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zoom RSS リュ・ジャンハ監督『純情漫画』のバックグラウンド

<<   作成日時 : 2009/12/19 00:31   >>

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 個人的にはとても気に入った1作品。『春が来れば』のリュ・ジャンハ監督の作品で原作はインターネット漫画だそうである。雰囲気的には岩井俊二監督の『四月物語』あたりの雰囲気にかなり近く、また最近の韓国映画では『私の恋』や『待ちくたびれて』などとも近い(主演のイ・ヨニは『私の恋』共通して出演している)。かなり日本的なテイストの感じられる、韓国版新感覚映画の一作。

あらすじ紹介は下記サイトなどを参照



 ところで、主役のユ・ジテ演じる洞事務所(日本で言えば区役所)の公務員ヨヌは真面目でいい人で押しが弱い。日本人にもこういう人はいそうだが、それにしても日本人から見て気が弱すぎるのでは... という感想を持つ人もいると思う。勿論、それは真面目でいい人というキャラクター設定から来るのだが、単にそれだけではない。まず韓国では年の差カップル(特に一回りも上という設定)は日本に比べてかなり抵抗感があるという状況を理解しておきたい。これは、ハギョンとスクのカップルの設定である、女性年上カップルに関しても、更に当てはまることで、勿論最近芸能人などでぼつぼつ見受けられるものの、一般には極めて抵抗感大である。自殺したチェ・ジンシルが結婚後上手く行かなかったのも、そのことが大きく影響していた可能性がある。
 そういった意味で、本作品に出てくる両カップルは、韓国社会において極めて革新的なカップルであり、おそらく日本の文化的影響を受けた、大げさに言えば韓国社会における既存観念に対する異議申し立て的な意味がある筈である。
 また、ヨヌが孤児であるという設定も見逃せない。親族ネットワークのサポートが極めて強力な(逆に言えば社会的サポートシステムが弱い)韓国社会において、孤児であるということは、日本で考える以上に社会的後ろ盾がないということ。多くの場合、スタートラインからサポートを受けられず、社会的に不利で、貧困層に容易に転落しうる存在であるということを意味する。もちろん孤児であることから公務員になれたということは、本人が相当努力家であったということを意味もするが、同時にその出自が、彼が韓国人式の「10回切りつけて倒れない木はない」的態度に出られないということと深く関わりがある。そういった意味で、本作品は社会意識改革を呼びかける潜在的意味合いがあると考えられる。
 本作品は日本人の立場から見れば、単にほのぼの、心地よい映画で終わってしまうのかも知れないが、『待ちくたびれて』などと並んで、かなり意図的かつ積極的に「韓国ニューウェーブ」を仕掛けた、もしくは新たな動向を探った映画なのではないかと、私は見ている。

 そもそも監督のリュ・ジャンハ自身、ホ・ジノを通して間接的に日本映画の影響の強い監督。彼の起用自体かなり意図的なものかも。

 それはそうとして、主演のスヨンを演じたイ・ヨニ、『私の恋』でも可愛かったけど、本作品では彼女の魅力全開。完全にやられました〜...

 ただ、韓国内の評判は今ひとつで、Cine21のサイトを見てみると、原作漫画の感動に遥かに及ばない、童話でもないのに童話的、イ・ミョンセとホ・ジノの欠点の結合といった否定的評価が多い。要は韓国的リアリティに欠けるということなのだろう。

 なお、スクの職業は公益公務員といって、韓国の最近の徴兵制では、宗教上の理由などで兵役を拒否する人に対して兵役に行く代わりに無給か安い給料で公務員として勤務する制度が作られている。その代わり徴兵期間は通常の兵役より長い(恐らく身分上は軍人扱いとなっていると思う)。日本盤DVDの字幕上ではそれが分かりにくいので、その点も補足して指摘しておく。

原題『순정만화』 英題なし 監督:류장하
2008年 韓国映画




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2009-10-02

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