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zoom RSS 韓国シャーマニズムを描くドキュメンタリー映画『間にて』

<<   作成日時 : 2008/11/16 10:39   >>

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画像 日本では恐山のイタコや、沖縄のユタなどに僅かに残るシャーマニズム。しかし韓国では現代でも人々の精神生活を支える影の存在として未だ大きな影響力を持っている。とは言え韓国のシャーマニズムを司るムーダン(巫堂)は、崇められる存在であると同時に蔑まれる存在でもあるという、両義的な存在であり1)、その実態が公に語られる機会はなかなかない。本作品はそんな日陰の存在であるムーダンの実情に迫ったドキュメンタリー映画として貴重なものであり、2006年全州国際映画祭の開幕作として上映された。

 本作品が取材の対象としているのは全州の高名なムーダン(デームー[大巫])であるイ・ヘギョン。彼女の元へ新しくムーダンとして修行にやってきた見習いムーダン、ファン・イネの修行生活(入門から初めてお祓いを執り行えるようになるまで)を物語の軸としながら、ムーダンの執り行う様々なクッ(お祓い)の紹介、ムーダンの世界観などを、要領よく紹介していく、なかなか巧みな構成となっており、韓国シャーマニズム入門の優れたドキュメンタリー映画となっている。

 イ・ヘギョンは、付加映像のインタビューによると、当初監督よりムーダンの映画を作りたいと話があった時に、そんなもの人様に公開するものではないと断ったという。しかし、監督がシャーマニズムは元々東アジアに広く存在していたのに、現在でも健在なのは韓国ぐらいになってしまった、だから人類の遺産として記録しておく必要があるのだと説得されて、取材に応じることにしたという。一方監督は、当初はカメラを持たずに彼女の日常を見せて貰い、ある程度彼らの世界観を理解できるようになってからカメラを回すようになったという。しかし取材が進むにつれ、ビデオも膨大になり、彼らの世界観もかなり広大なことがわかり、とても1本の映画にまとめることは出来ないと悩んでいたところ、幸いイネという入門者が現れ、彼女の話を軸にまとめることにしたと語っている。

 私たちが見ても興味深いのは、今日でも韓国ではこのような形で入門者が現れシャーマニズムを継いでいく人々が健在であること、そしてムーダンになるのは、なりたくてなるのではなく、なるべくして運命づけられるのだという点である。イネも決して元々ムーダンになりたかった訳ではない。そしてムーダンの降霊(口移し)のクッを初めて行う際も、とても怖がって、出来ない、出来ないと泣き言を言う。しかし、彼女は大学まで進学しながらも、突然人の未来が見えるようになり、様々な異常な現象が起こるようになる。他人からはムーダンになるべきだと言われるようになり、悩んでいた矢先突然家の事業が失敗し、それを彼女はそれを神意だと受け取り、ムーダン入門を決意したという。イ・ヘギョン自身も決してムーダンになりたくてなった訳ではなく、仕方なくなったのだという。
 またはやりイ・ヘギョンの指導を受けるようになった8歳の男の子の例も紹介されている。彼は急に鬼神(霊)が家のあちこちに立っているのが見えるようになったといって、家族がイ・ヘギョンに連絡してきた。それに、霊が見えるというようになってから、原因不明のまま、突然片目の視神経が退化して見えなくなるという異常な経験もしたという。
 このようなムーダンなるべく運命づけられた人が、人々の精神生活上の悩みを相談を受けたり、クッ(お祓い)を通してサポートしていく様が紹介されている、非情に興味深いドキュメンタリー映画である。なお題名の『間にて』は、神と人間との間にて、との意味であり、ムーダンが人と神を仲介する存在であるところからついた題名である。

 なお、韓国版DVDには画面はアナモルフィック収録と表示されているが、実際はレターボックスなので要注意。

原題『사이에서』 英題『Between』 監督: 이창재 (イ・チャンジェ)
2006年 韓国映画

DVD(韓国版)情報
販売: Enter One 画面: NTSC/4:3(LB 1:1.85) 音声: Dolby2 韓国語 本編: 123分
リージョン3 字幕: 韓/英 片面二層 2007年3月発行 希望価格W27500


1)例えば、小説、映画『太白山脈』におけるムーダンの描き方を見よ。

사이에서公式ブログ
http://blog.naver.com/between2006


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