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zoom RSS オムニバスの韓国インディペンデント映画『ワン・ナイト・スタンド』

<<   作成日時 : 2011/04/28 00:05   >>

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画像 性をテーマにした、3人の監督によるインディペンデントのオムニバス映画で青少年観覧不可指定。

 第1部「最初の夜」(ミン・ヨングン監督)は、女性を盗み聞きする、弱視の少年(イ・ジュスン)の物語。彼は同じアパートに住む女子大生(ミン・セヨン)のアパートのドアから聴診器で中の様子を盗み聞きしたり、彼女の捨てたごみをあさったりしていた。一方、その少年の様子をまた盗み見るサングラスの女性(チャン・リウ)女性がいた。彼女は夫との仲がうまく行かず、そのアパートに一人避難してきたのだった。少年は女子大生にボーイフレンドがいることを知り、彼女とボーイフレンドの情事の様子を盗み聞きしてひどく落胆する。そんな少年を見ていたサングラスの女は少年を自分のアパートに誘う。

 第2部「2番目の夜」(イ・ユリム監督)。別荘に遊びに来た二組の夫婦。大学の先輩(チョン・マンシク)、後輩とその妻たち(ペク・チョンリム)だ。後輩夫婦は夫婦生活がうまく行っているものの、先輩の方は妻(ッチェ・ヒジン)とぎくしゃくしている。妻は性欲が強く、彼に強く要求してくるのに、彼が妻の性欲に十分応えられず、なんとなく夫婦の間に隙間風が吹いているのだ。そんな中、妻が突然姿をくらます。あせる先輩に、しばらくすれば戻ってくると慰める後輩。だが、残った三人が車で買い物に行こうとした瞬間、先輩は何を思ったか、後輩を残し、後輩の妻だけ連れて車を発車させる...

 第3部「3番目の夜」(チャン・フン監督)ジニョン(イ・スヒョン)は風呂屋の男湯で垢すり、マッサージ師として働いている。そしてアジア映画の評論家ロメール(ダルシー・パケット)は、専門家として韓国の映画祭などを通じ10回以上韓国を訪問している。彼の韓国にくる楽しみは、映画のみならず、風呂屋でマッサージを受けること。しかもお気に入りはジニョンである。
 ジニョンの常連となったロメールは彼と個人的にも親しくなる。そんな中ジニョンは自分の家にロメールを招待して恋人のソヒ(イ・ジヨン)まで紹介する。ソヒにとってロメールは当初当惑する存在でしかなかった。しかし、ジニョンとともに付き合っているうちに、ロメールとも打ち解けてくる。すると今度はジニョンが、ひょっとするとソヒがロメールに対して心変わりをするのではないかと心配になってきた...

 いずれの作品も性/セックスをただ扱うというよりは性を巡る社会関係、特に男性側の性を巡る社会関係的危機意識を扱っている。最初は弱視/障害者という社会的弱者の立場からの女性へのアクセスの問題、二番目は、女性を性的に満足させられないのではないかと言う男性のオブセッション、さらには後輩に対する性的劣等感を巡る問題、三番目は韓国的親しさと同性愛の微妙な境界線(韓国的な親しさは、外国人から見ると時に同性愛と誤解を受けかねないような側面があるのだが)と嫉妬感情の境界線を扱っている。
 一般には韓国社会は家父長的社会とみなされており、性的にも男性が優位であるとされているが、そうではなく、と言うよりもそれゆえ、性が男性性に対する両歯の刃として突き刺さってきかねない瞬間を切り取ることで問題提起を行っていると見ることができるだろう。

 ミン・ヨングン監督は1976年生まれ。漢陽大演劇映画科出身。短編『泥棒少年』で国内外の注目を集め、長編デビュー作『ヘファ、洞』が話題となる。
 イ・ユリム監督は1978年生まれ。韓国総合芸術学校出身。2004年ドキュメンタリー『遺書』でデビュー。ほかに短編『クレーン、第4ドック』(2004)『子ぎつね』(2007)。『クレーン、第4ドック』はソウル独立映画祭で審査員特別言及賞。主に労働運動を扱ったドキュメンタリーを中心に撮ってきた。
 チャン・フン監督は1972年生まれ。韓国総合芸術学校出身。映画雑誌「キノ」記者を経て、2007年短編『強盗団たち』で社会的でありながらも、プログラムピクチャー的感覚を兼ね備えた作品として注目を浴びる(以上Daum映画データベースなどを参考に執筆)。

 韓国では2010年5月4日封切り。全国観客動員数は1851人。国内未公開。

 なお、韓国盤DVDの画質はやはり非常に優秀で、最近の一般的な商業作品DVDをしのぐ。また各監督の話題の短編作(ミン・ヨンギ『泥棒少年』、イ・ユリム『クレーン、第4ドック』、チャン・フン『強盗団たち』)を付加映像として収録している点も資料的価値が高い。付加映像はレターボックスだが、こちらも解像度面の不利を差し引いて考えても画質が優れている。

原題『원 나잇 스탠드』英題『One Night Stand』監督:민용기, 이유림, 장훈
2010年 韓国映画

DVD(韓国盤)情報
発行・販売: ART Service 画面: NTSC/16:9(1:1.85) 音声: Dolby2 韓国語 本編:99分 
リージョン3 字幕: 韓/英(On/Off可) 片面二層 2010年 9月発行 希望価格W25300

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『ヘファ、ドン』 - 2011年韓国独立映画話題作
 2011年韓国で公開された『番人』『茂山日記』と並ぶインディーズ映画の話題作。高校時代に未婚のまま妊娠してしまった女性のその後の心の痛みを描く。 ...続きを見る
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2012/03/01 00:22

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