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zoom RSS 現代的テーマに意欲的に取り組む韓国自主映画『貯水池から救われたチーター』

<<   作成日時 : 2009/05/08 00:13   >>

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画像 2007年公開の韓国自主製作映画。いじめや引きこもり、ネット社会を題材にしたという点で、日本社会にも共通する現代的テーマを扱った意欲作。土浦や秋葉原の無差別殺人などのバックグラウンドにある心理世界に通じる部分を扱っていると言えそうだ。

 映画の主人公は20歳の青年ジェフィ(=あだ名:チーター、イム・ジギュ)。高等学校の時にピョ(ピョ・サンウ)からいじめを受けていた。それが原因で高校卒業後は大学にもいかず就職もせず、団地の自宅にある、暗い自室に引きこもっては、インターネットだけを友とし、瞬間移動の術をマスターしようと修練している(何かその図がオウム真理教、浅原彰晃の"空中浮揚"の図にそっくりだ)。
 ある日、自宅の近所のちょっとしたハプニングをきっかけに同じ団地に住む同世代の女性、チャンヒ(ユン・ソシ)と知り合う。彼女は母性的な面があり、頼りなげな青年ジェフィの世話を何かと焼こうとする。二人は団地の中で投身自殺した女性の遺体を発見し警察に通報する。
 ある時ジェフィは近所の"スーパー"(クモンカゲ)前で偶然にピョに出会い、ジェフィは断りきれずに仕方なくピョとガールフレンドのロミ(イム・ジヨン)の3人で飲むことになる。実はロミとジェフィは付き合っていたことがあったのだがピョに奪われたという気まずい過去があったのだ。酔ったジェフィは携帯電話をピョの元へ置いてきてしまう。その後チャンヒがジェフィの携帯に電話しピョの元から携帯を取り戻して来るが、彼女が受け渡しのため宿敵ピョに会ったことでジェフィは頭に来てしまう。画像
 そして、ピョに対する報復として、とんでもない奴がいると、ピョのことをネットに晒しものにすると、ある男から、私がその男を代わりに処罰して差し上げましょうかとメールが来る。その男は、自分が死病に侵されたと思い込んださびしい独身の中年男、ビョンチョル(チョ・ソンハ)であった。ジェフィが代金を払ってビョンチョルに処罰の代行を依頼したことから、事態はエスカレートしていく...

 いじめ、引きこもり、ネット中毒、ネットにおける"晒しもの"や"祭り"...最近韓国でもトップ女優がいわれのない話でネットに晒しもの、"祭り"の対象になったことをきっかけに自殺したことが話題になったりもしたが、そのようなものを支えていく心理世界を内側から描き出そうという意欲的な作品。ただ惜しむべきなのは前半ストーリー整理が今一つで、多少分かりにくい部分もある。ただ後半事態がエスカレートしていくと、物語に引き込ませる力が出てくる。内容的にはちょっと暗く商業作品としては製作しにくいであろう題材を、自主製作ならではの身軽さを生かして製作した作品といえるだろう。

 監督のヤン・ヘフンはシネ21データベースによると無差別暴力、いじめ、強姦、インターネット暴力等の現代社会の闇の側面を主に扱ってきた監督で、2005年の『失踪者たち』ではテグ地下鉄放火事件を扱い注目を集め、2007年の本作品では全州映画祭で観客評論家賞及びCGV長編映画上映支援賞を受賞。一躍自主映画界のスターとなった。
 主演のイム・ジギュは本作で注目され、本作以外にやはり自主製作の『銀河解放戦線』にも出演、2008年にはメジャーに進出し『超加速カップル』にも出演し今後も出演作の封切りが予定されている。ビョンチョル役のチョ・ソンハは『インシャラー』『火山高』やTVドラマ等に出演してきたベテラン。それ以外は新人。その中でもユン・ソシの演じた、ちょっとお節介で世話好きな「お隣のお姉さん」的、典型的な韓国人女性キャラクターがなかなか良い。

原題『저수지에서 건진 치타』英題『Who's That Knocking at My Door?』監督: 양해훈
2007年 韓国映画

DVD(韓国版)情報
発行: INDIE Story 販売: テギョンDVD 画面: NTSC/16:9(1:1.85) 音声: Dolby5.1/2 韓国語 本編: 88分
リージョンALL 字幕: 韓/英 片面ニ層 2008年11月発行 希望価格W

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
現代のネットが抱える、いじめ、ネット中毒、祭りなど、社会問題となっているテーマを、見事に映画化していますね!
日本より韓国の方が、インターネットが確実に社会に浸透しているな、という事を実感します
人間の心理がよく描かれた映画だと思います^^
ひかる(韓国語の検定に挑戦中)
URL
2009/05/08 07:02
ひかる様、コメント頂きありがとうございます。私もご指摘の通りだと思います。
yohnishi
2009/05/08 13:03

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