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zoom RSS 不仲の異父姉妹二人のロードムービー 『今、このままがいい』

<<   作成日時 : 2009/11/18 00:30   >>

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画像 本作品も人権啓蒙的視点のある作品。話は仲の悪い異父姉妹が、母親の死後父親探しの旅に出るというロードムービーだが、最後に驚きの大逆転がある。

 30代のミョンジュ(コン・ヒョジン)と20代のミョンウン(シン・ミナ)は、容貌も性格も全く異なる異父姉妹。姉のミョンジュは勉強がそれほど出来ず、現在も生まれ故郷である済州島を離れることなく、母親のやっていた魚屋を継いでいる。学がなくいささか突拍子のない典型的な田舎の女性。しかも結婚していない男との間にヒョナという娘が一人いるシングルマザー。一方妹のミョンウンは頭が良く、ソウルの大学に進学してからは、田舎くさい姉や、母と同居している叔母さんを嫌ってほとんど故郷に帰っておらず、少し冷たいところがある。父親は幼い頃家を出てから行方不明。現在はソウルの一流会社のOLとして忙しく働いている。そんな似たところの全くない異父姉妹が、母親の死、そして葬式のために再び済州島で再開した。
 葬式のため帰郷したミョンウンは長年会いたかった父親を捜すためにいやがるミョンジュを無理矢理父親探しの旅に、本土へと連れ出す。だが気の合わない二人は旅先で喧嘩ばかり。かつての父親の勤務先では、日本に行くと言って退職した後行方不明と言われ、更にかつて父親の住んでいた場所を探しに車で行く途中、ミョンジュとの言い争いが原因で車が田圃に転落し、ミョンウンはあばら骨を骨折して病院に担ぎ込まれる。ミョンジュは軽傷だったが、ミョンウンはしばらく病院に入院して安静にする必要があると診断されるが、仕事が立て込んでいるミョンウンは、ミョンジュを連れて病院を抜け出してしまう。だがその過程で、ミョンジュから聞いた話や見せられた資料、思い出などから、ふと父親の存在に関してある驚くべき事実に思い当たったのだった...

 本作品がどのような人権啓蒙的視点を持っているか具体的に記述してしまうと、最後に明かされる驚きの事実が分かってしまうのでここでは記述しないが(とはいえ「非正常」な家族に対する偏見を打ち破ろうとする姿勢があることは間違いない)、仲の悪い姉妹がどうなってしまうのだろうという興味で見ているうちに、驚きの事実を通して、後味が爽やかで心温まる最後に到るというなかなか巧みな構成が光る。
 ただミョンジュ役のコン・ヒョジンは、田舎のおばさん役にしては若干垢抜け過ぎか。アジュンマ・パーマにはしているのだが、それでもやはり垢抜けている。
 ともあれ、ここに描かれている問題に対して今まで理解が少ない韓国において波紋を投げかける様な作品であることは間違いない。

 ブ・ジヨン監督は、1971年生まれ。梨花女子大教育心理学科、韓国映画アカデミー卒業。2002年短編映画『涙』で大邱短編映画祭特別賞を受賞。その後『オー! スジョン』『スキャンダル』等のスタッフとして参画。本作品が長編デビュー作。以上はシネ21データベースより。

 本作品は韓国では2009年4月に公開。国内ではあいち国際女性映画祭(2009年9月)および東京国際女性映画祭(2009年10月)に上映された。韓国での興行成績は観客動員数21315名1)

1)マックスムービー 韓国ボックスオフィス情報 2009.9.20
http://www.maxmovie.com/movie_info/boxoffice_detail.asp?oid=6114

原題『지금, 이대로가 좋아요』 英題『Sisters on the Road』 監督:부지영
2008年 韓国映画

DVD(韓国版)情報
発行・販売:Buzz Pictures 画面: NTSC/16:9(1:2.35) 音声: Dolby5.1 韓国語
本編: 90分 リージョン3 字幕: 韓/英 片面ニ層 2009 年 10月発行 希望価格W25000

あいち国際女性映画祭
http://aiwff.com/modules/films/details.php?bid=4

2011.3.4国内盤DVD刊行

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