yohnishi's blog (韓国語 映画他)

アクセスカウンタ

zoom RSS 解放後初の韓国映画 『自由万歳』

<<   作成日時 : 2009/08/13 20:19   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 2 / コメント 0

画像 1946年に製作された日本植民地解放後初の劇映画として有名な『自由万歳』。当時大ヒットし映画館に非常にたくさんの人々が文字通り押し寄せたという1)。監督はチェ・インギュ。彼は朝鮮戦争で北朝鮮に連れ去られた後、消息不明。

 時は1945年。朝鮮独立運動家、ハンジュン(チョン・チャングン)は刑務所から脱獄し、看護婦ヘジャ(ファン・ヨヒ)宅下宿に身を寄せる。彼は、釈放後、独立運動の仲間と再会し日本の植民地支配に抗議する暴動を起こそうと画策するが、仲間たちの多くは日本の敗色は濃い、わざわざ暴動を起こして尊い人命を失うことはないと決起に消極的。ハンジュンは仲間たちを見限って、自分と志を同じくする少数の同志だけで決起しようと準備に動く。そのようなハンジュンに対し、ヘジャは次第に心を寄せるようになるのだった。
 一方、日本人、南部(ドク・ウンギ)の情婦であるミヒャン(ユ・ゲソン)。当初は南部との生活に満足していたものの、たまたまハンジュンに出逢って、彼の民族解放に掛ける情熱に打たれて目覚め、彼の力になりたいと願うようになる。その結果南部とハンジュンとの間で心が揺れ動くことに。ついにミヒャンは南部より日本の機密情報を聞き出し、ハンジュンの下に駆けつけ、情報を知らせるが、そこに日本の憲兵隊がやってきて銃撃戦となりミヒャンは落命する。ハンジュンは負傷して官憲に捕まり、ヘジャの勤務する大学病院に収監される。治療を受けたハンジュンは、ヘジャの助けを借りて何とか病院を脱出しようとするのだが...

 韓国では、1974年に古典フィルムの保存、収集が始まる前の映画の保存状況は劣悪で、本作品も恐らく本来は90分近くあったであろうと推定されるが、現存部分は五十数分しかない。上映を繰り返す内にフィルムが摩耗して失われた部分(例えば結末部分が欠落しているが、本来最後は、日本の降伏を知った朝鮮人たちが鍾路で自由万歳を叫ぶ場面で終わっていたことが知られている)もあるが、特にミヒャンと日本人、南部とのやりとり部分が失われている。これは付属パンフレットに依れば、南部を演じた俳優ドク・ウンギが自発的に越北したことが知られたため、当時の検閲で南部が出る部分の大半がカットされたものと推定されている。本来ならば『ラスト・コーション』や『パープルバタフライ』ばりに、日本人(または日本のエージェント)との情交を取るか、それとも祖国への忠誠を取るかのダブルバインドに悩むという見せ場が展開されたはずだが、それがすっかり欠落してしまっている。

 本来はこの作品は、単に朝鮮の解放を礼賛する政治的プロパガンダ映画という性格を持つだけでなく、日本の官憲との銃撃アクションシーンや、二人の男の間で女心が揺れ動くメロシーンなど、大衆娯楽映画としての性格も強く持っていたと考えられている様だ。度重なる検閲によるカットやフィルムの消耗にもかかわらず、現在でも何とかその片鱗を伺うことができ、当時のチェ・インギュ監督の並々ならぬ力量の一端を見せてくれる。

 本作品は韓国映像資料院の復刻版DVDの一環として刊行されている。なお、現在はDVDは品切れ中の様だ。

1) DVD付属の解説パンフレットより。

原題『자유만세 (自由萬歳)』英題『Hurrah! For Freedom』監督:최인규
1946年 韓国映画

DVD(韓国版)情報
発行:韓国映像資料院・Spectrum DVD 販売: 画面: NTSC/4:3(1:1.33) 音声: Dolby1 韓国語
本編: 51分 リージョンALL 字幕: 韓/英 片面ニ層 2005 年 1月発行 希望価格W12000







テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
朝鮮人への善意の行き着いた果て?植民地朝鮮映画『愛と誓い』
 2010年6月19日、韓国文化院で開かれた東北ア歴史財団・在日韓人歴史資料館共催の「映画で語る韓日関係の深層」での上映にて視聴。本作は1945年5月、植民地朝鮮にて、朝鮮人の戦争参加意識を高める目的で上映された戦意高揚映画。監督は戦後民主映画の騎手として活躍した今井正と、朝鮮解放直後、それを祝う『自由万歳』をいち早く製作したことで知られるチェ・インギュ。朝鮮人の見習記者の青年が神風特攻隊員の姿にあこがれて、特攻隊員になろうと軍に志願するまでを描く。 ...続きを見る
yohnishi's blog (韓国語...
2010/07/30 09:22
韓国映像資料院DVD再生産タイトル
 本年、4月5日に韓国映像資料院から出されていたDVDで品切れだったものが再生産・再発売される模様。 再発タイトルは下記の通り。 ...続きを見る
yohnishi's blog (韓国語...
2011/04/04 15:57

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
解放後初の韓国映画 『自由万歳』 yohnishi's blog (韓国語 映画他)/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる