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zoom RSS 文字通りのアート映画、キム・ギドク15番目作品『悲夢』

<<   作成日時 : 2009/01/26 12:13   >>

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画像 オダギリ・ジョーの出演が話題となった、キム・ギドク作品映画。まもなく日本公開も予定されている。

 映画は印鑑の篆刻師であるジン(オダギリ・ジョー)と、近所に住む女性ラン(イ・ナヨン)を中心に展開する。ジンは最近恋人と別れ、ランも恋人に裏切られ傷心を抱えていた。
 ある晩、ジンは自動車で元恋人を追いかけていて、横から飛び出してきた自動車と衝突するが、そのままひき逃げしてしまう夢を見る。その夢が余りにも生々しかったので、気になって車に乗って外に出てみると、近所で実際に交通事故が起きている。そして、捜査を続ける警官の跡をつけると、ある家の前に事故を起こした車があり、その車の持ち主だった女性は寝ているところをたたき起こされ、犯人として逮捕されるところだった。
 その彼女の跡をつけて警察に行ってみると、実際に監視カメラで彼女が車を運転している写真が撮られ、彼女が事故を起こしたことは間違いない。しかし、彼女はあくまで寝ていて、運転をしていた記憶はないと言い張る。
 実はランは夢遊病患者であり、ジンの夢には彼女の行動が自分の行動として現れるのであった。その後も何度もジンは元彼女と出会う夢を見るがその度に彼女は夢遊病で出歩いていたのであった。しかも彼女も元恋人と本来の自分の意志に反し、出会っているのであった。二人で心理療法士を尋ねると二人で一人なのだ...と告げられ、よりよい解決のために、二人が愛し合うのがよいとのアドバイスを受けるのだが、二人とも前の恋愛が忘れられないとその提案を拒否するのだった....

 オダギリ・ジョー以外の映画の登場人は全員韓国語をしゃべっているのだが、オダギリだけはそれに対し一貫して日本語でしゃべる。我々からすれば違和感があるのだが、良く取ればそれが一種の異化作用を醸し出しているとも言えるだろう。それがクローズアップを多用した、色彩的にも、画像的にも意識的に美しく撮られた画面と寓話的ストーリーを通して、キム・ギドク独特の美的世界を提示する。この映画は社会的リアリティとは関係なく、むしろ文字通りのアート作品であり、絵や美術作品を見る様に鑑賞するのが正しい鑑賞態度であろう。
 そもそもオダギリが日本語、他の登場人物たちが韓国語というのも、日本語、韓国語とも分からないで字幕で映画を鑑賞する人たちにとっては関係ない。むしろ日韓両語とも分からず、何か分からない東洋のエキゾチックな言語で会話を交わす人々の姿を字幕で鑑賞するというのがそもそも正しい鑑賞方法なのだろう。そのような文字通りの「オリエンタリズム」の自覚的追求は、画面構成上も徹底し、彼らの住む家は、ソウルを舞台にしているにも拘わらず、決して近代的な高層アパートではなく、あくまでも美術的に構成された伝統的な韓屋。それは警察署まで及ぶ。
 そして、キム・ギドクお得意の、自己破壊的な自傷場面も健在である。この自傷行為の果ての昇華が最後に提示される。

 キム・ギドクがオダギリ・ジョーとイ・ナヨンという2本の絵筆を使って描いた一幅の絵画。アーティスティックにアーティフィシャルなキム・ギドクワールドを鑑賞する非常に美しいアート映画、それがこの『悲夢』である。

 韓国版DVDに関して。インディー系映画としては最近の韓国映画としては珍しく、アナモルフィックで収録されており、画像も比較的良好。これ以外に特典映像として俳優インタビュー、予告編、さらに本編に監督コメンタリーも収録されている。

日本語公式サイト (2009.2.7より公開予定)
http://www.hi-mu.jp/

原題『비몽』監督:김기덕
2008年韓国映画

DVD(韓国版)情報
販売: Premier Entertainment 画面: NTSC/16:9(1:1.85) 音声: Dolby5.1 韓国・日本語 本編: 95分
リージョン3 字幕: 韓/英 片面二層 2008年12月発行 希望価格W25300

JANJAN映画の森 「悲夢」会見 オダギリジョー×キム・ギドク監督
http://www.cinema.janjan.jp/0811/0811242135/1.php

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