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zoom RSS 癒し系ロードムービー 韓国映画 『牛と一緒に旅する方法』

<<   作成日時 : 2011/03/27 01:07   >>

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画像 『私たち生涯最高の瞬間』『飛べ、ペンギン』イム・スルレ監督の最新作。

 ソンホ(キム・ヨンピル)はソウルの大学を出ながらも、おそらくは不本意ながらも、現在は江原道の田舎の実家に戻り父親(チョン・グックヮン)の農作業を手伝いながら詩を書いている。もういい年なのだが結婚もせず、両親からはベトナムの嫁を貰えと小うるさく言われ続けている。その父親はなぜか、母(イ・ヨンミ)やソンホの言うことも聞かずにトラクターを使おうともせず、牛による農作業に固執している。牛を売ってトラクターを買えという妻に、女房は売っても牛は売らぬと毒づく父。そんなソンホがベトナム女性と見合いしろとの声に耳を傾けないのはかつての恋人との苦い思い出と未練があったからだ。
 そんな中、ソンホの同窓生からある詩の賞をもらう人が出て、その祝賀パーティーに出席するソンホ。実はその賞は彼がひそかに狙っていたものだった。
 何もかもうまくいかず腐るソンホ。腹いせに思い立って父が大切にしている牛を売りに出そうと、父に無断で牛をトラックで運び出してしまう。
 だが市場では自分の思うような値で売れない。もっと南へ行けば高く買ってくれる人がいるかもしれないと言われて牛を連れてドライブに... だが、長旅で牛は疲れ、なだめているところへ、3万ウォン出すから子供を牛に乗せてくれといういう人に出会ったり、マプソ寺(=マプソサとは「まさか、なんてこった」という感嘆詞の意味もある。またイ・ヨンハクという詩人のマプソ寺という詩も存在する)で牛を休めてお坊さんに出会ったり...
 そこへ、かつての恋人ヒョンス(コン・ヒョジン)から電話が。彼女の夫が死んだので葬式に来てほしいと... かつてソンホ、ヒョンスと彼女の夫はアメリカのフォークグループPPMに模して、ポール、マリー、ピーターと呼び合っていた仲。もともとポール(ソンホ)とマリー(ヒョンス)は恋人だったのだが、マリーが裏切ってピーターと結婚してしまったのだ。胸の痛むを隠しつつ、牛をトラックに乗せたままソンホは葬儀場に向かうのだった...

 何もかもうまくいかず、田舎に引きこもっているソンホが彼自身と昔の彼女との関係を回復していくロードムービー。彼らはPPMに自分たちを模していたり、大学の同窓生の集まりで女性からソンホがヒョンと呼ばれることから、彼らはもともと運動圏(学生活動家)の人間であったことが示唆される。だがちょうど以前紹介した『パジュ』のように、ソンホは失意のまま田舎に引きこもっている。そんな彼が、「牛に引かれて善光寺参り」ではないが、牛のおかげで旅に出て、その過程で自分を取り戻す過程を描いていく。
 最初の設定や、後半の場面で『牛の鈴音』や『なぜ達磨は東へ行ったのか』を髣髴とさせる場面が見られるが、これはイム・スルレ監督によるこれらの作品へのオマージュか?仏教的な哲学的テーマが扱われているとみる向きもあるかもしれないが、私の考えではむしろ世間や相手の存在(のあり方)が、自分自身の反映、鏡であると同時に、自分自身も周囲の反映を受ける社会的存在であり、そういった自分自身の社会性にソンホ自身が気付くことを通して、彼がひきこもり状態から回復していく、そういった過程を描いた作品ではないかと考えられる。

 その過程が韓国の地方の美しい風景をバックに描かれていく、ある種の癒し系ロードムービーであるとみることができるだろう。ただ、取り立ててストーリーに大きな起伏があるわけではなく、むしろ心理状態の変化にじっくりと焦点を当てた作品なので、人によっては退屈だと感じる人もいるかもしれない。

 韓国封切り日は2010年11月3日。KOFICによる全国観客動員数は16175人。日本国内未公開。

 韓国盤DVDの画面解像度はやや甘め。付加映像もないが観客動員数の少なさからやむを得ないところだろう。

原題『소와 함께 여행하는 법』 英題『Rolling Home with a Bull』監督:임순례
2010年 韓国映画

DVD(韓国盤)情報
発行販売: PRE.GM 画面: NTSC/16:9(1:1.85) 音声: Dolby5.1 韓国語 本編:110分
リージョン3 字幕: 韓/英(On/Off可) 片面二層 2010年 2月発行 希望価格W22000

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『南へ高飛びしろ』 - イム・スルレ監督の日本原作ポリティカル・コメディ
 非国民を自認する男の、リゾート開発との対決を描いた作品。実はこの作品原作は日本の小説、奥田英朗の「サウスバウンド」。脚色はイ・ゲボクとナ・ヒョン。撮影はチョ・ヨンギュ。ちなみにこの小説、日本でも森田芳光の手によって映画化されている(2007年)。 ...続きを見る
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2013/10/10 00:01

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