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zoom RSS 流れに流されて... 韓国映画『味噌』

<<   作成日時 : 2011/04/23 12:57   >>

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画像 2009年韓国で12年ぶりに死刑囚の死刑が執行された。実はその死刑囚が捕まったのは、香気高い味噌チゲにそそられて足止めを食ってしまいそのためみすみす追っ手の手に易々と捕まるような羽目になってしまった。死刑になるような凶悪犯の逃げ足を止める程の香気高い味噌の正体とは一体何か... ?

 という期待されるオープニングで始まる本作品であるが... ともかくあらすじを紹介した後で論じよう。

 放送局のプロデューサー(PD)チェ・ユジン(リュ・スンリョン)は、大学の後輩から放送局でインターンシップをしたいと相談を受ける。その後輩は軍隊時代刑務所に配属され、2009年に12年ぶりに死刑執行された連続殺人魔の死刑囚、キム・ジョングを間近に見ていたという。彼が捕まったのは、味噌チゲの香りにそそられて、追っ手が迫っているのを知りながら、たまらずに味噌チゲを食べに食堂に入ったためという。彼は「あの味噌チゲが食べたい」という言葉を遺して死刑に処されたのだという。
 その話を聞いたユジンは、是非その味噌チゲを番組で取り上げようと局長に取材すると告げて取材に出かけた。あちらこちら探して、ようやく山の中にある食堂を探し当てるのだが、死刑囚の話を持ち出すと、女主人(イ・ヨンニョ)は警戒して取材拒否。仕方なく成果なくTV局に戻ると、その女主人がTV局へ彼を訪ねてきた。実はキム・ジョングが逮捕された時に食べていた味噌チゲは自分が作ったものではなく、アルバイトでたまたまいた女性が作ったものだという。その女性の名はチャン・エジン(イ・ヨウォン)。だが彼女の行方は杳として知れない。
 ただ、薫り高い味噌には、良い水と良い塩が必要だという専門家の話を聞き出して、ユジンは良い水と良い塩がそろった場所を探して、あちらこちらを探し回ることになる。ようやくそれらしい場所として全羅北道のある村を探し当て、尋ねるのだが...

 監督は『ラブラブ』以来12年ぶりに第2作目の長編劇映画を撮った女流監督、イ・ソグン。イ・ソグンは国際的にも注目されたパク・チョルスの『301, 302』の脚本を19歳で書き、当時最年少天才脚本家と謳われ、次いで『ラブラブ』で長編監督デビューを飾った。個人的には『ラブラブ』は「?」な映画であったので、12年ぶりの長編第2作はどのような作品かと好奇心から覗いてみたのだが...
 なるほど、韓国のオンラインの感想に出てくるように確かに中盤までは盛り上がる。但し後半ちょっと安っぽいメロドラマに流れてしまっているのが残念な点である。まだ、前半に出てくる味噌の様々な蘊蓄が、後半のメロドラマにも生かされていればまだ面白みがあったと思うが、後から考えると、後半のメロドラマに、味噌の蘊蓄はまったく生かされていないのだった。
 映画の主人公チェ・ユジンPDの企画は、死刑囚から味噌チゲの話へ、そして味噌の蘊蓄とどんどん企画がひょんな方向へと流れていくのだが、流されていくのは映画の中のチェPDの企画のみならず、映画の方向自体もどんどん流されていって、いささか後半収拾がつかなくなってしまっている印象がある。これも意図的なものなのかどうか?

 ただ、味噌の蘊蓄のところで、純度の高い塩がなかなかない... という話が出て、それがあたかも好ましいかのような話の流れになったところで、どうも監督は元々あまり食に関心がなさそうだな、と感じた。そもそも味噌なんて不純物の塊だし、そこで純度の高いNaClが入ったところで何らかの作用が働くとは思えない。大体日本ではイオン交換膜式の純度の高い精製塩よりも、不純なミネラルが入っている塩の方が珍重される訳だし... もっとも「純度が高い」ほど良い、という発想は韓国的にはOKなのかもしれないが... そういう意味で味噌の話が文字通り単なるダシにしか過ぎなくなるのは必然なのかも.

 ただ個人的には『ラブラブ』よりだいぶ見られるようになっているとは思う。なお2009年、韓国で12年ぶりに死刑が執行されたというのはフィクション。イ・ミョンバク政権下で死刑復活論は出ているものの現在までに未だ執行はなく、現在もアムネスティ・インターナショナルが認定する、事実上の死刑廃止国の地位に留まっている。

 本作品の韓国封切りは2010年10月21日。全国観客動員数は45571人。日本国内未公開。

 なお、本作品のDVDは、輪郭線にゴーストが出気味で、それが全体的に解像度を甘めにしている印象。最近画質が若干落ち目の韓国映画DVDとしては標準的か。


原題『된장』英題『The Recipe』監督:이서군
2010年 韓国映画

DVD(韓国盤)情報
発行: CJ Entertainment 販売: ART Service 画面: NTSC/16:9(1:2.35) 音声: Dolby5.1 韓国語 本編:105分 
リージョン3 字幕: 韓/英(On/Off可) 片面二層 2011年 1月発行 希望価格W25300

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