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zoom RSS 李晩煕監督の反共映画『暗殺者』

<<   作成日時 : 2010/10/19 09:39   >>

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画像 イ・マニ(李晩煕)コレクションDVD-BOX収録作中唯一のカラー作品で1969年制作。北朝鮮の共産党の指示のまま韓国軍将軍を殺した暗殺者の悲惨な末路を描いた反共映画。

 解放直後、朝鮮半島の信託統治の是非を問う頃、共産党は当初信託統治に反対していた立場を急遽賛成に替えると共に、自分たちの立場に反対するナム・オチョン将軍の暗殺を企画する。だが彼らによる暗殺が明るみになると問題が発生する。そこで殺し屋を雇って殺し、右翼によって殺されたように偽装することを考える。そこで9年前、将軍の暗殺を試みて失敗した殺し屋(チャン・ドンフィ)を起用しようとする。
 その殺し屋は、今は改心して殺した相手の遺児であるシネ(チョン・ヨンソン)を手元に引き取り静かに暮らしている。そこにかつて彼に暗殺を依頼した北朝鮮の共産党員が近づき、再び暗殺の依頼をする。彼は一旦は断るが、暗殺対象者の名を聞き受けることにする。なぜならばその対象者とは、彼が9年前、やはり共産主義者に殺しを依頼され失敗した、ナム・オチョン将軍だったからである。
 殺し屋は、雨の中を家に帰ってきたシネを前に、急な仕事が出来た、明日朝帰るといって出ようとすると、シネは彼に、お土産に枝のついたリンゴを買ってきて欲しいと頼む。彼は共産党員の指示通り夜11発の春川行き汽車に乗り、監視役の共産党員と共に湖近くの将軍の別荘に向かう。一方、シネが守る留守宅にもピストルを持った男がやってくる...

 結局この映画のメッセージは共産党のために働いても、非人間的な彼らに所詮単なる道具として使い捨てられるだけで何のメリットもない、ということである。それに殺し屋とシネとの情を絡ませて描いた作品。
 映画のコメンタリーによると、イ・マニ監督はジャン=ピエール・メルヴィル監督の『サムライ』(アラン・ドロン主演)にかなり影響を受けて本作を作ったという。
 今から見ると、多少『レオン』を思わせるような趣もなきにしもあらずだが(あるいは比較的最近の韓国映画に比すならば『スパイ・リ・チョルジン』あたりか)、最後の単純な反共メッセージでちょっと興ざめしてしまう。それに夜間シーンが大半なのだが、いかにも60年代撮影技術未発達の時代に、昼間にNDフィルターを掛けて撮ったというのが見え見えでそれも興ざめ。ただ、当時カラーフィルムで夜間シーンの連続というのはかなり実験的な意味合いが高かったのかも。おそらくフィルムの感度も相当低かったろうし。
 イ・マニ監督は1965年に『7人の女捕虜』で反共法違反で逮捕され、さらに本作の前年『休日』が検閲に引っかかりお蔵入りになったこと、そして1967年には、当時人気最高の監督で、当時最高の映画監督報酬は1本20万ウォンが原則の時代、1本50万ウォンの監督報酬をもらっている程の人気だったものの、その二年後、人気が国産映画から洋画に移り、芸術的すぎるとむしろ敬遠の対象になるというような背景があって、どうも落ち目になってきたという焦りもあって作った作品のようだ。そのためか、イ・マニお得意の葛藤もある程度描かれているものの、単純な反共メッセージが目立つ作品になってしまっているのが残念。
 イ・マニお気に入りのチャン・ドンフィとやはり『帰らざる海兵』で子役として彼と共演したチョン・ヨンソンの大きくなった姿が見られるというあたりが目玉だろうか。とはいえ、イ・マニ監督フィルモグラフィの幅を知るという意味では意味のある作品であろう。

原題『암살자』英題『Assassin』監督:이만희
1969年 韓国映画

DVD(韓国盤)情報
発行:Blue Kino 販売:トクスン・メディア画面: NTSC/16:9(1:2.35) 音声: Dolby1 韓国語 本編: 82分(本作)
リージョンALL 字幕: 韓/英/日(On/Off可) 片面二層(4枚組) 2010年 8月発行 希望価格W49500

イ・マニ コレクションDVD-BOX紹介
http://yohnishi.at.webry.info/201009/article_14.html

イ・マニ監督『森浦へ行く道』映画評
http://yohnishi.at.webry.info/201002/article_6.html

ソウル・セレクション イ・マニコレクション販売ページ(英語)
http://www.seoulselection.com/bookstore/index.php?page=shop.product_details&flypage=flypage.tpl&product_id=2969&category_id=2&option=com_virtuemart&Itemid=53

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