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zoom RSS 韓国映画『ビースティー・ボーイズ』 -ちんけな男二人のバディ・ムービー-

<<   作成日時 : 2008/10/07 04:52   >>

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画像 日本でも劇場公開された『許されざるもの』のユン・ジョンビン監督の長編第2作であるとともにメジャーデビュー作。『許されざるもの』では軍隊内の男たちの物語だったが、今回は江南清潭(チョンダム)洞のホストクラブが舞台。

 ジェヒョン(ハ・ジョンウ)はソウルのホストクラブの支配人格。そのクラブで働くホストたちを束ねている。そしてその下で働くスンウ(ユン・ゲサン)は、ホストたちの中でも人気者。元々は母が宝石店を経営していたが現在はホストに身をやつしている。姉のハンビョルはジェヒョンと同棲。
 ジェヒョンはホスト仲間の間でも信頼が厚く面倒見も良いが、一つ悪い癖があった。それは賭博。このため5000万ウォンに上る借金があり、街金業者の督促が、勤務するホストクラブまで来る始末。そんな中、現在同棲しているハンビョル(イ・スンミン)からは大した金が引っ張れないので、次のターゲット、ミソンへの「工事」を開始する。
 一方、スンウは客として来たジウォン(ユン・ジンソ)に惹かれる。彼は一度惚れ込むと一途になる、ホストとしては問題のある性格であり、ジェヒョンは彼に、女に本気になるなと警告していたのだった。ジウォンは月額の家賃が350万ウォンのマンションに住んでおり、自分をクラブの売れっ子ホステスであり、2次会は行かない(体は売らない)のだと紹介したが、実は高級コールガールであった。スンウは、人気ホストである彼を「男の子」扱いするジウォンにどんどん惹かれていき、ついに同棲するまでに至る。さらに、彼女をマンションまで送り迎えしたり、彼女に投資話をもちかける彼女の客に嫉妬し、彼女を縛り付けようとするのだった。
 一方お調子者のジェヒョンは相変わらず借金を返すことが出来ず、小金が出来てもギャンブルに使ってしまうため、ついにはミソンの面前で街金業者に痛めつけられるところまで行ってしまう。さらに自分のアパートにミソンを連れてハンビョルと鉢合わせ、ついにミソンとはおサラバに
 嫉妬にますます駆られたスンウにジウォンは彼から逃げ出すことを決意する。一方スンウは彼女の後をつけ実は彼女が高級コールガールであることを確認すると、客として店に入り、彼女を指名する。そして...
 ジェヒョンは結局他の女から借金分を貢がせることはできず、ハンビョルに大金を何とか工面させたあげく、その金で日本に逃亡する準備を進める...
 どんどん行き詰まっていく二人は果たして....

 この映画を撮ったユン・ジョンビン監督は『許されざるもの』で後から入隊してきて彼女に「ゴム靴を逆に履」かれてトイレで自殺する後輩兵を演じていた当人。お調子者で女を食い物にして要領よく世渡りをしていくジェヒョンと、ホストにも拘わらず一人の女に入れあげて最後は狂気の域に至ってしまう、およそホスト暮らしに適応できないスンウの関係は、『許されざるもの』における先輩テジョン(俳優はやはりハ・ジョンウ)と後輩スンホンの関係性にダブってくる。そういう意味では本作品と『許されざるもの』のテーマはかぶっている。また外(女性)からは見えない世界(軍隊→ホストクラブの裏面)を描いているという面でも共通。しかし音楽や撮影はアップグレード(音楽の感覚は若干『犯罪の再構成』を思わせるところがある)して商業映画らしくなっている。従って華やかできらびやかなホストクラブの表面が展開されると思ったら大間違い。ホストの裏の顔、ヒモ的側面から描かれ、ホストへの幻想はぶち壊されてしまうだろう。むしろ、表は華やかに見えるが実は情けない二人の男がどん詰まりに追い込まれていくまでを描くバディ・ムービーというのがこの映画の本質。ただ前作と比べると、スンウの気持ちが入れ込んでいく先がジウォンになってしまったので、バディ・ムービーと言うには男二人の絡みが弱くなってしまった、というのがストーリー的には弱点になってしまっているかも。
 舞台を、なかなか垣間見ることの出来ないホストクラブの裏面に替えたことで、ホストが女性を手玉に取る口先八丁の手練手管や、スンウがどんどん女にのめり込んでいく心理描写を通じて、ユーモアの感覚を兼ね備えた娯楽映画に仕立てられている。とくに、ハ・ジョンウ演じるジェヒョンが、どんな危機にあっても、自分の心に全くない歯の浮くような台詞をぽんぽんと口先から繰り出していく様は、端から見て笑えるし必見。さらに最後のシーンは、日本に渡ったジェヒョンの日本の新宿歌舞伎町でのロケシーンで終わる。
 なお、題名の中のbeastieとは、英語で(可愛らしい)小動物の意味。同時にアメリカの俗語で嫌な奴の意味も含む。パンクバンドにも「ビースティー・ボーイズ」というバンドあり。

原題『비스티 보이즈(Beastie boys)』英題『The Moonlight of Seoul』監督:윤종빈
2008年 韓国映画

DVD(韓国版)情報
販売: Fantom Entertainment 画面: NTSC/16:9(1:2.35) 音声: Dolby5.1 韓国語 本編: 123分
リージョン3 字幕: 韓/英 片面二層(2枚組) 2008年9月発行 希望価格W25300

ハ・ジョンウが犯人役に出演した『追撃者』
http://yohnishi.at.webry.info/200808/article_3.html


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