yohnishi's blog (韓国語 映画他)

アクセスカウンタ

zoom RSS 異邦人の目から見た韓国を描いたインディー映画 『初めて会った人々』

<<   作成日時 : 2011/01/16 09:35   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 2

画像 2009年6月韓国で公開されたインディーズ映画。韓国に住む外国人やマイノリティーの視点から韓国社会を見ていく映画。

 脱北者のジヌク(パク・インス)は、脱北者の教育施設、ハナ院の修了を目前に控えている。彼が親しくしていた脱北者の4人は釜山に、彼は一人ソウルにとどまることになる。チェ刑事が彼の世話をしてくれることになり、国が手配したアパートに入居できることになるが、しかし、アパートには布団一つない。ともかく布団を買おうとアパートの外に出ては見るものの、いったい布団をどこで売ってるのか見当もつかない。道ばたで会った女子高生に教えられ、大型スーパーへ行って何とか布団は買うが、今度は自分が住むことになるアパートがどこにあるのか分からなくなってしまった。
 一方、タクシー運転手のへジョン(チェ・ヒジン)。彼女は10年前に脱北して韓国に定住し、苦労して今は独身のままタクシー運転手をしている。しかし、ときに行き先を聞き間違えて客にどやしつけられたり、苦労の日々。そんな彼女は、たまたま帰るアパートが分からなくなったジヌクを乗せる。同じ脱北者のよしみで一晩中アパートを探してあげるが分からずじまい。アパートが見つかったら必ず自分に連絡するよう、自分の電話番号をジヌクに教えて別れる。
 何とか自分のアパートを見つけたジヌクは、ソウルではひとりぼっち。そんななか釜山に行った仲間から遊びに来ないかと誘われる。そこで釜山に行くために長距離バスに乗る。そんななか、たまたまヴェトナム人青年、ティンユン(Quang Su)に出会う。
 ティンユンは元々、ヴェトナムでつきあっていた女の子が突然韓国に行ってしまい、彼女を追って韓国に来たが、不法滞在のまま、韓国の悪徳工場で働き、賃金の不払いの被害を受けていた。彼は、悪徳社長に悪態をついて工場を飛び出し、ともかく彼女のいる全羅北道扶安へと行こうとバスターミナルからバスに乗る。だが扶安行きと釜山行きに乗り間違えてしまったのだ。
 ジヌクは、休憩所でティンユンが乗り間違えたことを知り、運転手に訴えるが、運転手は「既に大田を過ぎてしまったので、釜山で乗り換えるしかない」との答え。それに納得できないジヌクとティンユンは、休憩所でバスを降りてしまった。しかし、そこから乗り換えられるバスは、バス運転手の言ったとおり、なく、仕方なくタクシーで大田に向かう。そこから再度バスに乗り、最後は再びタクシーで彼女の家へ。結局ティンユンは一文無しなのでジヌクが全部交通費を持つことに。
 なんとか、ティンユンと彼女の関係を知ることのないまま、彼を目的地に送り届けたとほっとするジヌク。だが送り届けた家からティンユンの悲鳴が。ティンユンの追い求める女性は、韓国の農村に嫁に来たのであり、ティンユンはお邪魔無視だったのだ。家族に殴りつけられるティンユンを引き取ったジヌクは...

 脱北者、ヴェトナム人労働者といった異邦人の立場から、韓国社会がどう見えているかを描いた作品。脱北者にしろヴェトナム人労働者にしろ、韓国社会のそもそもしくみも地理もわからない。彼らに接する韓国人は、もちろん賃金を払おうとしない悪徳社長もいるが、多くは必ずしも意地悪や不親切をしているわけではない。例えば、高速バスの運転手が釜山に行ってから乗り換えろというのは、そもそも大田を過ぎてしまった休憩所でそもそも扶安行のバスにもはや乗り換えようもないからそう言っているのであって、不親切だからそう言っているわけではないし、ジヌクの世話をした刑事も、決して彼に対して冷淡なわけではない。ただ、彼らの立場に対する想像力が少しばかり欠けているだけだ。
 そんな異邦人の立場から、韓国社会がどのように見えており、韓国人たちが自明としている、暗黙に前提とされている社会生活の枠組みを明らかにするとともに、その前提を共有しない異邦人に対して何が必要なのかを伝えようとする作品である。

 本作品はアジアフォーカス福岡映画祭にて『見知らぬ国で』という邦題にて公開。また2007年、第12回釜山国際映画祭でNETPAC賞を受賞。

 監督のキム・ドンヒョンは、1966年生まれ。東国大学附属高校卒業。1995年ペ・ヨンギュン監督の『『黒き地に白き民衆』の助監督を務め映画界に入門。1997年短編『島から』、2004年短編『腹の空いた一日』を撮り、後者で、第30回ソウル独立映画祭大賞を受賞。2005年長編『鮫』が第31回ソウル独立映画祭開幕作に選定。その後2007年短編『体温』と撮ってきて、本作が長編第2作。以上情報はCine21およびDaum映画データベースを参考に記述。

原題『처음 만난 사람들』英題『Hello, Stranger』監督:김동현
2007年 韓国映画 カラー

DVD(韓国盤)情報
発行・販売:DS Media 画面: NTSC/4:3(LB1:1.85) 音声: Dolby5.1/2 日本・韓国語 本編:112分
リージョンALL 字幕: 韓/英(On/Off可) 片面一層 2010年 6月発行 希望価格W19800

アジアフォーカス福岡映画祭2008『見知らぬ国で』
http://www.focus-on-asia.com/archive/2008/hello-stranger.html

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
韓国映画『鮫』 - 社会的に排除された人々への視線が温かいキム・ドンヒョン監督作品
 『初めて会った人々(見知らぬ国で)』のキム・ドンヒョン監督の前作。『初めて会った人々』と同様偶然にあった人々のつながりを描いた作品。 ...続きを見る
yohnishi's blog (韓国語...
2011/04/06 22:40

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
刑事を含め4人の人々の苦労や悲しみを描き、ラストで鮮やかに昇華させる手腕に感動。アジアフォーカス福岡国際映画祭で「見知らぬ街で」などという邦題を付けたのにはどうかと思いました。
SARU
2011/01/23 16:36
えっ、アジアフォーカスで上映していたんですか?邦題が全く異なっていたので気づきませんでした。訂正させて頂きます。ご指摘有り難うございました。
yohnishi
2011/01/23 19:20

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
異邦人の目から見た韓国を描いたインディー映画 『初めて会った人々』 yohnishi's blog (韓国語 映画他)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる