろの情念の世界を突き放したようなカメラーワークで(つまり主観的ショットが全くない)描くという独特の雰囲気を放つ作品。アングルは異なるものの、主観ショットが全く排除されているという点では小津の作品と共通している。そのことによって文学作品のように(王超は小説家でもある)、丁寧に描写/説明されない映像の余白を見る人の想像力にゆだねるという効果を狙っているかのようだ。

 広生は、罰を受けた自分の失敗を何とか償おうとする。しかし償いが成功すると思えた瞬間、彼は再び同じ失敗を犯してしまうという、そういった人間の業と弱さを突き放して描いた作品。
 ちなみに、付属の監督インタビュー映像によると鉱山などの中国におけるマニュアル労働現場では、映画に見られるような師弟関係は普遍的にみられ、このような労働現場における師匠は第2の父親のような存在になるということである。

 本作品は日本未公開。IMDBのデータによると一般劇場公開されたのはフランスとアルゼンチンのようである。

 なお、本作品のDVDはおそらくフランス盤のみ。中国、香港でも海賊盤はともかく少なくとも正式版DVDのリリースはない。フランス盤DVDの画質に関しては、画像の輪郭線に多少ゴーストが出るため微妙ににじんだような、あるいは色収差があるような印象があるが、実解像度的にはともかく繊細感のある画像。おそらくオリジナルマスター自体はかなり解像度が良好だが、Mpeg圧縮をかける際にゴーストが出ているのが原因ではないかと思う。字幕は仏語のみ。

原題『日日夜夜 / Jour et Nuit』英題『Night and Day』監督:王超
2006年 中国=フランス映画 カラー


DVD(フランス盤)情報
販売: arte video 画面: PAL/16:9(1:1.85) 音声: Dolby5.1/2 北京語 本編: 95分
リージョン: 2 字幕: 仏語(On/Off可) 片面二層 2005年9月発行 希望価格 19.99 €

王超 作品 映画評

『Memory of Love』映画評
http://yohnishi.at.webry.info/201007/article_1.html

『安陽の赤ちゃん』映画評
http://yohnishi.at.webry.info/200906/article_12.html

『江城夏日』映画評
http://yohnishi.at.webry.info/200906/article_9.html

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