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zoom RSS 異色の三角関係を扱ったラブコメ韓国映画 『ハロー、マイラブ』

<<   作成日時 : 2010/02/17 00:08   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 5 / コメント 2

画像 三角関係を扱ったラブコメだが、そこに同性愛が絡むというのが今までの韓国映画にない破格のパターン。これはなかなか面白い。ただどう結末をつけるかがむずかしいので、これには賛否がありそうだが...

 ホジョン(チョ・アン)は、メインのジニョン(ヤン・ウニョン)とともに、視聴者の恋愛相談を扱うラジオ番組の構成作家兼DJとして働いていており、密かにメインの座を狙っている。ジニョンはどちらかというと現実的で醒めた視点から視聴者の相談に答えるのに対して、ホジョンは、ロマンチックな視点から答えるのが彼女の人気。例えば、遠距離恋愛の相談にはジニョンは、物理的に離れていれば心も離れてしまうもの、と答えるところを、ホジョンは、遠距離恋愛でも愛し合っていれば「エーテル波長」を通じて絶対心が通じ合うはず、という具合。それもその筈、ホジョン自身、料理を学ぶためパリに留学した遠距離恋愛中のボーイフレンド、ウォンジェがいるのだ。
 そのウォンジェが韓国でフランス料理レストランを開くために、2年ぶりに留学を終えて帰ってくることに。ホジョンは、兵役、パリ留学と待ちに待ったウォンジェからのプロポーズを心待ちにしていた。
 空港でウォンジェは、もう一人男の子を連れて帰って来た。それがフランスでソムリエの修行をしていたというサンウク。そして帰るなり、ホジョンとデートする時間もなくサンウクとレストラン開業準備に忙しい。それでもホジョンはウォンジェの母と共に、何の疑いもなくウォンジェのプロポーズを待っていた。
 しかし彼女は、ある晩ウォンジェに会いに行こうと開業準備中のレストランに遊びに行くと、ウォンジェとサンウクの姿を目撃し、二人の関係がただならぬものであることを知って衝撃を受ける。
 そこからホジョンは、なんとかウォンジェを取り戻そうと悪あがきを始める。二人の関係を親に告げると脅して、1ヶ月だけウォンジェとデートの約束をさせてみたり、サンウクを酒に任せて誘惑してみたり... だが、ウォンジェの心は取り戻せず、ラジオの仕事にも身が入らなくなるは、視聴者への回答姿勢もいきなり大幅に変わるは... 更に間の悪いことにラジオ局のパク・プロデューサー(キム・ミンギョ)からプロポーズ攻撃まで...
 そんなある日、メインのジニョンの退局が決まる。実は彼女は同性愛者で、悩んだ挙げ句、フランス留学時代のフランス人のパートナーと同性愛への偏見の少ない向こうで暮らすことを決意したのだ。メインへの昇格が決まったホジョンはパク・プロデューサーの求婚を断ることを決意する。
 だが、レストランオープンパーティーの日、ホジョンから振られた腹いせに、全てを悟ったパク・プロデューサーが3人の関係を席上でぶちまけて、事態は修羅場に...

 この映画、なかなか、話運び、語り口が上手い。ホジョンは浮世離れした、ちょっと類型的なキャラクターだな、と思いきや、それが彼女自身の現実生活が反映していることが明らかになり、いきなり実感が出てくる。それが、恋人の同性のボーイフレンドの存在が明らかになって、いきなり暗転... というように、徐々に話に引き込むような仕掛けが上手い。
 それとフランスレストランやラジオ局のDJなどの近代的な最先端のライフスタイルから、ムーダンによるクッ(お祓い)などの伝統生活、伝統心性がごちゃ混ぜになった韓国の人々の精神生活の模様も上手く対比させながら、話に取り入れているというのも、これもなかなか面白い。
 それでいて、同性愛に対する偏見の多い韓国社会に対する啓蒙的役割も、大上段に構えることなく、さりげなく果たしている。
 その一方で、ラブコメならハッピーエンドにしたいところなのだが、はやり同性愛がらみの三角関係、どう決着づけるかが難しく、苦しい結末。個人的にはこういう結末も十分納得できると思ったが、人によってはこれはハッピーエンドではないと文句が来そうだ。日本で同性愛がらみの三角関係を扱ったものとして『きらきらひかる』『ハッシュ!』があったが、あの場合は子供をその三角関係のかすがいとして使って何とか形を付けていた。本作品では子供は使っていないのでそのあたりが苦しい。
 とは言え、韓国映画としては、偏見も多く興行的に難しそうな斬新なテーマに果敢に取り組んだ映画として拍手を送りたい。

 監督のキム・アロンは1976年ソウル出身。東国大学映像大学院修士課程修了。『二重間諜』『青燕』の助監督を経て、2005年短編映画『温室』でデビュー。2008年自主製作『ララサンシャイン』で長編デビュー。本作が第2作。なお、本作は当初『ボリュームを上げよ』との題が予定されていたが変更された模様。以上の情報はシネ21データベースより。

原題『헬로우 마이러브』英題『Hello My Love』監督:김아론
2009年 韓国映画

DVD(韓国版)情報
発行・販売:ART Service 画面: NTSC/16:9(1:1.85) 音声: Dolby5.1/2 韓国語
本編: 95分 リージョン3 字幕: 韓/英 片面ニ層 2010 年 1月発行 希望価格W25300

他の韓国映画に関する記事
http://yohnishi.at.webry.info/theme/fc194a0a1f.html

2011.3付記
本作品は、2011.4 CS衛星劇場で国内放映予定。
http://www.eigeki.com/eigeki/program;jsessionid=CC2CE5EDB642C06DD6130ADB53802874?action=showProgramDetail&oa_prg_frm_cd=111020910360561261

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『ハロー・マイラブ』より その2 - 映画の中の韓国語 No. 12
&#51089;&#50629; 意味: 作業 / 異性を口説くこと、ナンパ 使用例: 『ハロー・マイラブ』 16'25" &#50752;&#51064;&#44284; &#51089;&#50629;&#50640; &#45824;&#54644;&#49436; &#54616;&#47732; &#50612;&#46504;&#44620;&#50836;? ワインと口説きについてやってはどうですか? 解説: 直訳では単に「作業」であるが意味だが、口説くことにも&#... ...続きを見る
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内 容 ニックネーム/日時
 この作品、全州国際映画祭でのプレミアで見て来ましたが、監督がイケメンであることが有名なようで、チョ・アンが「彼女、募集中です。」などと紹介して会場が沸くということがありました。たしかにイイ男ですよ、俳優かと思うくらい。
 諸外国ではこの手の設定の作品はあるかと思いますが、特段の偏見もなく、軽やかに、しかも「後悔(なんて)しない」のようなゲイの人が作ったわけでもないということで、一つの新しい波という感じがありますね。今後に期待したい監督さんです。
SARU
URL
2010/02/17 01:01
イケメン、キム・アロン監督の写真はこちらで見られます。
http://www.cine21.com/Movies/Mov_Person/person_info.php?id=17475
yohnishi
2010/02/17 22:56

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