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zoom RSS ホン・サンス監督カンヌ映画祭ある視点部門大賞受賞作『ハハハ』

<<   作成日時 : 2010/11/20 10:35   >>

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画像 ホン・サンスと言えば、うだつの上がらない優柔不断な周辺文化人が、女性とずるずると引きずるような煮え切らないアヴァンチュールを続けるという、インテリをおちょくったような(あるいは自己批判的?)、そして一部はエリック・ロメールの四季シリーズにも通じるようなそんな作品を作り続けているが、率直に言って偉大なマンネリズムという感じもなくはなかった。
 今回もベースはやはり変わらないが、二人の友人がソウルで、お互いに偶然に別々に出かけた韓国南部の統営での思い出を語る、という形で進行する。実はお互い知らず知らずのうちに、偶然の統営で極めて近い位置にいたものの、お互い気がつかなかったその運命のイタズラが面白い。韓国では本年5月封切り。

 チョ・ムンギョン(キム・サンギョン)は、統営出身の映画監督。大学の講師もしたものの、うだつが上がらず、カナダにいる叔母を頼って移住しようと決意する。そんなある日、大学の先輩で詩人で映画評論家のパン・ジュンシク(ユ・ジュンサン)に会って清渓山で酒を飲むことになるが、たまたま最近二人とも統営に行っていたことが分って、二人で代わる代わる統営での思い出を語ることにする。

 ムンギョンはふぐ鍋食堂を営む母親に、カナダに行く決意を伝えに統営に到着する。そこで出かけた歴史博物館で観光ガイドをしていたスタイル抜群の職員、ワン・ソンオク(ムン・ソリ)に出会って、彼女が気になってしまう。彼女と何とか話をしたいと、何度もつきまとううちに、彼女に恋人がいるらしいことが分るが、なぜか彼は、自分が統営に被ってきたのと同じ帽子を被っている。
 やがてムンギョンは、ソンオクの恋人が彼女に隠れて別の女性とホテルに入るところを発見し、直ちにソンオクに知らせ、二人を破局に追い込む。こうしてソンオクから鬱陶しがられていたムンギョンはまんまとソンオクに近づくことになるのだが...

 一方、ジュンシクは妻子がありながらも別の愛人ヨンジュ(イェ・ジウォン)と付き合っていて、二人のアヴァンチュールのため統営にやってきた。実は統営にやってきたのは大学の後輩カン・ジョンホ(キム・ガンウ)の故郷であり、彼に会うことも兼ねていた。彼の紹介でこの地域随一うまいというふぐ鍋料理屋に入り、そこでジョンファ(キム・ギュリ)を紹介される。どうやらジョンホとジョンファは良い仲のようだ。ところが、やがてジョンホは別の女性とも付き合っていることが明らかになる。どうやら彼は二人の女性の間で揺れ動いて決めかねているようだ... その一方でジュンシク自身もヨンジュと今後どうしていくか決断を迫られることになる...

 相変わらずのホン・サンス節ではあるが、出会いそうで出会わない二人という想定が、男たちの愚かさぶりを、皮肉とエスプリを持って笑い飛ばす効果をうまく醸し出しており、なかなか笑える設定。カンヌ映画祭である視点部門大賞を受賞したのも十分うなずける出来。ホン・サンス映画になじみのない人にも入門として好適だろう。

 韓国盤DVDについてであるが、このDVDはUnited Entertainment Korea (UEK)という新しい会社から出されている。ユナイテッド・エンタテインメントという名前の会社はアメリカにも日本にも存在するが、それらの会社はいずれも系列会社なのかは不明。UEKのホームページを見ると、ソニー・ピクチャーズが韓国のDVD事業から2008年に撤退した際に、Sony Pictures Entertainment Koreaの事業を引き継ぐ形で発足し、韓国で初めてBlu-rayディスクを発売した会社だとあるが、ソニーの資本参加があるのかどうかは不明。
 だが、本ディスクのクオリティは全く感心できない。多くの韓国盤は120分近い映画はまず片面2層ディスクが常識のところを、本ディスクは片面1層で済ましており、ディスクを収納するケースも素っ気ない。そもそも韓国ではDVDが売れないし、しかも韓国での観客動員数が5万4千人足らずだったので手抜きしているのかもしれないが、映画に対する愛情が感じられない仕様。
 さらに画質それ自体に関しては、テレシネ自体は良いのかもしれないが、MPEG2のエンコード自体のアルゴリズムに問題があるのか、安いソフトで済ましているのか、とにかく圧縮ノイズが盛大に出る。インターネットに転がっている動画像程度の画質で、わざわざDVDで買う甲斐のない画質。韓国語と英語の字幕が付いているという点と、Region3と称して実際はALL だったのが唯一の救いか。
 全体に高画質のディスクの多い韓国盤としては最低水準の画質で(勿論韓国以外ではこの程度の画質のディスクも多いのだが)非常に失望させられた。画質を求めるならBlu-rayでの発売を待て、ということなのか... しかしBlu-rayディスクの画質にも期待できるのか、これでは怪しいのでは?

原題『하하하』英題『』監督:홍상수
2010年 韓国映画

DVD(韓国盤)情報
発行・販売:United Entertainment Korea 画面: NTSC/16:9(1:1.85) 音声: Dolby5.1 韓国語 本編:114分
リージョン3(実際はALL) 字幕: 韓/英(On/Off可) 片面一層 2010年 10月発行 希望価格W25300

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