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zoom RSS 『大胆な家族』のチョ・ミョンナム監督、遺作映画『大韓民国1%』

<<   作成日時 : 2010/09/09 19:48   >>

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画像 日本でもDVDが発売された韓国映画『大胆な家族』。その監督チョ・ミョンナム監督は2010年2月24日、大腸癌のため他界した。Cine21の記事によれば2006年に一旦大腸癌で余命6ヶ月の宣告を受け、新薬治験に参加し奇跡的に余命を伸ばして撮影に掛かったのが本作1)。韓国での封切りは監督他界後の本年5月。
 『大胆な家族』は発想はなかなか良かったものの(それに北朝鮮ロケも話題になった)、後半あまりにも大げさでベタなコメディになり、むしろ失笑映画という感じだったので(もっともコメディにするか感動路線にするかは悩んで結局製作会社の意向に従ってコメディ路線で行ったということを付加映像で話していたが...)、本作に関しても全く期待していなかったが、意外と面白かった。なお題名は舞台となる海兵隊特殊捜索隊には海兵隊員の1%しかなれない少数精鋭部隊である、という意味が込められている。
 原作はシン・ホジン(신호진)の『海兵隊には何か特別なことがある (해병대에게는 뭔가 특별한 것이 있다)』。
http://www.yes24.com/24/goods/93044
http://www.yes24.com/24/goods/124232?scode=032&srank=1

 韓国軍の中でも猛者が集まる海兵隊。その海兵隊の中でも猛者中の猛者が集う厳しい部隊が海兵隊特殊捜索隊。
 その厳しい海兵隊の訓練を通過した数少ない女性下士官、イ・ユミ下士(イ・アイ)2)。男性でも志願を嫌がる特殊捜索隊へ、彼女は志願するのだが、女性は適性がないと上官に一言で拒絶される。だがマスメディアに韓国軍における女性登用が少なく差別だと叩かれたことで、急遽彼女の願いは叶えられることに。
 中隊長(ヨム・ウサン)は女性だからといって特別扱いはしないと述べたが、男女差別はしないと言明した。しかし彼女の属する第三小隊長カン・チョリン中士(ソン・ビョンホ)は、俺は女が男と同等にやれるとは思わない、何も考えず俺の命令通りやれ、と冷たい。ともあれ、イ・ユミは小隊の中でもダメ兵が集まる第3小隊第3チームに配属される。だが女だからと好奇の目で見られたり、同じチームの階級が下の兵士からは、上官扱いされなかったりと散々。特に別のチーム長であるワン・ジョンパル下士(イム・ウォニ)からは、女性として色々アプローチされるものの、彼女が彼に全く気のないことを知ると、逆に徹底的に目の敵にされる。
 その一方で、イ・ユミは単なる女性差別主義者に思えたカン・チョリン中士の意外な側面を知るようになる。
 普通は下士官がチームに配属されると1ヶ月程度でチーム長を任される。しかし彼女は2ヶ月経ってもチーム長を任されない。そんな中、演習競技大会の開催が通知される。この演習で高得点をあげれば優秀なチームとして表彰される。しかし第3小隊第3チームはチーム長不在ということで、最初から参加資格を与えられない。思いあまったイ・ユミは中隊長に直訴してチーム長を任されることになる。
 こうして晴れて第3チームは参加を許されることになるが、逆恨み晴らしと自分の得点稼ぎを図るワン・ジョンパルは卑劣な方法で第3チームを陥れることを画策する...

 海兵隊に女性下士官が配属されるという奇抜な着想で作られた映画であるが、誇張されてはいるものの、女性が社会進出した時に発生しそうな普遍的な問題を風刺的に描いていて興味深い。女性蔑視はもちろん、男の嫉妬の怖さなども上手く描かれている。そういう男社会の中でイ・ユミが成長しながらもたくましく適応し、男性同僚からの信頼感を最終的には苦労しながらも獲得していく姿が、りりしく描かれている。今回に関してはチョ・ミョンナム監督の発想の斬新さが何とか生かされた企画だったと言えるだろう。

 ただ、韓国の掲示板を見ると賛否両論のようだ。一般に韓国ではフェミニズム的要素を持つ映画に対しては否定的反応が出ることが多い。また男世界である軍隊に非現実的なこのような設定を持ち込んだことに対する拒否反応もあるようである。

 本作品は日本未公開。いわゆる韓流スターの出演もないところから日本ではビデオスルーになるかどうか、というところだろう。因みに主演のイ・アイは下記のKNTVサイトにあるインタビューを見ると日大芸術学部留学経験もあるようで、日本での演技生活にも関心があるようだ。

 なお、韓国盤DVDの画質は申し分ない。メーキング、予告編など8分の付加映像付き。

1)ムン・ソク著 [CIne21エディトリアル]チョ・ミョンナム監督を賛して 2010.3.5 [韓国語]
http://www.cine21.com/Article/article_view.php?article_id=59912&page=9&mm=100000005

2)旧日本軍における軍曹に相当

原題『대한민국1%』英題『Republic of Korea 1%』監督:조명남
2010年 韓国映画

DVD(韓国盤)情報
発行・販売:PRE.GM 画面: NTSC/16:9(1:2.35) 音声: Dolby5.1 韓国語 本編: 103分
リージョン3 字幕: 韓/英(On/Off可) 片面二層 2010年 8月発行 希望価格W22000

主演女優イ・アイ インタビュー (KNTV)
http://www.kntv.co.jp/news/?p=37316

2011.1付記
本作はなんと日本国内劇場公開が決まったようだ。公式サイトは以下。配給はアルシネテラン。
http://www.alcine-terran.com/rok/
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